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もっと良くなるはず!と思うことが多かったシレン5+
2020年12月3日。風来のシレン5+が発売されました。
もう10年前のゲームのほぼほぼそのままな移植の作品に対して、いまさら感想をまとめるのもどうかなーとは思ったのですが。
当時こういう感想を持ったという備忘録と、新作への思いを込めて書いておきます。
全体的な感想としては「まぁ悪くはないと思うけど・・・」な感じでした。
というのも『風来のシレン』シリーズは、初代や2などの完成度がとても良かったうえに、ほぼシステムとして完成されているため、私にとっては良作へのハードルが高いんです。
初代『風来のシレン』リメイクの『風来のシレンDS』以降、シレンシリーズから手を引いていたのですが、「5は良作だよ」という意見をよく聞いていたので、勝手に期待しすぎたかなーという感じもしました。いろんなコンセプトのダンジョンが楽しめるのはすごくよかったんですけどね。
というのも、タイトルにも書いたとおり「もっと良くなるだろう!」と思う点がすごく多く感じました。
料理に例えるならばごった煮でしょうか。
それぞれはおいしいのだろうけれど、一緒くたに煮込んだせいで食材の味が混在していて雑に思えてしまう感じがしました。
そう思ってしまった箇所を中心に書いていきます。
中途半端に見える夜システム
調べると、どうもよく不満要素として言われているようですが、私としても不満な個所でした。
システム自体は面白いとは思います。だがどうにも調整不足な感じを受けました。
まず要素が多すぎる点。
夜になるとシレンの視界が周囲1マスだけになる。これはたいまつを装備することで視野が広がる。
さらに夜専用のモンスターが出現する。この夜モンスターはたいまつの光がないところで攻撃を受けると大ダメージを受ける。ものによっては即死する。
さらに、夜モンスターはほとんどの攻撃を1ダメージに変換する。
その代わりシレンは技を使用可能となる。
技は夜モンスターに唯一ダメージを与えられる攻撃手段で、8個セット可能。
使った技はフロアを進まないと回復しない。回復できるアイテムも存在する。
技は、レベルアップで覚えたりダンジョンを徘徊するNPCから教えてもらうなどして新しく覚えることができる。
つらつらと書いたが、これでもまだ大まかなところを書いただけ。
既に要素で渋滞していますが、さらにこの夜システムは、
ストーリーダンジョンの途中から組み込まれるようになります。
そのため覚えることが多い初心者には非常にやさしくない。
簡単なチュートリアルが用意されてはいるものの、
やってみないとつかめないことも多い。
初めての夜で初見殺しされたという風来人もちらほら見かける。
更に一部の技が明らかに強いです。
具体的に言えば「階段の位置を察知する」技と、「部屋内の敵をやりすごしの壺に閉じ込める」技が強すぎる。
これらの技はダンジョン内を徘徊するNPCから教えてもらえるため、運良く出会って教えてもらえることができれば、これまでの夜とは全く違う別ゲーが始まる。
しかもこれらの技は覚えたら忘れることはない。
セットできる技は8個までだが、一度覚えた技ならば町で再セットすることができるうえ、そのセット状態のままダンジョンに入れる。
なので、持ち込み不可なダンジョンでも夜が出るダンジョンならば、覚えているか否かで難易度が激変します。
入った時点で強力な技をセットしていないのは、ただの縛りプレイ。
覚えていないならば、風来人の実力とは関係なしに、出会うのが運頼みなNPCから教えてもらうという準備が必要というのも変な話。
夜だけでも逃げテーマとして面白いと思いますが、欲張ってそれに技を加えてさらにメインストーリー中に組み込んだ結果、どうにもバランスが取れなくなっているように感じました。
特に技は『アスカ見参』にて「秘技」という似たシステムを持つものを駆使して進んでいくダンジョンが存在します。
「秘技」は面白い要素ではあったが、まだいろいろと改良の余地を感じるシステムだったので、「秘技」の発展系を期待していただけに残念でした。
アイテム関連の要素も練り切れていない
今作はアイテムに関しての要素が非常に多いです。
装備品の武器と盾は使い込めば「成長」する、さらに特定の装備品の組み合わせで「共鳴」が起こる、アイテムは呪いだけじゃなく祝福もある、さらには新種道具という既存の道具の効果を複数あわせもったアイテムも作れたりする。でも名前がよく似たまがい物アイテムもあって・・・
と。こっちも非常に要素が多いです。どれもこれもなかなか面白いシステムなのですが…
やっぱりこっちもどうにも生かしきれていない感がありました。
まず武器と盾の成長。
この成長要素は一部の装備品だけではなくて、全部の武器と盾に成長要素があります。
一般的な能力のない装備品ならば、ただ使っていくだけでどんどん強くなるので、修正値の強化をしなくてもだんだん愛着も沸いていきます。
さらにシリーズおなじみの「一つ目殺し」や「ドレインバスター」なら、成長すればその種族への特効値が上がるそうです。残念ながら合成すると成長した結果は消えるようですが。
問題は成長限界まで育てる価値が低いという点。
冒険とはあまり関係なく、ほとんどの装備品の成長要素は図鑑埋め要素と化しています。
さらに「使い捨ての剣」と「使い捨ての盾」のようなものまで成長します。
