錆戦日誌・後日談
「Collider、弾頭と敵機とを衝突せしめるもの。
その銃口狙い過つことなく、
昨日死んだ者のために撃ち、
明日生きる者のために撃て。
いずれお前ではないお前が、
青い四方海の果てへと至り、
我らをこの檻から解き放つ」
――
⇦ ROLL BACK ⇦
――
おや、君は見ない顔だね。いや待て、顔認証によく似た履歴が残っている。もしかして親戚のヒト?
「力を貸してくれ、グレムリン。タワーが、父さんが危ない!」
ああー、そういうやつ。残念ながら君では認証通らなくてボクを動かすことはできないんだけれど、自分でいい感じに動いてそれっぽい感じにしてあげるとしましょう!
「あいつだ。あいつを倒さないと!」
未識別機動体、とかいう。えーと、使える武装は。
「武装……速射砲、しかない」
しかも装弾は1発だけかー。んー、なんとかしましょう!
――
⇦ ROLL BACK ⇦
――
「お前、いつもそのガラクタいじってるな」
――
⇦ ROLL BACK ⇦
――
「爺さんの形見なんだ」
「この前は兄貴のおさがりだって言ってなかったか」
――
⇦ ROLL BACK ⇦
――
「どっちでも同じさ、今は俺のものだ」
「そんな大事そうなものにも見えないが」
――
⇦ ROLL BACK ⇦
――
「確かに、今回は役に立たないかもしれない」
「今回?」
――
⇦ ROLL BACK ⇦
――
ぺぎー! ぺぐ、ぺぐ、ぺぎぎ。
ぐぺ、ぺぎぺぎ。ぺぎ、ぺぐ、ぺぎー!
ぐ? ぺぐぺ、ぺぎぺぎ。
ぺぎー。
――サー・ペングウィン、南征に際し
――
⇦ ROLL BACK ⇦
――
推進機をやられた! 海面と衝突(コライド)するまでもう猶予もない。
せめて、せめて1機でも多く道連れに!
――
⇦ ROLL BACK ⇦
――
「遅刻、遅刻ー!」
ひよこ立像前を走っていると、どしん、誰かにぶつかった!
「ごめんなさい! 急いでいて……」
「こちらこそうっかりしていて。お怪我はありませんか」
転んだ私に手を差し伸べてくれたのは、単眼頭部がさわやかな中層二脚のグレムリン!
これって、運命の出会い!?
――
⇦ ROLL BACK ⇦
――
いずれお前ではないお前が、
青い四方海の果てへと至り、
我らをこの檻から解き放つ。