バイク乗りは特殊
人生の終盤である今になってバイクを手に入れた
本当なら終活を始めてもおかしくない年齢なのに
これから新たな人生を始める気になっている
ガレージ付きの家に住みたいとか
普段は愛車と同じ部屋で過ごし
週末になれば愛車と出かける日々を夢見ている
良く言えば夢があるとも言えるかもしれないが
悪く言えば現実を考えていないし老後の事を真剣に考えていない
この際どちらでも良い
人生を終わる最後の瞬間に我が人生を振り返て
後悔の念が残らないことが大事だ
恐らく
終活で手抜きをしても後悔にはならないと思う
でも
オートバイのことで手を抜いたら
後悔ばかりが残る気がする
幸か不幸か
バイク乗りは色んな意味で特殊なんだ
バイクに乗らない人と同じようには暮らせない
バイクに乗らない人のような人生にはならない
それを狙っているわけじゃないのだけど
自分なりの価値観を突き詰めていくと
他人と同じようにはならないし
他人と同じことに興味も持てなくなってしまう
僕は10年後には死んでいるのか
20年経っても三途の川を渡っていないのか
そんなことはわからない
そんなわからない遠い未来のために
墓探しをする気にはなれない
それよりも
バイクのブレーキをもう少し効きの良いものにしたい
オールペンでもしてカラーリングを一新したい
サスペンションのダンパーをもう少し効かせたい
まだ走ったことのない峠を走りたい
バイクの上から最高の景色を眺めながら走りたい
僕は決して特別な人間ではない
でも
極めて特殊な高齢者だとは思う
バイク乗りは皆特殊な奴ばかりだ
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