これらは使い続けるたびに劣化していくのでその名の通り「使い捨て」なのですが、成長すれば使い勝手がよくなる・・・なんてこともなく。
成長限界の「称賛に値する剣」と「称賛に値する盾」になっても劣化する性能は変わりません。
これらの装備品の成長要素は、完全に図鑑埋め用のアイテムです。
さらにはこれらの上位互換とでもいうべき「ガラスの剣」と「ガラスの盾」なんてものも存在します。
こちらは劣化しませんがボッキリ折れます。盾ならパリンと割れます。
そんな状態でも育てる方法はあるのですが、完全に図鑑埋め用の作業です。
ついでにこれらの装備品は共鳴しますが、それでも劣化や壊れる効果は消えません。
正直こういうのって「水増し」や「とりあえずつけた」いわば「手抜き」に見えてしまうんですよね。
「1000回遊べる」とうたっているけれど、図鑑埋めは「作業」と化す。
それって違うんじゃないでしょうか。
新種道具。こちらは薬草・ドラゴン草・弟切草の効果が合わさったもの。
アイテム名や説明文をある程度いじれるのはとても良かったです。
新種道具も面白い要素なんですが、強力すぎるものを作ってしまうと、
またこれもゲームバランスが壊れます。
例えば「一時しのぎの杖」+「場所替えの杖」なんてことができてしまうようですね。敵に振れば階段へワープできてしまいます。
しかもこの新種道具、ストーリー中だけならまだしも、クリア後の一部の持ち込み不可ダンジョンにも出現してしまいます。
アイテムのアイコンのあとに「!」が付いているものが新種道具。
当然ながら識別済み。
さらにこの新種道具、どうやら作成したら基本消せないようです。
新種道具は64種類まで保存できるため、65種目を作れば消えますが…
攻略難易度は下がるものの、やりがいという面では激減です。
まがい物アイテムについては、過去作にもごく少数ありましたが、今作は大量にあります。そのため節操がなくなっています。
「石」のまがい物「右」
シレンがどっちを向いていようが、必ず右に飛んで行く様子は、
なかなかシュールで面白かったりするのですが…
この手のものは一発ネタな印象が強く、二度目は通じません。しかもこのまがい物アイテム、多少の役に立つならまだしもほんとに役に立たないものまであったりします。
「薬草」のまがい物「楽草」
「気分を少し回復する」とありますが、実際の効果はありません。
中でも「復活の草」のまがい物「腹活の草」、「やりなおし草」のまがい物「やりなおせ草」は、上画像の「楽草」と同じく実質何の効果もない草です。何の効果もない草といえばシリーズおなじみ「雑草」が存在しますが、今作の「雑草」は合成で使えるという利点が追加されたため、「雑草」以下の草が3種類もあることになります。
さらに言えば「透視の腕輪」のまがい物「透ネ見の腕輪」という、もはや騙す気すらないただのネタアイテムまで存在します。これらは図鑑埋めのための水増しにしか見えません。
ネタといえば、今作のアイテムの名前やあらゆる説明文はネタにまみれています。それがフフっと笑えるものならよかったものの、ほとんど深夜テンションのようなノリで、さらにはパロディやネットミームなものもあったりします。
仲間の一人コハルはシレンが装備できる武器と盾に化けますが、
成長限界したときの名前が「コハルモエモエー」と「コハルハアハア」
そんなもの私は装備したくないです。
そのくせアイテムの説明文がわかりにくい箇所があるなどしているので、「ネタを書くよりわかりやすい内容にしてほしい」と不満点として挙げている人も多いです。
私もこの点は大いに不満です。世界観にも全くあっていないので。
他にもまだまだ不満要素はありますけれども
このほか、特殊扉、マグマフロア、突発型モンスターハウス、一部モンスターが凶悪など不満点はありますが、主だった箇所はこのくらいでしょうか。
とにかく全体的に要素が複雑に絡み合い、結果調整不足では?と思える点が数多く見えました。
DSで発売された『シレン5』は、『シレン4』のわずか10か月後にリリースされた作品でした。
その開発期間の短さのせいか、グラフィックなど多くのものを『シレン4』から流用して作られたそうで、実質『シレン4』のバージョンアップ版と言えるようなものだったそうです。
そんな背景があるから、深夜テンションのようなノリや調整不足な感があるのかもしれませんが、遊ぶユーザー側にとってみればどうでもいいことです。
シレンの新作に期待はするものの・・・
「至高への挑戦」をクリアするともらえる「新作の壺」を押すと、開発者のメッセージが聴けます。
このメッセージによると、シレンの新作を出したいと思っていることが分かります。
ですがこの5+の内容、さらに最近の不思議のダンジョン関連作品を踏まえて考えると、新作への期待は期待半分不安半分…とまでもいきません。
期待2割不安8割といったところでしょうか。
私は過去に『風来のシレンDS』で期待への裏切りを食らっているので、どうしても不安要素のほうが高いです。
ですが、出るなら応援もしますし周りにも広めます。
なんならクラウドファンディングでもしてくれれば、
微力ながらも支援もします。
ただ、二度目の期待の裏切りとならないことを切に願っています。
是非とも、迫るどころか超えるものを願っております。
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