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僕なりの運転技術・体全部を使う

レースやジムカーナなどの競技に通用するようなライディングテクニックは
考えてはいません。
ツーリング主体のバイク乗りですから、公道を走る者として安全に、
でもライディングを最大限楽しめる乗り方を僕は目指しています。

そんな僕がどんな乗り方をしているのか、
どんな事に気を付けながら走っているのか、
ここで紹介させてもらおうと思いました。

読んでいただいた方に、僕の乗り方を押し付けるつもりなんてありません。
僕の乗り方が素晴らしいのか下手クソなのかにも頓着しません。
良いか悪いかはともかく、正直に日頃の僕の乗り方を知っていただいて
もし何かの参考になるようなら、一度試してみてもらうとか、
『お前、そんな乗り方してるのか!?』
というようなご意見があるならご教示いただければと、
そんなつもりで記事を書いてみました。

随分長い記事になってしまいましたが、暇な時に気になるところから、ちょっとずつ読んでもらえれば幸いです。


題目:ライディングに何をどう使っているのか

◇ 目

・周囲を見る

走行している間、当然ですが常に道路上の状況は変化し続けます。
特に市街地では、目まぐるしく状況が変化するので常に目を働かして周囲の状況を確認し続けます。
・前を走る車の動きはどうか?
・路地や駐車場から出て来そうな車は僕の存在に気付いているか?
・斜め前を走る車に車線変更する動きはないか?
・自分の後ろにどんな車がいてどんな動きをしようとしているのか?
などなど、、、
それ以外にも、当然ながら信号や横断しようとする歩行者、自転車、
スピードメーターやタコメーターなど、ありとあらゆるものを見なければいけません。
走行中、目を休めることはほぼ皆無です。

・バックミラーを見る

市街地や高速道路では前を4割、後を6割で見るような意識で走っています。
もちろん、後ろを見る時にはバックミラーを使うわけですが、車線変更時は必ず目視でも後方確認はします。
何故後ろ6割なのかというと、
顔が前を向いているので、前方は見ようと思わなくても見ることができますが、後方は意識して「見よう」と思わないとなかなか見ようとはしません。
案外自分のすぐ後ろでぴったりくっついて来る車がいたり、遥か後方にいた車は自分のすぐ横まで迫っていたりと、
ちょっとの間に後方の車やバイクが思わぬ動きをしていたります。
ですので、意識的に後ろを見る割合を増やすという意味でミラー6割という意識を持つようにしています。

・峠やワインディングでの路面

コーナーリングをすることががグンと増えます。
当然のことながら車体を傾ける回数は格段に増えます。
車体を傾けているその最中に、路面に異常があったりすると、いとも簡単にバイクは転倒するわけです。
だから峠でもワインディングでも路面の状態を見る回数は市街地走行の時に比べると圧倒的に多くなります。
・砂や砂利、小石、落ち葉、枯れ枝、ゴミ、そんなものが落ちていないか。
・道路に補修跡はないか。そのデコボコはどの程度大きいのか小さいのか。
・マンホールやグレーチング、橋のつなぎ目はあるか。
・路面が濡れていないか。冬場なら凍っていないか。
・路面(アスファルト)の面はどうか(粗いのか細かいのか)
これらを見ながら走り、スリップする可能性が少しでもあるのなら、
これらの障害物をさけなければなりません。
そのためのライン取りも瞬時に判断する必要があります。
どうしても障害を避けることができないのなら、バイクをできる限り傾けずに通過することができるように、できるだけ早い段階で路面の変化を見つけるようにしています。

◇ 耳

・エンジン音

エンジン音は、聞こうと意識して聞くのではなく、運転操作の一部として当たり前の事として常に聞きながら走ります。
エンジンの回転数を一定にする上で、常時タコメーターを見ることができるわけではないので、エンジン音や排気音を聞いてギヤチェンジの判断をしていることは多いです。

ちなみに、初心者にありがちのようですが、エンジンの回転が下がり過ぎると振動やノッキングなどが発生します。
・タンデムか一人か
・荷物の量の多少
・下り坂か上り坂か
これらの要因によって、振動やノッキングは常に同じ回転数で発生するとは限りません。
状況に合った回転数で走れるようタコメーターだけでなく耳でからもエンジンの状態を知るように努めています。

