バード・バーダー・バーデストを見た

劇団「南極ゴジラ」さんの「バード・バーダー・バーデスト」を見ました。生きとし生けるもの全てを肯定するような脚本だった。
以下、感想です。

・絶滅するまでの恐竜の話でもあるし、何物でもない現代人を肯定する話のようにも取れる。主人公はおそらく始祖鳥、始祖鳥は鳥になりきれなかった恐竜のイメージが強いけど(系統的にも鳥の祖先じゃないらしい)特筆する個性もなく、それでも理不尽の中懸命に足掻く姿がとても刺さった
・「当番組がめちゃくちゃお金をかけて蘇らせたダーウィン」、出オチかと思うくらい面白かった。ダーウィンの「恐竜が空を飛びたがった?有り得ない!」という説から始まり、空を目指す恐竜たち(空を目指す人類)で終わるのもすごく良い。ライト兄弟による鳥模倣飛行機の開発、鳥人間コンテスト、宇宙へ旅立つカウントダウン...人間も空を飛ぶこと、遠くへ行くことに執着していると気づけた瞬間がとても気持ちよかった。
・ゴールデンレコードを手に抱え、地球から遠ざかりゆく恐竜の化石という存在がもう好き。後々の人類たちに見つかったことで、主人公たちの言う「隕石に勝利した」ことになるのも好き
・段々と大きくなる隕石...投影?怖くてよかった
・恐竜王カードって何!?と思ったら物販に売ってて笑った 商売が上手い
・名前は覚えきれなかったけど、キャラ同士のイメージはほぼ掴めた!主人公、グッズでは恐竜姿なんだけど、それでも「あの子だ!」になるくらいにはキャラ立ちがすごい
・恐竜農場、あのテーブルの配置といいすごくミッドサマーだな...と思ったらインディージョーンズだった
・首長新喜劇、D-1...知らないけどすごく知ってる
・肉食竜と草食竜が給食食べる時は間に仕切りが入るとか、群れに入る恐竜もいれば教職や研究職、スポーツ選手になり弱肉強食から離れる恐竜もいるとか、無い発想で面白かった。ビースターズみたい、この世界観だけで短編たくさん作れそう
・アゴボール(?)の試合の前、系統樹投影された!?
・大雨降って大陸が分断されるのとか、(パンゲア分裂)冷血動物の両生類だけ寒いと動けなくなるのとか、コメディの中に歴史や習性が反映されてて面白かった 調べてないけど、鳥の登場も白亜紀なのかな
・部活/群れ活(就活)の兼ね合いとか、けっこう現実を感じるような...恐竜だけど...
・思い悩む主人公の背後、皆で楽器引いてるのとか、踊りながら机を回転させるとか、今まで見た演劇の中でも見たことないくらい自由度高くてビビった
・BGM担当がいる〜と思ってたら音楽部として物語に絡んできてめちゃくちゃ面白かった 映画の「BGMだと思ってたら主人公の聞いていたステレオ」みたいな
・舞台美術がすごすぎる!星空(天井釣ってる?)とか登れる大道具とか動かせる!乗れる!大道具とか
・オチがすごくいい あの勢いよく、盛り上がりの最高潮でぶつん!と終幕できるの、演劇だけかも。シネフィルバスターズと同じ構成。
・物販が豊富だし、フライヤーも可愛かった。演劇以外に手を回せるの、劇団としての余裕を感じる。
・ちょっとだけ残念だったのは、1年次の主人公とフライング部主将の会話があまり聞き取れなかったのと、おそらく食べられてしまった草食竜が話の中でそんなに回収されなかったこと それともよくある事なのかな...

・主人公はお笑いにもフライング競技にも手を出すどっちつかずなキャラクターだけど、それは色んな人にも言える話かも...と理学部に進み脚本を書き論文を出し出版社に就職予定の私は思った フラフラしてると言うより好きが沢山ある感覚、すごく分かる
・劇場を出たらすぐスカイツリーが目に入るんだけど、人間がやたら高い建物を作るのも空に憧れてるからなのかな...と思った

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