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『頑張る』ってなに?

何かを成し遂げようとする人が言う ― 『頑張ります!』
スポーツや勉強をする人に対しての応援 ―『頑張れ!』
やるべきことができてないと言われる ― 『もっと頑張ろうよ』

『頑張る』ってどういう事?どんな意味?
もしもそんな風に誰かに聞かれたら、僕はきちんと答えることができません。
正直、恥ずかしい話ですが、僕にはこれを説明するだけの十分な知識も
ありませんし、むしろ僕が誰かに教えて欲しいくらいです。

辞書を見ると、
- 我意を張り通す
- どこまでも忍耐して努力する
- 困難にめげないで我慢してやり抜く
なんて事が書かれているようです。

なんとなくわかるような気がするのだけれど、今一つ判然としないというか
漠然とした根性論に近いものを感じるのは僕だけなんでしょうか?

もちろん、「頑張る」と言う人、「頑張れ!」 と応援する人の言葉を
否定するつもりなんて毛頭ありません。
ただ、この言葉を言う時に、相手を見て言わないと頑張れなくなってしまいそうな気がするのです。

例えばですが、
ある一時期、僕が務める会社にはうつ病の人が多くいました。
彼らに決して言ってはならない一言が「頑張れ」だったわけです。
彼らにしてみれば、人から言われなくたって自分ができる最大限まで忍耐もしているし努力もしている。
これ以上どうすれば良いのか?
そう言いたかったに違いありませんし実際にそう言われました。

子供の運動会やスポーツの応援で子供や選手に対して
「負けるな!ガンバレ!」
は応援の決まり文句みたいなものですから、誰も傷つかないのでしょうが、
本当に苦しんでいる、限界を超えて耐えている、そんな人に対して軽々しく
「ガンバレ!」なんて、僕には言えないし言いたくもないのです。

そう考えると、

  • 「ガンバレ」には何をどのように頑張れば良いのか何も具体性がない

  • 他人事だから、本人がどれだけ苦しんでいるか耐えているかもわからずに気軽にかける事のできる便利な言葉

  • 酷い場合には無責任な発言かもしれない

「頑張れ」って、そんな言葉のようにも思えます。
もちろん、誰にも悪気があって言う一言でないことはわかります。
悪気がないからこそ、少し具体性をもって、少しだけアドバイスになりそうな元気が出そうな言葉が何なのかを考えてみる必要があるんじゃないだろうか、そう思うのです。

本当に応援したい気持ちがあるなら、
楽に行こう
リラックスしよう
力を抜こう
というような言い方もあるんじゃないかと思います。
もちろん、苦しんでいる人の状況に合わせて言葉は選ばないといけないとは思いますが・・・。

野球チームの監督の一言ですが、
リリーフ投手(先発投手の後に交代する投手)を送り出す時に
その投手にかける言葉が2種類あります。

ひとつは、
・あのバッターを三振させろ。そのために俺はお前に投げさせるんだ。

もうひとつは、
・打たれてもいいから、リラックスして思いっきり投げてこい。

この2つはまったく正反対と言ってもいいくらいに違うことを言っています。
前者は、これから投げようとする投手がその気になって勝気、絶対に三振させてやると意気込んでいるなら、まさにうってつけの言葉ではないでしょうか。
一方の後者ですが、緊張気味で本番に強くないタイプの投手なら、余計な
プレッシャーをかけられて力んで失敗させないように掛ける言葉としては
最良かもしれません。

「ガンバレ」とは違って具体性があり、投手の立場になって声をかけていると言って良い応援の言葉だと思います。

こんなこともあって、僕には「頑張る」の意味がどうも理解できないでいます。
だから簡単には『頑張れ』 とか 『頑張るぞ』 は言わないようにしています。

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