・周囲の音

僕がツーリング中にインカムで仲間同士会話をしながら走ることを嫌う理由のひとつです。
イヤホンやインカムで音楽を聴かないのもこのためですが、バイク乗りにとって周囲の音を聞くことは目で前や後ろを見る事と同じように大切な事です。
遠くから聞こえてくる緊急車両のサイレンの音
車が慣らすクラクション
バイクのエンジン音(異常音)
警察官が鳴らすホイッスル
これらはいつどこで聞こえてくるかわかりませんし、聞こえたら即座に対応をしなければいけない場合も多いです。
ですので、耳からはできる限り無駄に他の音が入らないようにして、いち早くその音を聞くことができるようにしています。
よく、イヤホンをしながら自転車に乗る若者を見かけることがありますが、僕に言わせれば論外の行為ですね。

◇ 足(荷重をかける)

特別なこともなくただ真っ直ぐ走るような時にはくるぶしでバイクのフレームを挟み込むような感じでホールドしています。
ただ、僕の場合は母指球のあたりでステップの上に足を乗せて踏ん張るので、土踏まずでステップの上に足を乗せるのは信号待ちなどで停止する時とリアブレーキやチェンジペダルの操作をする時くらいでしょうか。
なにしろステップやフレームに足を踏ん張ろうとすると、ステップに土踏まずを乗せたのではガッチリ踏ん張ることができないのです。
交差点を曲がる時や道路がカーブしている時などは外側の足をさらに踏ん張るような感じです。

・右足

「そんなこと言われなくても知ってるよ」と言われそうですが、右足はブレーキペダルを踏んだり放したりします。
しかも、道路の状況、走行の状態によって右足を踏ん張ったりブレーキペダルを踏んだりします。
では、「踏ん張る」と「ブレーキペダルを踏む」を同時にしなければいけない時にはどうするのか?

バイクが直進している時であればあまり深く考えません。
単純にブレーキペダルを踏むだけです。
上述のように、ブレーキの操作をしない時にはステップの上に母指球のあたりを乗せてここで下方向へ体重をかけて踏ん張ります。

ところが、左コーナーリングをしていてバイクにある程度バンク角がついている状態(左に大きく傾いている)のときにリアブレーキを踏みたくなったらどうするのか?
僕の場合は、ステップの上に母指球で踏ん張っている右足のつま先をブレーキペダルに乗せると同時に、内側のくるぶしで強く車体(フレーム)に踏ん張ります。
この時、バイクは左に傾いているわけですから自分の体重を支えないとズリ落ちてしまいます。
そこは膝の周辺や内股あたりでバイクをホールドして支えて、上体が確実に安定するようにしています。

・左足

基本的には右足と同じです。右コーナーを走っている時であれば左足が外足になるので、左コーナーの時の右足と同じことをします。

コーナーリング中ですからバイクが傾ているわけですが、その最中にどうしてもギヤチェンしたくなったらどうするのか?
これも右足の時と同じで、内側のくるぶしで踏ん張ってギヤチェンジをします。

左ステップのブラケットはアルミでできています
写真ではわかりにっくいですがこの写真の色が少し変色している部分は
ツルツルでピカピカになっています
ライディングブーツで擦れているうちに磨かれたみたいになったのでしょう

◇ 両手

・ハンドルには手を乗せるだけ

変に力を入れず、走行中は本当にただ手を乗せているだけです。
但し、狭路でのUターンなどのように、意識してハンドルを切る操作をすることもありますが、その場合であっても曲がりたい方向のハンドルを引く操作はしますが、曲がる方向と反対側のハンドルを押すような操作はしません。
意識としてはセルフステアの補助をするようなイメージなので、右に切ったり左に切ったりという操作とは違います。

よく、「ハンドルを握る」 と表現する人がいますが、僕は決してハンドルを握りません。
どうしているかというと、右手は人差し指と中指を常にブレーキレバーに乗せておき、いつでも即座にブレーキングできる状態を維持しています。
小指でハンドルグリップを包むようにして手のひらがグリップの上で滑ったり動かないように固定します。
薬指は小指の補助のように添えておき、小指だけではグリップをホールドするのに力不足なら薬指も小指と一緒にグリップに固定させるイメージです。
同じように左手もハンドルに手を添えてクラッチレバーに指を乗せて、小指と薬指でグリップをホールドしています。

親指はアクセル操作の時に最低限の力だけで、親指の付け根の丸い部分でグリップを挟むようにする感じです。これは左右同じでで、決して力を入れて手のひらでグリップを握るとか掴むような使い方はしません。

