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”ご馳走様”に見える日本人の心

日本人なら食事の後で誰でも口にする言葉
ご馳走様でした
今や慣用句として当たり前のように使われている、ある意味で挨拶の
ように使われている言葉ですが、英語にはこの言葉にマッチする表現はありません。
とても奥が深く意味深い言葉であり、ここにこそ日本人が外国の人に対して自慢に思っても良い考え方が込められていると言って良いのだと思います。

英語では、宗教的な意味合いや神に感謝するなどのことを除けば、
一般的には食事の前後で感謝を述べることはありません。
もし言葉にしたとしても、Thank you for the dinner. のように、料理をしてくれた人や食事代を払ってくれた人に対しての言葉です。

一方の「ご馳走様でした」は、多くの人が地を走り苦労をしてくれたおかげで自身の食事のため(命をつなぐため)の糧を得ることができた、それに対して感謝するという意味が込められているそうです。
昔は現代のように電車も船も飛行機もありませんから、移動手段は人間の足か、せいぜい馬や牛などが使われていました。
「馳走」とはもともと漢語で馬ではしりまわることを意味しているそうです。
田畑で穫れた作物、海で獲れた魚や海藻、山や川からの恵み、そういった食べ物を作ってくれた農家、漁師、馬や牛で運んでくれた人、
食べ物が自分の口に入るまでに働いてくれているすべての人達に対しての感謝の言葉、それが「ご馳走様でした」という一言に込められている。
美しくもあり深い言葉だと感じます。

残念ながら、英語にはこれに匹敵する言葉がありませんので、thank you としか表現しませんが、或いは thank you すら言わないかもしれません。
実際、海外からの来客、欧米人でもアジアの人であっても、僕個人は食後に感謝の言葉を口にする人を見た記憶がありません。
それはそれで悪いことではないのでしょうが、
日本人が海外へ行った時には、自分なりの言葉(英語表現)でも良いと思うので、何かご馳走様に取って代わる感謝の言葉が言えたらいいなと思います。

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