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日本の有資格アスレティックトレーナーの年収が予想以上に低すぎて、驚いている人が修正すべき考えと、これからの行動について

購入者の感想

非常に良く売れています。やっぱりみんな疑問や不安を感じているんですね。

資格をとってみたはいいけれど、その後どうしていいのか、とか現場にでてみたらもう安月給で働き詰め、プライベートなんてない、なんていうケースも実際多くて身体や心を壊して離れていく人も多いのがスポーツ現場に働くアスレティックトレーナーの現状だったりします。

無闇矢鱈に「いいよ!」「やりがいのある仕事だよ!」とかっていって若者の夢ややりがい搾取している大人が多いのも現実。

なので、そうなりたくない方はこの先も読み勧めていってください。


専門学校や大学で2−4年間、何百万円かけても「絶対に」教えてくれなかったことがこんな値段で知れるなんて、と評判です。


この記事の購入者には最後に特別プレゼントのお知らせもあります。

JSPOの「第一回日本のトレーナー実態調査」から


先日、JSPO(日本スポーツ協会:旧日本体育協会)が発表した、『第一回日本のトレーナー実態調査』。(←レポートのPDFはこちらをクリック)


この中で調査対象となっているのは

日本国籍を持つ 20 歳以上で以下の①②③のいずれかの条件を満たす人:
① 日本国内外に居住する AT 資格者保有者
② 職業としてトレーナー活動を行っている人(資格の有無に関わらない)
③ トレーナー活動を何らかの形で行っている人(資格の有無に関わらない)
- 『第一回日本のトレーナー実態調査』より抜粋

1294 名が調査に協力し、対象者は上記回答者より抽出された日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー1054 名。

そのうち、40.2%が25歳から35歳、そして28.1%が36歳から45歳ということで25歳から45歳までの働き盛りの部類で全体の7割近くを占めています。


主に活動している地域は東京がダントツに多く24.4%。次が神奈川で7.2%、ついで大阪で6.4%。

同じ関東と言えど、東京と神奈川でこれだけ大きな差が開いています。

そして、回答した方々の最終学歴ですが最も多いのが専門学校卒業で44%、ついで大学の33.6%、そして大学院(修士)の13.9%、最後に大学院(博士)の5.6%となります。


さらにこのJSPO公認アスレティックトレーナーの資格だけでなく、その他医療系関連資格であるはり師、きゅう師、理学療法士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師という資格やその他関連資格として教員免許や他団体のスポーツ関連資格をを並行してして持っている方も非常に多くいることがわかります。(詳細な数字はレポート参照)


トレーナー活動による年収(税込の収入)(フルタイム、パートタイム、教育のみ)というセクションでは673名が回答し

無収入が3.3%、1-100万円が37.3%、101-200万円が10.4%、ということで年収200万円以下が51%を占めており、200-300万円以下も10.4%いるので全体の6割が年収300万円以下、という結果。

他にも色々と興味深い調査内容が書かれているのですが、複数の競技を掛け持っているという方も717名の回答者のうち22.9%が該当するという報告でした。(『第一回日本のトレーナー実態調査』より)

レポートはこちら


発表している内容の中には不本意な部分もあったのではないかと推測しますが、まずはこういったレポートを集計し、発表したJSPOに敬意を表したいと思います。

こういったものがあるからこそ、次のステップに進むきっかけが生まれてくるから。


JSPO:旧日本体育協会の発表におけるみんなのリアクションについて


そしてここからは一個人としてのこのレポートの結果に対して思うことを書いていきます。


その前に自己紹介

ところでお前は誰やねん、という声にお答えして自己紹介を。


森部高史といいます。

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このJSPOの資格はもっていませんが、アメリカの国家資格であるNATA-ATCです。

簡単な職歴を書くと以下のようになります。
・2002年-2005年  横浜県私立中高一貫校において英語科教員及びバスケットボール部顧問
University of Arkansas, Fayetteville Student Athletic Trainer(’05-07)
MLB: Colorado Rockies Spring Camp Intern Athletic Trainer(‘07)
NFL: Houston Texans Summer Camp Intern Athletic Trainer (‘07)
University of the Pacific Intern Assistant Athletic Trainer(’07-’08)
af2: Stockton Lightning Assistant Athletic Trainer(’07-”08)
SUNY Plattsburgh State University Assistant Athletic Traienr(’08-’09)
University of Hawaii at Manoa Assistant Athletic Trainer (’09-’12)
22歳以下男子日本ラクロス代表チーム ヘッドアスレチックトレーナー
・2012年-現在 Kukuna Body代表
・2017年-現在 株式会社Pono Life 代表取締役