・肩も腕も力は抜く

そんなのは当たり前だと言う声が聞こえて来そうですが、上体の力を抜くことはもちろん、肩や腕も力を抜いて一切の力や操作をすることはありません。(但し低速でのターンでは意識的にハンドルを切る操作をすることはあります)
変に力を入れてしまうとハンドリング(セルフステア)に影響がでる場合があるというのは他の記事でも書いた通りです。

僕は小指と薬指でグリップをホールドして、ブレーキレバー、クラッチレバーは人差し指と中指で操作しますが、人によっては人差し指と親指でグリップをホールドして中指と薬指でレバーを操作するという人もいるかと思います。
これはどちらでも良いと思うのですが、どちらのケースであってもレバーを操作する以外の部分に力を入れることはありません。

時々、ツーリングで長時間走行していて肩が凝ったとか腕が痛くなったという話を聞きますが、多分、走行中力が入っているのではないかと思います。

ちなみにですが、僕の場合はツーリングで痛くなるのは太ももでした。
下半身の方が体重を支えるので、本当に長時間峠を走った時には太ももが筋肉痛になりました。

◇ 右腕と左腕

・腕の角度

ハンドルグリップに対して直角に腕を伸ばすのではなく、やや斜めから腕を伸ばすイメージです。
乗車姿勢を前から見た時に、両腕の肘が真下に下がるのではなく、両肘が横方向へ張った状態になると思います。

何故このような姿勢になるかというと、
腕とハンドルが直角の場合、アクセルを開けていくと手首を真下に曲げる形になりますが、その形だと人差し指と中指のブレーキレバーへのかかりが悪くなります。
遠くなると言ってもいいかもしれません。

ところが、腕を斜めにしてハンドルを持つような姿勢(肘を横に向けた感じ)にすると、手首が曲がらない分だけ、直角の時よりもブレーキレバーの操作に影響が出にくくなります。
それに何よりもアクセルグリップの開閉が楽になるというメリットもあります。

・クラッチ操作

先述のように、腕も手も力を抜いてハンドルに乗せた乗車姿勢をとった時に、左手の甲から腕にかけてのラインが一直線になるような位置でクラッチ操作ができるようにクラッチレバーの角度を合わせてあります。
目安は手首の曲がりなのですが、クラッチレバーが下を向き過ぎると手首が上側に曲がり、クラッチレバーが上を向き過ぎると手首が下側に曲がるようになります。
手の甲から腕のラインが直線状のまま、何ら力を入れたり動かしたりせず、クラッチレバーに乗せた人差し指と中指を握るだけでクラッチを切ることができる、これが僕にとってのベストポジションです。

◇ 尻

・長距離ツーリング

よく、シートに長時間座っていると尻が痛くなるという人がいますが、僕は何時間乗っても尻が痛くなることはありません。
表現が大袈裟かもしれませんが、僕は座っている時間が極端に短いからです。
イメージしやすいように表現すると、シートの上に尻が乗っているけれども、全体重の半分か場合によっては10%もかかっていない状態で運転しているということです。
体重の半分か9割がステップに乗っているということです。
本当にシートの上に座っていると言えるのは、直線の長い高速道路や車のいない幹線道路などでリラックスして走っている時くらいでしょうか。
その場合でも尻にかかる体重は8割くらい。残りの2割は足(ステップ)に体重が乗っている感じです。

・峠道やワインディング

峠道やワインディングではコーナーリングをすることが多くなるので、尻は以下のような使い方をします。
シートに座ってしまうと体重移動をする時に尻を横にズラしにくくなるので、基本的に尻はシートに触れているだけ。

特に路面が濡れているとかで極力バイクを傾けたくないような場合はリーンインと尻をシートから横に外すことで、よりイン側に体重をかけてバイクを起こしたまま曲がるようなイメージでコーナーリングします。

このように、尻は体重移動をする上では一番重要な部分でもあるのであまり休ませる事がないですね。

・市街地走行

尻は常時真っ直ぐにシートの上に乗せています。
先述の通り、リラックスした状態でも体重の2割は足(ステップ)かかっています。
市街地では大きく体重移動をすることはほぼありませんが、

◇ 頭

・ライディングに何故 ”頭” が関係あるの?

