見出し画像

ロシア映画 「ドラゴン」

つい昨日・今日のことですが、国後島から北海道までやってきて亡命を希望しているロシア人がいるとニュースになりました。

北方領土の国後島に住むロシア人男性が19日、根室海峡を渡って約20キロ離れた対岸の北海道標津町に現れたことが、関係者への取材でわかった。男性は同日、標津町内で北海道警に保護され、札幌出入国在留管理局に移送された。(記事より引用)

この亡命してきた方法が「海を泳いで渡ってきたのか?」「それともボートや船のようなもので渡ってきたのか?」がロシア語の単語からだけでは不明、というのがロシア語界隈のツイッターで見かけた情報。

例えばカチューシャさんのツイート。日本語では「来た」には手段を問わず利用できますが、ロシア語の場合は、陸路、空路、水路で異なる動詞を使うので、水路の場合、動詞単体では泳いでなのか乗り物に乗ってなのかは判断できないそうです。

これを見て思い出したのが、3年ほど前に見たロシア映画、ドラゴン。

ドラゴンなので空を飛んでくるわけですが、映画で使われている歌で「飛んで来る」という動詞が使われているのを思い出しました。そんなことが可能なのか?と思うかもしれませんが、映画や歌が美しく、「飛んでやって来て」の部分だけでなく、とてもはっきりと明確に発音されているのです。

ロシア映画 『ドラゴン』

映画.comの紹介文を一部抜粋します。

はるか昔、ドラゴンに生贄を捧げる風習があったロシア辺境の国。公爵の娘ミラは、かつてドラゴンを退治した英雄の孫イーゴリと結婚することになるが、結婚式の最中に突如として飛来したドラゴンに連れ去られてしまう。孤島の洞窟に閉じ込められ絶望するミラの前に、謎めいた青年アルマンが現われる。(映画.comから抜粋)

公式予告動画では、「ドラゴンと美女が繰り広げる愛と冒険のスーパー・ダーク・ファンタジー!」との紹介文が躍りますが、確かにドラゴンが出てくるし、ドラゴンに生贄を捧げる風習があったロシア辺境の国が舞台で、ダークな場面もあるし、ドラゴンに連れ去られたヒロインを助け出そうとやってくる英雄の息子もいる。

これらを一行で説明せよと言われたら「入試問題的に正解なキャッチコピーはこれ」になるかもしれません。

一方でDVDのパッケージ/プライムビデオと、そこに記されている画像は、ドラゴンの骸骨の顎に落ちていく女性と上空を舞うドラゴン。絵面はどちらも同じですが、キャッチコピーはちょっと違っています。

プライムビデオ:最高峰のVFXチームで贈る、壮麗なファンタジー大作!
DVDパッケージ:愛に堕ちる

AmazonのプライムビデオでもYouTubeの予告動画でも良いのですが、このコピーのセリフから受ける印象とはちょっと違いませんでしょうか?

予告編動画

まずサムネがこんなシーンですし。

映画の鑑賞後につぶやいた内容を振り返ると、当時の私は「ど真ん中なラブストーリー」と認識していたようです。

そして、たぶん今見直してもあまり印象は変わらないと思います。ドラゴンはでてきますが、『美女と野獣』なんかもファンタジー的ではありますが、王道のラブストーリーですよね?

ヒロインを演じた女優の名前間違い

変なタイトルをつけてますが、ヒロインの女優の名前があちこちで間違っていて、いまだに改善されていない様子です。

アマプラのクレジットは今でもこうなっています。

監督 インダル・ドジェンドゥバヴ
出演 アリョーナ・チェーホフ, マドヴェイ・ルィコヴ
ジャンル 外国映画
オーディオ言語 Русский

再掲となりますが、映画.comさんの記事でも記載はこの通り。

アリョーナ・チェーホバ

なんと、Amazonと映画.comでは、アリョーナ・チェーホフとアリョーナ・チェーホバとここでも混乱がありますが、当時こんなツイートがありました。

ツイートの写真からも明らかなように、ヒロイン役を務めたのはマリア・ポエジャエワさんで、アリョーナ・チェーホワさんではないですね。

アリョーナ・チェーホワさんも『ドラゴン』には登場していて、Nevesta との役名が付いています。たぶん宮中の侍女役の一人ではないかと思います。(それ以外に他の女性が登場する場面がそもそもないので。)

歌が素晴らしい

当時、興奮してiTuneでさっそくサントラを買いました。ですが、いわゆる「サウンドトラック」ではなく、映画で使われた歌を歌った歌手のアルバムで、劇中歌も収録されていますが、BGMなどはなしです。

代わりに二曲だけ、ツイッターでも紹介した歌をリンクしておきます。

「飛んでくる」のロシア語の単語

さて。本投稿の最初の意識に戻りますが、「飛んでくる」のロシア語の単語ですが、上でリンクした記事の二つ目の動画に歌詞がきちんとロシア語で書いてあります。

Забирай, забирай! Приходи, прилетай!
На века отдана Дева юная.

動画では2分22秒あたりから始まる部分です。再度リンクしたのは、開始位置を設定した動画です。

このロシア語をGoogle翻訳にかけるとこんな結果になりました。

Take it, take it! Come, come!
A young virgin was given for centuries.

Приходи, прилетай!はどちらもただの「Come」となっていますが、前者は「歩いてくる」で後者は「飛んでくる」だそうです。

どちらも不完了体動詞なので、繰り返しなどを意味していて、実際ドラゴンは何世紀にもわたって生贄をさらっていったことが、その次の文章で示されています。

ちょっとしたネタから、またロシア映画の話題の投稿となりました。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?