学びの場を「在り方」でつくるとは
先日、『Authenticity-based Learning〜「在り方」でつくる学びの場〜』についてのライブ配信しましたので、今回はその概要を文字にします。
この配信を行うに至った背景としては、以下の理由があります。
私たちは、「一人ひとりの可能性が磨かれる社会をつくる」をミッションに掲げ、これまで『在り方』を中心に据えた学びの場/仕掛けづくりを行ってきました。
rokuyouがつくる学びの場/仕掛けは、学びの場をつくる人の『Authenticity』(一人ひとりの人が持っている本質や可能性)が中心となってつくられています。
これを「Authenticity-based Learning」、つまり「あるがままの在り方」を基幹とする学びと名付けました。
この度、私たちは新たに、【rokuyou アカデミー】という、学びの場をつくる方々に向けて、この『Authenticity-based Learning』を学ぶプログラムを始めることになりました。
そのため、roku you が大切にしているAuthenticity-basedについて伝えることにいたしました。
では早速内容にうつりたいと思います。
なぜAuthenticity(本来あるべき姿/元々ある姿)なのか
学びや教育は、どううまく教えるのか、どういい学びの場をつくるのかという話になりがちでデリバーするためのスキルにスポットがあたりがちです。しかし、スキルやどう良い場をつくるためにデリバーするのかという話だけではなく、在り方も大事ではないかと思うのです。
Authenticityと学びの場のつながり
良い悪いではなく、事実として学びの場づくりをしている人の色が出ると思っています。根底に自分はどんな価値観や願いからこの場にいるのかという色ですが、それは表面的に口で言っているものではない可能性が結構あります。「わたしはこれをやりたいんだ」と言っていても、言葉にならない振る舞いや佇まいなどに出るあなたが大事にしているもの(無意識レベルの願い/信念/価値観からつくっているもの)がその場に出ます。
「Authenticity-based Learning」はとりあえず名前を付けてみたのですが、Project-Based Learningみたいなものです。PBLは生徒たちがプロジェクトを行うイメージがありますが、まずは先生たちがプロジェクトとはどういうものかを認知的に分かるだけではなく、体感覚的に分かっていないとなかなかデリバーできないという話もあります。
Authenticity-basedも学び手がAutenticityを磨いている状態をつくるのですが、そのためには学びの場をつくる側がAuthenticityを磨いている必要があります。自分のあるがままの姿が投影されていることを認識していることが重要です。
つまり、在り方やAuthenticityのスポットライトが学ぶ人だけではなく学びの場をつくる人にあたっているということですね。
水平的成長と垂直的成長
「学びの場」といったときに、どうしたら分かりやすく伝わるんだろう/こういうやり方でという話がよく出てきたりしますが、これは、ロバート・キーガンの成人発達理論でいう水平的成長で、在り方/Authenticityは垂直的成長だと思います。
水平的成長:学校の勉強や成績、どれくらい知識を持っているのかなどの定量的にはかりやすい、評価しやすい知識・スキル・技能評価しやすいもののこと。パソコンで捉えるとアプリケーション。何かしらその価値みたいなものがあった時にそれを実現する実現力になったりする。
垂直的成長:この人って器広いよね、人間性としてすごい成熟してるよねなど曖昧で分かりにくいもの。認識・意識・人間性などで、この人視座が高いよねと聞いたこともありますよね。パソコンでいうOSの部分をつかさどるようなところ。そもそもの情報処理の仕方でレンズと言ったりもします。同じような出来事/何か現象が起こった時にその人の垂直的な成長の立場によって見え方や捉え方が異なります。
目の前の現象をどう捉えるかによって、持っているどういう知識やスキル、リソースを活用するのかが変わってきます。
Authenticity-based Learningはどのように行うのか
自分は全てを知っていて教えなければいけない、自分は完璧でいなければいけないという気持ちを持っている先生方も多いのではないでしょうか。これは教壇に立つ立場としてすごくそう思いたくなる気持ちもよく分かります。しかし、まずはそれを手放すことが大事です。完璧でなければいけない、教えられるのは自分しかいないというマインドセットを手放すのがスタートラインだと思っています。
そして、それぞれが人生の中で何を経験してきたのかというところからつくられると思っています。それには自分の感情/身体/思考に起こっていることに気づき、感じ、観察できる力が重要です。自分の内側に起こっていることを観察するときに愛と力のバランスが大切だと思います。愛なき力は暴力で、力なき愛は無力だというようにただ受容的にいるだけだと変化は起きません。
学びの場でいうと、心理的安全性が高いと自分の在り方が受容されていると感じ安心し、学びは起きづらくなります。学びにおいては何かに挑戦することが重要です。苦手だけど/やったことないけど「やってみる」という負荷がかかったときに一番ベストな学びが起きると言われています。その人に合った適切な負荷がかかるのが理想です。
Authenticity-based Learningで何をやっているのか
roku youではリトリートが多いです。その人のパーソナルストーリーを描いてもらったり、NVC(Nonviolent Communicasion)の手法を用いてつながりきれていなかった感情とつながり、周りの人がそれを支援することを通してつながりきれていない自分の感情や認識しきれていない自分の価値観・大切にしていることに気づくということを行っています。
また、これだけで終わりではなく、スキルやどういう考えから行うかなどもセットで行っています。どちらかに執着していなく、あくまでも場にとって必要なことを意識しています。
これからやっていくこと
自分自身がありのままの教え手/学び手を越えて一緒に学び合う存在としてそこにあるということを目指していきます。
一人ひとりの在り方を教え手/学び手関係なく、それぞれが学ぶ主体であり学びを分かち合う客体でもあるという前提の中でキーワードにしているのが多面的主観です。
多面的主観とは、その人のあるがままの姿や状況は一人の目からだと限られた立体性になってしまうため、いろんな人がいろんな角度から主観を持ってみることによりその人のAuthenticityが浮き彫りになっていくというものです。
アカデミー自体はみんなが自分の在り方を磨く存在でもあり、他の仲間たち学びクリエイターの在り方が磨かれるということに多面的主観で関わり合うコミュニティをつくっていきたいと思っています!ご興味をお持ちの方はぜひコメントしてくださいね。
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