「広くてすてきな宇宙じゃないか」を見た

劇団時計さんの「広くてすてきな宇宙じゃないか」を見てきました。以下、感想です。

良かった点
・限られたスペース内で演目をやるため色々工夫されてた。レポーターのテーブルにキャスターがついてたり(場転の簡易化)、箱馬が積み方によってテーブルからバッテリーになったり
・実際のスペースの前に壁を作って引き戸を用意するの面白かった。最初は家のドアとして出てくるから「省スペースかな」しか考えてなかったけど、終盤エレベーターになった時は「なるほど」になった
・取材先-テレビ番組内-テレビを見ている3人 の構図が面白い(三角形になってた)
・おばあちゃんとカシオがバスに乗るシーンの照明が好き 夜、バスに乗っているときの、街灯が近づく▶︎離れる▶︎近づく の表現良かった
・シャッターを持ち上げるなどのSEハメが上手い
・東京が停電して星空が見えるところの表現良かった。豆電球?やってみたい演出
・カテコ、スライドドアを使った表現良かった。大道具はかなり少ない(それこそ壁、レポーターの台、箱馬のみ)けどそれをフル活用していた

惜しかった点
・前半に暗転多めかも
・小学生(友達)役の人が異様に上手かったぶん、他の役者さんがそこまで身体を動かせていない?手足を動かせていない?のが気になった。小学生(友達)役の人はそこがすごく上手かった。演劇的誇張表現。
・ラストシーン、おばあちゃんと老いた妹との会話、あれって何か言うところを切ってENDだったのかな?って思って元の脚本調べたけど、おばあちゃん空に飛んでいくんだ...これは確かに表現できたらすごい幻想的だけど、中々難しそう。

以下脚本の話
・脚本がわりと急展開というか、起(承)転結 を感じた。おばあちゃんの好感度が上がりきる前に動くので、ちょっと乗り切れない。特におばあちゃんが妹を説得する時に「話をしないと分からない」と言うけど、おばあちゃんはカシオとしか対話をしていない(それもわりと一瞬)ので、あまり説得力を感じなかった。アンドロイド(自分に非は無いが担当していた患者が死んでしまった)の自殺の動機も不明瞭。
・2005年の脚本だからか、「長女が家庭の面倒を全て見ている(歳の近い男兄弟もいるのに)」「子供には母親が必要」みたいなちょっと固定観念強めの表現があって、それがちょっとノイズだった

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