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休校中チャレンジ~長唄三味線~16日目&「子育てwith長唄」回顧録

夢だった自分の浴衣制作

師匠の紋が入った木綿の反物を作り、一門のゆかた会で揃って着るというのは、長唄界では一般的な光景です。とは言え、芸歴が長くてお弟子さんが多い師匠だから出来る事。私も師籍28年を迎え一門も賑わってきて、遠い夢の様な話だった自分の反物制作を決意しました。

これまでも手ぬぐい制作でお世話になった呉服屋さんの「こころや」さんに相談に訪ねたのが3月。5月に反物が染められ、7月のゆかた会までに浴衣に仕立てる計画です。

古典柄で縞、もしくは格子の柄。そこに禄宣の紋を散らすと言う希望ははっきりしています。が、こころやさんが見せてくれる昔から伝わる染めの型が全て魅力的で、心は揺れるばかりです。

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選んだ染め型にこころやさんが、「やっぱり通なもの選ばはりますなぁ」「昔は文楽劇場の楽屋に行けば、こんな柄の浴衣の方ばっかりでしたわ」とおっしゃってくれました。色も迷いましたが基本から始める意味も込めて、白地に紺にしました。

仕上がった浴衣がこちら。デパートには絶対なさそうな古典文様に、若いお弟子さんの反応が心配でしたが、見事に着こなしてくれました。一人のお弟子さんは祇園の「井澤屋」さんに合わせる帯の相談に行ったら、この反物をお褒め頂いたそうです。

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ゆかた会「禄宣会」

この年で小学生になった娘も、「さくら」で三味線デビューしました。
最初は唄だけの予定でしたが、自分から三味線やりたいと言い出しお稽古始めました。

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前の年のゆかた会では、三味線のワークショップをしてお客さんと交流したりしてみました。2019年の禄宣ゆかた会では、ただずっと曲を披露していくだけではなく、1曲ごとに私が弾かれるお弟子さんの紹介をしたり、曲の解説をしたりと、色々と工夫を凝らしてみました。また、新しく私のお弟子さんとなった笑福亭鶴二さんに落語を披露して頂きました。

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鶴二さんの落語出演は秘密にしておき、この年も落語を披露してくれた私の後輩の淳也氏の後に、いきなり本職の鶴二さんが落語を始めると言う趣向です。淳也氏が落語をしている間、真ん前の客席に鶴二さんが座っていると言うシチュエーションも用意しました(笑)黄色の着物も自前です。

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お弟子さんの演目「旅」では、淳也氏が鳴物もしました。ここでは淳也氏は唄で出演していますが本職は三味線弾き。曲の途中で「コンチキチ」と鳴物さんが本当なら打ってくれるところがあるのですが、今回は鳴物さんはいないのでそこは無しと言う事にしておきました。建前上は(笑)

一緒に出演している弟にはそういう事にして、突然淳也氏が当り鉦を打ち出すというドッキリを仕掛けてみました。笑い上戸の弟なのですが、笑っていません。スベりました(笑)

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唄本を忘れた弟が、自分が忘れたのに淳也氏唄本を借りてしまい彼がのぞき見する事に。その状況に笑いをこらえるのに必死。

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落語の衣装のまま唄ったりと、私の会は長唄発表会というより、納涼かくし芸大会の様な趣きです。

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父のゆかた会

その後、京都で行なわれた父のゆかた会である「禄生会」。うだる様な暑さの鴨川を眺めながらの演奏会でした。そちらも子供達が出演させてもらいました。

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この時に、色々写真を撮ったのでおまけで載せておきます。

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次世代への継承という意味だけでなく、お稽古を通しての子育て、父と子の時間。私の想いなどをお伝えし、感じて頂ければ幸いです。またアナログな長唄の世界、ネット配信など新たな試みに挑戦し、長唄の魅力を広めていきたいと考えています。宜しくお願い致します。