見出し画像

【産前産後】恥骨痛の原因を考える

産前産後の女性で多い恥骨痛。
私のところにも恥骨痛で来店される方が結構います。

同じ恥骨痛でも原因は様々。
左右の寛骨が中央(恥骨結合)でつながって骨盤が構成される。
そのため恥骨痛に対しては、恥骨部分だけ観ていては改善されないことがしばしば。
先日も恥骨痛で悩むお客様が来店しました。


仙腸関節は?

仙腸関節の適合性の左右差

よく見かけるのは、仙腸関節の適合性に左右差があるケース。
右は荷重時に適合性を高められるが、左の荷重時には適合性が高められない⋯など。
左右の荷重伝達が均等に行われないと、恥骨結合部で捻じれが生じる。
これが痛みにつながっている場合もよく見かけます。

仙腸関節の適合性に影響する筋筋膜

仙腸関節の適合性に左右差がある。
その原因はあらゆるところから起こると考えられます。
・仙骨のポジションに関わる筋肉
・寛骨のポジションに関わる筋肉
・股関節のポジションに関わる筋肉
・先天的な骨盤帯の形状
・腹腔内圧が高められない原因
などなど。
骨盤周りだけでなく、離れた部分の足部が問題であることも。
なにが原因なのか、全体をみて評価していく必要があります。


恥骨に付着している筋の影響は?

前面の股関節内転筋は?

恥骨に付着している股関節内転が過剰に収縮している場合に痛みが起こっているケースもあります。
特に普段から遠心的に収縮しがちの方は、恥骨や股関節前面の筋筋膜に硬さが生じている場合が多く、それが痛みに繋がっていることもあります。

腹直筋は?

腹直筋を普段から過度に収縮してしまう方も、恥骨の痛みを引き起こすリスクがあります。
腹直筋を求心的に収縮しがちの方は、恥骨周辺に筋膜の肥厚が見られることが多くあります。
また腹壁全体や鼠径部の硬さも作りやすく、これらのことが恥骨痛につながることがあります。


産後の恥骨痛は産後特有の姿勢や動作も確認

仙腸関節の適合性の左右差がある。
股関節内転筋の緊張の左右差がある。

など、現象がみつかったところで、どうしてこうなってしまうのか考える必要があります。

産後女性の場合は特に、産後特有の姿勢や動作の確認が必要で
・授乳姿勢はどうか?
・赤ちゃんとの添い寝の仕方は?
・抱っこの仕方は?
・抱き上げ方は?
などなど注目していく必要があります。

赤ちゃんの抱っこの仕方でも、左右の荷重の差が生じますし、
ソファーなど沈みこむ椅子で授乳をしていると、骨盤は後傾してしまい、股関節前面の筋筋膜が緊張しやすくなります。

恥骨痛で悩むクライアントに対して、
骨盤帯のアライメント、組織の状態など細部を観ることも必要ですし
生活スタイル、姿勢、動きなど全体を知ることも大切。

そのためにはクライアントとのコミュニケーションが結局、一番大切!
クライアントの恥骨痛の改善を、クライアントとともに目指すこと。当たり前だけど、大切なことですね!


今回の対応

先日お越しいただいたお客様は、仙腸関節での荷重伝達に左右差がありました。
そこに関わっているものとして、今回確認できたことは深部股関節外旋筋や表層の大殿筋が賦活していないことがありました。
姿勢においても、授乳姿勢や根本的な座位姿勢の指導をさせていただきました。
その結果、荷重伝達の左右差が軽減。片脚立位はかなり改善されました。

ただし、継続!ですね。
ホームエクササイズ指導をしましたが、継続して改善の方向に進んでいってくれるといいです。

いいなと思ったら応援しよう!