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言葉にできないモヤモヤとの付き合い方

私はいつもモヤモヤを抱えている。
でも、そのモヤモヤがどこからくるのか、理由はなんなのかはっきりしない。
自己肯定感の低さからくる自己否定。
漠然とした不安や迷い。
そんな自分が歯痒くて、つい苛立ってしまう。

寂しさや切なさも悪いものじゃない。
「モヤモヤ」と折り合いをつけるヒント

正解のない雑談 言葉にできないモヤモヤとの付き合い方 大平一枝 著


この言葉に惹かれて読み始めたのが、文筆家の大平一枝さんが石井ゆかり、ヨシタケシンスケ、三國万里子、飛田和緒など世代も生業も違う13人の多様な人生を取材した、対談形式のエッセイ「正解のない雑談」だ。

登場する13人はそれぞれの各界の第一人者といわれる方ばかり。
私から見たら到底、不安やモヤモヤした感情など持つこともなく、自信に満ち溢れた人生を迷いなく歩んでいるようにしか見えていなかった人ばかりだ。
それが驚くことに、自己肯定感の低さに悩んでいたり、自分の生き方に迷っていると赤裸々に語っているのだ。

驚いた!
と同時にホッとした。

私だけではない。
誰もが孤独や不安、儘ならない人生に葛藤しながら、モヤモヤを抱え生きているのだ。

この本にいわゆる結論や答えはない。
ここで語られるのは「雑談」であり「ヒント」であるからだ。
でも、私にとって心に深く染み入る言葉がいくつもあった。
答えはない。だからこそ、自分なりの答えを探そうとすることに意味があるのかもしれない。
それが自分の人生と向き合うことであり、自分だけの価値観を見つけることに繋がるのだろう。

本書を読み終えて思ったことは、今までもそうだったように、これからも悩みや不安が消えることはないし、モヤモヤが完全に晴れることはないだろうということ。

でも、だからこそ人生は面白いし、とことん味わい尽くすことで、寂しさや切なさも悪いものじゃないと思えるのかもしれない。


以前読んだ「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」にこんな一節があった。

ネガティブ・ケイパビリティ(負の能力もしくは陰性能力)とは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようがない事態に耐える力」をさします。
あるいは、「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることのできる能力」を意味します。

「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」 帚木蓬生 著

言葉にできない想いに対して、早急に結論つけてわかった気になってしまうのではなく、「急がず、焦らず、耐えていく」力をつける。

自分の中にあるモヤモヤとじっくり付き合っていくしかないのだ。
そう思えるようになったことで、少し心が軽くなった。

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