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雪を厭わず真を見る
本日2024年4月16日静岡市美術館で開催中の細見美術館所蔵の美術品拝観のために静岡市へ出かけた。
細見氏三代がコレクションした品々であるが、文化的僻地で、有名美術展が素通りする静岡界隈であるから車で静岡市美術館へ出かけてみたのだ。
お目当ては、伊藤若冲の絵画であるがその展示数は多くはないだろう。しかし、琳派や江戸時代の工芸、絵画、仏教関連の品々の実物を見るのも悪くはないだろうという思いであった。
今回の代表展示物は「雪中雄鶏図」「糸瓜群虫図」であろうか。
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降り積もる雪の中、餌を探して佇む雄鶏。本図はまだ家業を勤め、字の「景和」を署名としていた三十代前半頃の作品で、現在知られる若冲画の中では最初期のもの。
雪中における鶏の確かな存在感は、真っ赤な鶏冠や漆黒の尾羽といった色のコントラストだけではなく、この画家の傑出した写実力にある。また鶏は中国で徳のある鳥とされ、孤高な雄鶏の姿に若冲は己を重ねているという解釈もある。
鶏の緻密な描写や奇怪な形の雪竹などに、後年発揮される彼の作風の萌芽をすでに見出すことができる。
次は「糸瓜郡虫図」
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極端に長細い糸瓜に自由奔放に群がる様々な虫たちを描いた作品。
大きな虫喰いの跡、S字状に垂れ下がった蔓や、その先端の渦巻きなど、細部を丁寧に描き出しているところに、若冲の自然への驚異や愛着が感じられます。
糸瓜と虫たちが同化してみえますが、よく見ると合計で十一匹の生き物が描き込まれています。