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作家活動10年の回顧

あけましておめでとうございます。
2025年は僕が初めて作品を世に出してから、ちょうど十年目であることに先ほど気がつきました。

そこで、自分自身の10年を振り返り、記念碑的な意味合いで久々に記事を書こうと思います。

●処女作は、オリオンブックスから発売中の『宿星の剣と漂泊の姫』です。
北国の小さな港に中央の王族の姫が漂着したことをきっかけに、他国との戦争に巻き込まれます。
突如、謀略と戦乱に巻き込まれる港町の武士達は、生き残りをかけて戦います。

●2作目は『海戦姫と水底の墓標』。
現代の高校生が真珠湾攻撃に向かう途中のイー16潜水艦の特別攻撃隊隊長と入れ替わります。現代人が見た戦争、そして死を覚悟した軍人が見た現代の視点を入れ替えながら、戦争とは何かを考えられる作品としています。

●3作目は『犠牲の海と乙女の方舟』です。
日本陸軍の輸送船を舞台に、ミッドウェー海戦で墜落した海軍のパイロットとの交流を描いています。
戦争後期、とうとう輸送船にも特攻の任務が与えられます。乗員達はどのように切り抜けるのか。戦争をわかりやすく、柔らかく、救いがあるように描いています。

●4作目は『告解室の堕天使と偽りの聖女』です。
架空世界のファンタジー作品。
愛し合う敵同士という、古来からの物語の定石を使っていますが、ヒロインの顔がわからないまま、男は戦いを挑んできます。
ヒロインはどのように対処するのか……
(というか、この作品まだ発売中なのですね。それ自体がスゴイ)

●さて5作目。『山神姫の付き添いなれば』。
平安時代末期、平家が滅亡した後は、源氏同士の争いが起こります。
源義経に味方した源有綱は鎌倉殿、源頼朝に追われることになります。
潜んでいた山中で不思議な少女に出会い、命永らえることになりますが、その命に変化が現れます。

●6作目。『妖魔の大地と調伏の乙女たち』
日中戦争の中国、寒風吹きすさぶ太原を舞台に、道教・仙術を武器に攻勢をかける中国軍に、日本軍も急遽、妖術部隊を編成して前線に送り込みます。といっても5人。全滅寸前の日本軍部隊を救出できるのでしょうか……

先にあげた『海戦姫……』と『犠牲の海……』とあわせ、陸海空を書いて軍事ファンタジー物はこれで書きつくした感じです。

●7作目は『邪淫の鬼姫 マヨイガ奇譚』です。
エロ小説なので、年齢認証必要です。
室町時代を舞台に、将軍足利義教を斬った武士が逃亡途中、鬼姫の家で匿われ、官能の日々を暮らします。

●8作目はホラー作品。『眠れる巫女と伝染の蝕鬼』です。
発掘調査中の主人公が、人身御供されたと思われる巫女の石棺を掘り出します。異形の巫女が蘇り、歴史に埋もれた恨みを現代の人間に対して果たします。

●9作目は初のミステリー小説。
『疑惑のラビリンス 異国の少女』です。第二次大戦後期、幽霊船のように彷徨う日本の輸送船内にいたのは、一人の銀髪の少女。幽霊船の謎を解こうとする憲兵少尉。かいまみえる大きな陰謀にどう立ち向かうのか。

●10作目は『疑惑のラビリンス』を3部作にするというお話があり、急遽前作『異国の少女』に続く作品を書き上げました。
『疑惑のラビリンス 雛人形の悪夢』です。
『異国の少女』の登場人物は、戦後探偵事務所を開設します。
そこに、妙齢の美しい女性の依頼人が現れます。
内容は、雛人形を見つけて欲しい……拍子抜けする主人公ですが、そこにはおぞましい、戦争の遺産が……

●11作目は『疑惑のラビリンス 亡国の少女』。
シリーズ最終作です。戦後、元軍人たちが原爆を奪ってクーデターを計画します。
阻止すべく戦う主人公たち。
戦中~戦後を駆け抜けた若者達の叙事詩最終話。

●12作目はミステリー『エデンの人形』です。
初めての歴史、戦争ヌキの現代の物語。
死相が見えてしまう占い師が、自分の能力を恨みながら持ち前の洞察力で事件を解決します。

●13作目は前作、『エデンの人形』の主人公、大庭美影が活躍する短編小説『アウトレンジ ガード下のヘブン』です。『アウトレンジ』シリーズ4部作として執筆開始。
こちらは初の朗読小説。朗読はシリーズ通して声優、朗読家のはるねずみさん。
美影の親友が殺人事件の容疑者となります。疑いを晴らすために警察に立ち向かう美影。

●14作目は『ガード下のヘブン』の続編。
『アウトレンジ サイキックヘル』です。
空からナイフが落ちてきて人が亡くなるという、妙な事件が発生。
俺が犯人だ、と名乗り出るマジシャン。しかし証拠が無く方法もわからず、逮捕できない警察。美影が鋭い洞察力でトリックを解き明かします。

●15作目は『アウトレンジ 黄泉のミラージュ』。
怪談とミステリーを交差させて描写しました。シリーズ4作の中核部分です。

●16作目『アウトレンジ 手のひらのシャングリラ』。
シリーズ最終作です。
ハッピーエンド。安心してはるねずみさんの朗読をお聴き下さい。

●17、18、19、20作目はそれぞれジャンルの異なる短編集です。
現代ミステリー『魔女の天秤』、ライトノベル『大江戸からくり娘』、青春小説『八日月の幻』、経済小説『ごめんねワーク』の4話収録。
タイトルは『八日月の幻』です(キンドル版です)。

●短編集のうち、『八日月の幻』がピックアップされ、声優の伊吹まいなさんによる朗読小説としても発売されています。
伊吹まいなさんの、泣き声まじりの朗読を是非お聴きください。
ちなみに、オリオンブックスの編集さんも原稿お読みになって泣いたとのことです。
僕は、執筆中は主人公が憑依している状態なので、精神は物語の舞台におり、悲しい、というより必死という感情でした。

●短編集から、ライトノベル『大江戸からくり娘』もピックアップされ、朗読小説として発売中です。こちらも朗読は伊吹まいなさん。


さて、10年振り返ってみると、ファンタジー、エロ、ホラー、歴史、軍事、ミステリー、ラノベ、経済小説など、沢山のジャンルを書かせていただいたなぁ、と、出版社さん、読者様には感謝の一言です。

また、編集さんをはじめ、イラストレーターさん、声優さんなどの協力で一つの作品を作り上げる楽しさを感じた10年でもありました。

もしイマジネーションが膨らんできたら、また書きたいなぁと思っています。

物語や文章に磨きをかけ、また新しさを保って自分自身を更新していきたいと思います。

新年の抱負みたいになりましたが、これからもお読みいただければ、こんなうれしいことはありません。

ではでは!


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