ここで言う ”頭” とは、ヘルメットを被った頭をどのような姿勢にしておくかという意味です。
先日、他の記事でも書きましたが、僕は頭を垂直に起こして真正面を向くような角度、位置に頭を置いていません。
これはオートバイに乗りながら少しずつベストポジションに近づけていった結果として、こんな頭の使い方(姿勢)がベストだということになったのです。

・ライディング中の頭

基本的にはバイク乗りの誰にでも共通する事だと思いますが、顔は前を向かないといけません。
その時に一番自然な形(上体の力が抜けている)で体も腕もお尻も使いやすい(動かしやすい)姿勢であることが重要です。
上述でも書いたように、手の力腕の力を抜いてハンドルの上に手を乗せた時の姿勢で、やや前傾している背骨(上体)の延長線上に頭がくるようにしますが、尾骶骨から脳天までを一本のまっ直ぐな線上に乗せた姿勢をイメージします。
この姿勢だと顔は斜め前を向く形か前方を向いているけどやや下向きとなっているはずです。
特にスーパースポーツではこれが顕著です。
この状態で目だけを正面に向けると、上目遣いで走る姿勢になりますが、
この上目遣いがとても大切で適切な乗車姿勢であると考えています。

僕の場合、CB1300での乗車姿勢ではあまり上体が前傾姿勢にならないので、軽い前傾姿勢のままで座ったところから少し顎を引いて、顔がスピードメーターと向かい合うくらいまで傾けます。
その姿勢から上目遣いで前方を見るようにして、これを走行中の乗車しせいにしています。
どうして顎を引くのか?上目遣いにするのか?
医学的な根拠はありませんが、バイクに跨って上半身が少し前傾の姿勢から頭だけを起こして真正面に顔を向ける姿勢は楽ではないのです。
これを長時間続けると変な力が状態に入り、自然なハンドリングや自然なライディングポジションを維持しにくくなるのです。
(あくまでも僕の経験です)

また、公道を走る上で、例えば片側二車線の道路で左側車線を走行中に
右の車線に車線変更をすると仮定しましょう。
皆さんはその時にどうやって右後方を確認しているでしょうか?

上体が前傾しているのに顎を前に出して頭が垂直になっている姿勢から右後ろを見ようと思うと、辛くないですか?
多分、首を後ろに回す(多分90°くらいが限界)だけでは足りず、上体を捻って後ろを見たくなりませんか?
その上、それをしようと思うとハンドルを持つ手が伸びきってしまうので更に辛くなりませんか?

そうではなく、顔を斜め前下方向(ハンドルポストやメーター類に面するように顔も前傾する)に向けて目線だけを真正面に向けた姿勢から右後方を確認してみてください。
顔を右斜め下に向けるだけで右後方を見やすくなります。
そこからさらに目玉を後方に向けてやると、右後方にいる車の細かいことまでは判別できないまでも、少なくとも車がいるとか何もないとかくらいは楽に判断できます。
上体を捻る必要も殆どありません。

このように、顔を前方下方向へ傾斜させて上目遣いで前を見る事で、
・長時間でも疲労しにくい
・楽に後方確認できる上にハンドル操作への影響を最小限にできる
そういう大きなメリットがあります。

もしもチャンスがあったら一度試してみてください。
僕だけでなく、過去に僕とあちこちを走り回っていた連中の中には一人も顔を正面にして(顎を出して)ライディングしていた者はいませんでした。
多分、この姿勢が一番良いと皆が感じていたからだと思います。
顎を引いて上目遣いの姿勢の姿勢と比べてみて、自分が運転しやすいと思う姿勢で走ってみて欲しいと思います。

・コーナーリング中の頭

前項では頭の前後方向への傾斜について触れましたが、ここでは横方向への傾斜について考察してみます。

これは僕が語るまでもなく、バイク乗りなら誰もが自然におこなっている動作です。
左コーナーであれば頭を右に傾けることで、路面に対して直角になるようにします。
右コーナーなら逆に左側へ傾けて路面と直角になるようにします。

普段何気なくやっているこの動作ですが、
・バイクの傾き(バンク角がどの程度なのかを計る(限界の角度までどのく
   らい余裕があるのか既に限界なのかを探る)
・路面にある障害(小石、小枝、砂利や土、砂など)の位置を見誤らない
そのために目線を斜めにしないようにする動作で、必要から生まれた自然な動作です。

ツーリングなどで峠道に入り、ある程度スピードが乗って来ると、これをしないわけにはいかなくなり、もしこれをしないと案外簡単にバンク角が読めないだけでなく、目の前の砂利や路面にある凸凹の場所を見誤って、正確にライン取りできなくなることは珍しくありません。
僕の場合、幸いなことに大型バイクでのコーナーリング中の転倒は一度も経験していませんが、恐らくはこの頭の使い方ができていたこと良かったのではないかと考えています。

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