アメリカでは、アーカンソーというど田舎ですが、NFL、NBAや五輪選手を多数排出しているスポーツの名門校でアスレティックトレーナーの資格を得るための勉強をし、修士号を取得。

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コロラド、テキサス、カリフォルニア、ニューヨーク、ハワイと様々な場所でアスレティックトレーナーとして活動し、日本に帰国してからも世代別の男子ラクロス代表チームをみると同時に、自分のサロンを開設。


個人でクライアントの身体に携わりながら、会社の代表取締役として、トレーナー、治療家、セラピストといった身体の専門家の方々にセミナーやワークショップを行う「身体の専門家として活動する先生達の先生」として広く業務を行っています。

最近は、それらの業務をすべてオンライン化して提供しています。

そういった日本とアメリカで現場にどっぷりはまり生計を立てていた経験と、現場からすこし距離をおいた形で経営者として、見る視点からこのレポートに書かれているトレーナーの現状について、考察していきたいと思います。


このレポートの存在を知ったのは、ある方のツイートからでした。

この方も書かれている通り、合格は非常に狭き門だと言われています。確かに旧日本体育協会の頃は合格率が1%未満だったという時代の話も聞いたことがあります。


近年でも、実績や普段の知識量から考えたらどう考えても合格でしょう、という方も落ちていることから現在の実際の合格率はわかりませんが、この方の言う通り10%台という時代もあったのだと思います。

その低い合格率の理由に関しては、色々と「噂」を聞きますが、自分自身その資格を持っているわけでもそのための勉強をしたわけではなので、ここではおいておきます。


ただ一つ言えるのは、それだけの難関をくぐり抜けた先の結果が200万円以下というのはどうなのだろうね、という話。

資格が食べさせてくれるわけではないので、全ては自分の責任ではありますが、ちょっとあまりにも寂しい現実かな、というのが率直な感想でしょう。


結果として有料でnoteにこうしてまとめることになりましたが、結果的にはこのほうが整理出来てよかったのかも知れません。


無料で出すと「無料だから」読む人が大勢いて、結局何も受け取らないままに終わるんですよ。

「無料だから」。


価値をおかない、というより気づけないんですよ。「無料だから」。


だから「お金を払ってでも、知りたい。」と思ってもらえる人を対象にしたほうが、これからの自分の活動の糧や指針にしてくれる。


結果的に読まれる人数が少なくなったとしても、そちらのほうがよっぽど、より良い成果を上げてくれるようになるのは明白ですから、自分はすべての仕事において、そういう人たちを相手にすることを選んでいます。


「自らすすんでお金を払って学ぶ」という姿勢がない人が、きちんと対価を得られるようにはなれません。

これは断言できる。


無料のものにしか、自分が手を出さないのに、クライアントにはお金を払ってほしい、っておかしな話でしょ?


だから、ここから先は有料になります。

主な内容としては

・アスレティックトレーナーの給与が低い理由
・スポーツをとりまく環境とアメリカでアスレティックトレーナーが広まった理由
・トレーナーにとってスポーツ業界はお金にならないその理由
・アメリカのATC(アスレティックトレーナー)との違いや現状
・最高峰で受け取れる報酬はいくらか知っていますか?
・「この仕事はお金じゃない」と言っているあなたへ
・「お金じゃない」という声が上がってきてしまう理由
・価値を高めるために取るべき行動と基本的な考え方
・真剣にアスレティックトレーニングの世界に没頭したからこそ苦しんだお金とプロフェッショナリズムの間におこったジレンマ
・まとめ:これから、特に若い世代はどうしていく必要があるか。そして年長者がとるべき行動

などについて記載していきます。


ちょっと厳しい話も出ます。きつい言葉に感じることもあるでしょうし、もしかしたら僕に対してムカつくかも知れません。

それはそれで構いません。それでも現状は何もかわらないから。


自分はアスレティックトレーナーとして日本とアメリカの最前線で選手をサポートする仕事をプライドを持って行ってきました。


自分の身体に関わる仕事のキャリアの入り口を開いてくれたのがアスレティックトレーナーであり、そこが礎をつくってくれたおかげで、今があります。

誰よりも、厳しい一面を見てきて、誰よりもこの仕事が好きだから、本音を書いています。有料だからこそ、本音です。


その気持が一ミリでも伝わればここに書き残していることにも意味が生まれるのだと思います。


ちょっと考えたら当たり前の話

これもちょっと考えたら当たり前の話でしかないのですが

このレポートの状況にショックを受けている人がいる事自体が衝撃でしかありませんでした。

そんなのわかりきっていたことでしょ?と。

アスレティックトレーナー有資格者の50%が年収200万円以下(JSPO:旧日本体育協会)というのは当たり前すぎる話。何も驚くことではない。

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