【写真側の現代美術】東京都写真美術館 日本の新進作家 vol.19 「見るは触れる」
2002年より「日本の新進作家」展を続け、第19回目の今年。
2002年あたりなら誰かしら見ているかもしれない。
と思ったら中野正貴氏も蜷川実花氏も過去この展覧会でピックアップされていた方々だ。
今日、見た方々の今後の活躍を祈ってやまない。
一番印象的だった多和田有希氏の作品。
欠損しているが成立している写真の画面。
でも確かに一部分が欠損している。
その不確かさ、曖昧さが、「正確に記録する」という役割を持つ写真と言う媒体も完全ではない、と思わせる。
写真にもうひと手間加えること。
それはリヒターも行っていたりホックニーもやっていることかもしれない。
しかし写真分野側からのアプローチ、こういう試みはあまり触れたことがなかったので作品として新鮮であった。
純粋に一枚の紙面として見た時の感動もあった。
なんというか、緻密な刺繍を見るような、そんな気持ちに似ている。