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【フランス、ニューヨーク、そして群馬】ゲルニカのタピスリー公開 群馬県立近代美術館

2023年8月5日 群馬県高崎市の夏は暑い。
朝8時すぎに美術館に到着してしまったため、周辺の公園を散歩したのだがすでに気温が35度。本気だ。

磯崎新建築。周囲に高い建物が無いのでとてもスッキリしている。



というわけで、群馬県立近代美術館へ行ってきた。
目的はピカソのゲルニカのタピスリー公開。

このタピスリー、世界に3つ存在するのだが、
1つ目はフランスのウンターリンデン美術館。
2つ目はニューヨークの国連本部。
等、錚々たる場所に収蔵されている中で、
3つ目はここ群馬県高崎市にある。

なんで…

複数存在している、といってもピカソ監修のもと染織師により染め、織られ、いわば工芸やテキスタイル作品と言っても良いかも知れない。

撮影はできないので写真はないが、糸の重みを感じるずっしりとした重み、音を吸う感覚、布の柔らかさに相反する表現内容の残虐さ。
非常に見応えがあった。

さてこのゲルニカのタピスリー公開、コレクション展示室の一部で公開している。

このコレクション展示室、というのがものすごく素晴らしかった。

奥のライト下が企画展示室。右手側2階へ続く階段上に常設展示室。

近代美術館という冠をかぶっているとおり、印象派御三家や、日本の近代巨匠作品、群馬県ゆかりの作家などすごいカードをバンバン切る。

そして広い。磯崎新建築の無限回廊である。

中でも驚いたが寄贈品のモネの睡蓮。
モネの睡蓮なぞ日本各地で見れるじゃん!となってしまいがちだが、こちらにあるのは晩年に描かれたちょっとアヴァンギャルドな作風のものだ。
例のアレ、リヒター的なモネ。ボストンにあるやつ的な。
私は俄然こちらが好きだ。
おお!となりよく見ていたら、あれ?この絵画、ガラスorアクリル板が、ない。

額縁に直で絵画。

うわー。
モネの筆の筆跡も裸眼で見れる。すご。

ちょっとびっくりして息を止めて見てしまった。
なんか自分が何かの拍子にくしゃみで飛沫を飛ばしてしまったら大変だ…と…。

しかしなぜガラスorアクリル板がないのか。

美術館ボランティアの方へ訊ねてみたところ
「寄贈時の状態でそのまま収蔵するという方針がありそうなったらしいのです」
だ、そうだ。
前の持ち主の経歴を引き継いでいるのは面白いな、と思う。

近代美術館だから近代強いのは理解したが、並行して走る展示室の現代美術のコレクションも素晴らしかったのだ。
今回は菅井汲のかなり大型の絵画を堂々と。
天井が高い展示室がなせる技でこれまた自然光の光がとても見やすい。
この大きさの作品を惜しまず展示できるってよいな。

企画展のディーン・ボーエンの展示も非常に面白く、鳥のモチーフなんかはたまらなかった。立体も良いな。

この丸々とした鳥。鳥界のボテロとでも言うべきか



外の宮脇愛子の作品を見つつ夫婦共演なのだなぁと磯崎建築を後にした。

鳩も飛び立つ宮脇愛子彫刻


本当に素晴らしいところだった。

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