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【メンテナンス】工具の話・ドライバー

日頃機械ものに触れることのない人にはピンと来ない話しかもしれませんね。
工具に関するお話し、今回はドライバーです。
日頃修理などをしない人でも、年に数回くらいはドライバーを使ったことがあるのではないでしょうか?
オートバイだけでなく、自転車などでもけっこう使うことの多いのが
この ”ドライバー” ですので、今回はドライバーに関することをお話ししたいと思います。


案外知られていない事実

「ドライバーなんてネジを回せればそれでいいんでしょ?」
そう思っていませんか?

一般的によくあるのがプラス(+)ドライバーとマイナス(-)ドライバーですね。
ここまでは誰でもご存知のことですが、案外知られていないのは、ドライバーにはサイズや種類が数多くあって、「どれを使っても同じ」 ではないということです。

気にしていただきたい事としてはドライバーの刃先のサイズと種類なのですが、まずはプラスからいってみましょう。

プラス(+)ドライバーのサイズ

プラスドライバーにはサイズがあります。
ドライバーの長い棒状の部分をブレードと呼んでいますが、このブレードに番号が入っていて、日本で普通ににゅしゅできるものとしては1番から4番
までのサイズがあります。

下の写真は僕が持っているドライバーの中から2番と3番を写したものです。

右側が3番、左が2番のプラスドライバー

ネジの頭の部分を見ると、+ の形に溝ががあると思います。
この溝を ”リセス” と呼びますが、リセスにはネジのサイズごとにリセスの
大きさも決まっています。
つまり、リセスには2番のドライバーが合うものや3番のドライバーが合う物、小さいネジだと1番のドライバーが合う物といった具合で、すべてサイズが決まっているのです。

あまり使い慣れない人だと、2番のリセスに1番のドライバーを使ってネジを緩めようとしたりします。
すると、ドライバーが空回りしてリセスの形を壊してしまうことがあります。
これを ”なめる” と表現するのですが、一度なめてしまうとどうしてもネジに力を伝えることができずに、ネジを外すのにとても苦労することになります。
ですので、きちんとサイズの合うドライバーを使う必要があります。

通常、リセスのサイズよりも小さいドライバーの刃先ならリセスの中に納まりますが、大きなサイズのドライバーはそもそもリセスに挿すことができないので ”なめる” ことはないのですが、小さなサイズのドライバーだと使えてしまうので困りものです。
2番には2番を、3番には3番のドライバーを使うようにしましょう。

下の写真を見てもらえるとわかると思います。
この写真には2番のドライバーの刃先にネジの頭を付けた状態を写しています。
ドライバーの刃先を下に向けていますが、ネジは落ちません。
リセスにドライバーの刃先がしっかりはまっていて、リセスの中でドライバーの刃先とリセスの間に隙間がないからなんですね。
これがドライバーとネジのサイズが合っていると言える状態です。
※この写真ではPBというメーカーのドライバーを使っていますが、
    マグネットのドライバーではありません。

この写真では2番のドライバーを使っています

では同じネジに対して小さいサイズのドライバーを使うとどうなるか?
したの写真を見てください。
ネジに対してドライバーのブレードが斜めになっていませんか?
これは、ドライバーのサイズが合っていないために、リセスと刃先の間に隙間ができてしまったために、刃先がリセスの中で動いてしまうのです。
つまり、”ネジとドライバーのサイズが合っていない” ということです。

この状態でネジを回すと、ネジの頭にあるリセスの形をこわしてしまいます
左はSNAP-ONの多分1番です、右がPBの2番です

ドライバーの種類

僕が持っているドライバーは8本くらいあり、さらにラチェットレンチで使うビットまで含めると、ざっと15か16本くらいありそうです。
全部を机の上に出すのも大変なので、もっともよく使うプラスドライバー
5本を並べてみました。
下の写真がそれです。

僕のドライバー達

写真の一番上(黒いグリップ)
これはSNAP-ONの普通のプラスです

写真の上から2番目(緑色のグリップ)
これはポジドライブと呼ばれているもので、日本ではあまり見かけませんが
パッと見た感じではプラスと酷似しているものの、プラスではありません。
下の写真にあるように歯と歯の間に若干の凸があるので、普通のプラスネジにこれを使うとしっかりとはハマらないと思います。

このポジドライブ、どうやら日本では使われていませんが、ヨーロッパでは時々使われているので、

ポジドライブ

もしもこんな形状のネジの頭があったらポジドライブを使いましょう。

右がポジドライブ、左が普通のプラス

5本のドライバーの写真、下から2番目(黒いグリップ)
これは僕が持っている中で一番小さいサイズのプラスドライバーです。
SNAP-ONのものですが、日本の規格とは少しだけ形状が違うので、本当に小さなネジ類にしか使う事はありません。
ネジの頭に斜めに挿した写真にあるドライバーがこれです。

PBというメーカーのドライバーは日本の規格のネジの頭にぴったりなんですが、SNAP-ONのプラスドライバーは少し鋭角な刃先なので日本のネジにはぴったりではなかったんです(大昔ね)。
今はどうか知らないんですけど、どちらにしてもネジの リセスに合う形状のもの、合うサイズのものを使いましょう。

ブレードの長さ

ホームセンターなどに行くと、工具売り場にはブレードの長いドライバーなんかも売られていますが、オートバイの場合は滅多に長尺のドライバーを使うことはありません。
昔、キャブレターの調整をする時なんかは、長いドライバーで4気筒の内側にあるキャブレターを長めのドライバーで調整してたなんてこともありましたけどね。
今はそこまで長い物は必要ないみたいです。

ただ、短いものは時々使います。
下の写真のように短いドライバーもあるのですが、スタッピーと言ってブレードだけじゃなくてグリップの部分も短いです。
片手でしか使えない(両手で握れない)ので、力の必要なネジには使えないかもしれませんが、ネジの頭に普通の長さのドライバーを入れる空間がないような場所では、スタッピードライバーが便利です。

スタッピーにも2番、3番などのサイズがあります

ドライバーの話し、こんなところです。

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