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英語よりも日本語を勉強しろ?

熱心に英語を勉強している人がたまたま日本語を間違うと
『英語よりも日本語を勉強した方が良いなぁ』
とぼやく人がいたります。
特に昭和のオッサン(笑)?みたいな人が言いがちかなという印象です。

この人の言うことも、僕はあながち間違いではないと思います。
日本人ですからね、英語は今この場で正しく使えなくても実生活には
さほど影響しませんが、
日本語は日本人にとっての第一言語ですから、最低限恥ずかしくない程度
にはきちんと使いたいと思いますもんね。

ただ、もしここに
『英語を勉強しても日本語の勉強にはならない』
という考え方があったとしたら、それは違うと言えます。
英語で書かれている文章を読んで、しっかり意味がわかっているのに、
それを日本語にできないなんてことは珍しくありません。
特に、翻訳に近い作業の時にはきちんと意味の通る日本語で、
尚且つ英文が意味していること(ニュアンス)を的確に言い/書き
表すのですから、日本語能力が足りていないとかなり難しいと思います。
ですから、ここで求められるのは英語の能力ではなく日本語の能力だ
ということです。

ひとつ、サンプルをご紹介したいと思います。
もし興味がある方はが、契約書の文頭のこの部分だけを、
契約書らしい日本語にしてみてください。
日頃から会社などでこういう契約に慣れている人は普通にできると思いますが、言葉だけを知っていても日頃そういう仕事をしていない、でも英語はある程度知っているという一般の人には、けっこう難しいのではないかと思います。
結果、日本語の勉強になる・・・のではないでしょうか。

Confidential Information means any information disclosed by the Disclosing Party to the Receiving Party・・・以下省略

これは標準的な機密保持契約の中の一文で、機密情報とは何を意味しているかを定義している文章の一部(書き出し部分)です。

Confidential Information とは日本で言う機密保持の対象となる
「秘匿すべき情報」のことで、人や会社、団体などによって、或いは
使う場所によって秘密情報、機密情報などいくつかの呼び名があるようです。
日本では「守秘義務」と言われることが多くありますが、その守秘義務の対象として契約で守られるべき情報のことです。

Disclosing Party とは情報を開示・提供する側の会社やその他の団体のことを指しています。
例えば、自社の社員の個人情報や売り上げ、経費などの財務情報は決して外部に提供するものではありませんが、社外の業務委託先などに対してこれらの情報を提供する側のことです。

Receiving Party とは開示された情報を受け取る側のことでも、これも会社だったり何かの任意団体かもしれません。
上述の Disclosing Party から伝えられた社員の個人情報、或いは財務に関する情報を提供され、その情報を業務に利用する側のことです。

any information disclosed とは、伝えるとか開示するという意味が disclose という単語の意味で、any がついていることから 『伝えられたどんな情報も』 という意味です。

文章全体の意味
この英文では、Confidential Information という表現(文、熟語)は情報を伝える者(会社や団体)から情報を受け取る者(会社や団体)に伝えられた全ての情報のことを指しますというような意味のことが書かれています。
実際には、この文章の続き部分に、どうやって伝えられたかなどの条件が連なって書かれていたりします。
口頭で伝えた情報、文書で伝えた情報、電子的な情報(メールやデータ)など、どの媒体で伝えた情報が該当するかなど細かく記載されていますが
ここでは省略しました。(随分長くなるので)

さて、この守秘義務或いは機密保持契約の一文を、しっかりした日本語の書面に訳してくださいと言われたら、サッと日本語にすることはできるでしょうか?
英文の内容を理解するよりも日本語で表現する方が難しいと思いませんか?

こんなことがあるので、英語を学ぶことは日本語を学ぶことでもあると考えるのは、理に叶っていると、僕は考えているのでした。

『英語よりも日本語を勉強しろ!』 そんなことを言われたらちゃんと
反論しましょう(笑)  但し、人間関係を壊さない程度にお願いします♪


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