「寿司の女」を見た
岡本セキユさんの1人芝居「寿司の女」を見ました。
エネルギーがすごい。一人でやると決めた時点でエネルギーの塊のようなものだけど、それが滲み出るどころか溢れかえっていた。
以下、感想です。
寿司の女 を見た
・1人芝居ってどんなもんだろう?1人で何役もするのかな?と思ったら「キャラクターが他にもいる体で演技する」システムだった。もう1人(存在しない)のキャラクターが人間を捨てるの、実際の役者でやったら絶対に安っぽい見た目になると思うから、1人芝居の題材として適しているなと思った。
・最近学生演劇ばかり見てたから、動きがまるで違って驚いた。眉まで動く。声にハリと強弱がある。指先まで制御されてる。「作画が固まってるな」と思うことがない。動きが凄すぎて中身がなくても見続けてしまうかもしれない。自分が脚本書きなので「劇に入り込めるかどうかは脚本が決める」派だったけど、演技の強さを感じた。1人芝居は最前列から見るくらいがちょうどいいのかも
・タイトル回収好き!いかにも大きな声で読み上げ繰り返すの好き
・恋人から別れを告げられた日に豪華な寿司が届いて...がフックになってた 最後まで回収しない作りなの面白 こういう使い方ありなんだ...
・心情が情景として現れる描写好きなんだけど、小説でしかできないと思って諦めてた。(以前「主人公とヒロインがいい感じになった瞬間に窓の外でホームランが決まる」をやろうとして諦めたことがある)この演劇では恋人たちの間に不穏な空気が流れた瞬間外でサイレンが鳴る。できるんだ...と思った
・寿司、匂いするけど本物か...?と思ったら本物だった こんなに匂いするんだ?(お腹すきました)
・異類婚姻譚(人魚?)、題材としてはいくらでもロマンティックな流れに持っていけそうなのにどちらかと言うと怪異の類いに見えた
・生魚を食べられるようになった金魚と京子さん、この展開がロマンティックじゃなくてホラーに引っ張ってる気がする
・別れを決めた日に寿司...ピザまで頼むの、理解不能だけどそれこそ作中のセリフにあった「言葉が遠い」なんだろうな 恋人同士のディスコミュニケーションに見せかけて、そもそも言語体系から違うであろう2人のすれ違いだった 京子さん、何を思って寿司やピザを買い込んだんだろう...そういう風習とかあるのかな...
・突拍子もないオチに見えて、金魚すくいの腕前や生の魚がダメという話が伏線になってた
・オチの遠ざかっていく恋人と届くピザ、ゾクゾクしながら気が抜ける謎の感覚。コメディ→ホラー→コメディって感じ
・照明と音響が華やかですごい。突然オンザステージが始まる
・セリフの反復好き 「大事なシーンなんだな」が伝わる?というか
・荒唐無稽ホラーロマンスコメディ 京子さんと歩いた川も家も幻じゃないのだろうけど、思い出は次第に水の中のように揺らいでいくのだろう。感情の種類が何種類もある〜〜
・身体表現を見たい人にも、荒唐無稽ロマンスって言葉が気になる人にもおすすめです。いつか見た正方形のフライヤーが好きで観劇を決めたけど、面白かった!
・早稲田どらま館を出た瞬間にたい焼き屋を見つけてちょっと面白かった
・公演中書いたメモに「4D!?」て残ってた(寿司の匂いがしたから)
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