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思い立って資格を取るまでのお話(6)

本格的にスタート! のつもりが

 2021年6月になり、ようやく書店も営業再開。それを知ってすぐ、テキストを購入。
 私が買ったものは、9つの科目を上下巻にわけたもの。科目ごとに1冊ずつでもおかしくない量のところ、重要なところをコンパクトにまとめたもの。何となく内容を把握するのであれば、このぐらいでよさそうだ。初めて保育士試験を受ける人向けのテキストもあったが、この先どれだけ勉強に時間を割けるか未定。ならばできるだけ最短で学びたいと、初めてさん向けテキストは内容をちらっと確認しただけで購入はしなかった。
 といっても9科目分あるから内容を把握するだけでも大変なのだけど、これまでの「自己流」とはちがったガイドがあることで、これから先の勉強ははかどるだろうなと想像ができた。
 そんな矢先のできごとだ。

うれしいことと悲しいこと

 ニヤニヤが止まらない。この日も即、動画を撮影した。
 やっと、テキストを入手。今後はこれに沿って学習を進めていき、とりあえずは内容把握に時間をかける。ある程度項目ごとに確認問題がついているとはいえ、それだけでは試験に向けての勉強としては足りないだろうなということは想像ができていた。でも今は、最初の一歩として内容把握に専念し、試験対策など他の問題集が必要なら、その都度補充を検討することにしよう。
 
 と、ぼんやり計画を立ててみたものの、仕事が忙しくなった。
 忘れてはならない私の本業は、フリースクールのスタッフ。こちらを疎かにするわけにはいかない。フリースクールスタッフ同士の感覚として、基本的に「長い休みのあと」に忙しくなることが多い。6月、7月は春の大型連休の後。忙しくなりやすい時期だ。
 こちらの見学が何件かあり、また体験入会、新規入会などが続いた。私が関わるフリースクールのオープン時間は午前10時から午後4時まで。この間であれば利用登録等をしている人ならどの時間でも自由に利用できる。このとき利用していた子どもは、朝一番から午後3時ぐらいまで利用していくことが多かった(スタッフ業務としては、午後5時半まで)。
 特に予定の定まっていない日は(スタッフも含めて)何をしても自由。このときに勉強をしてもよかったのだが、利用している子どもにも資格取得を目指していることを公表していないため、子どもの前で勉強することはできない。
 結果、子どもとも関わりながら、時間中は個人情報に関わるもの以外の業務をこなし、子どもが帰ったあと勉強をすることにした。午前中子どもが来る前、オープン準備が早く終わった空き時間という手もあったが、だいたい準備はオープン前ギリギリまでかかったし、朝より午後のほうが頭がよく動いたので、このスケジュールのほうが効率的。
 利用者が増えることは収入に直結するので好ましいことなのだが、個人的には勉強の時間がうまくとれず、うれしいのだけど悲しい、悲しいのだけどうれしい状況だった。
 
 もうひとつ。ほんの少しでも勉強するリズムができてきたころ。
 下の子がアデノウィルスに感染、発症したらしく、高熱が出た。保育園の規定で、きょうだいのどちらかが体調を崩して休む場合は、たとえ元気であっても他のきょうだいも休み。登園許可が出るまで5日ぐらいは勉強できないものと思ったほうがいい。もちろん本業も、お休みだ。
 
 無事下の子の登園許可もおり、さらに1週間後。再び下の子が高熱を出した。私もどうしても仕事を休むわけにはいかず、いつものかかりつけとは別の、病児保育併設の病院に行ったところ、診断はまたしてもアデノウィルス感染症。
 先々週かかったばかりだけど? と思っていると、ウィルスの型が異なれば何度でもかかるとのこと。そういえば、1度目のときは「保育園で他に出ているのなら、アデノ(ウィルス感染症)でまちがいないだろう」とのことで、正式に検査していない。もしかしたら最初の高熱はアデノウィルス感染症ではなかったのかもしれないが、まさかの2回続けてのアデノウィルス感染症によって、また5日程度勉強できず。
 これが下の子のみが休んでいるのであれば、寝ているスキに勉強することはできる。ところが、上の子も一緒に休み。元気が有り余っているのに外に出れず、さらに昼寝もしないお年頃、
「おかーさーん、みて~」
「あそんでよ~」
と、ちょっとうまく描けた途中までの絵を、1色描けたごとに見せに来る。無視するわけにはいかない。見たふりをしても「ちゃんと見た?」と、バレバレ。
  
 こうなるのは仕方がないといえば仕方がない。だって私は、保育士の資格を取ろうとしていることを旦那にも言っていないのだから。もしこれで、最初から資格取得の目標を宣言していたら、少しは勉強時間を工面するなど工夫をしてくれたかもな、と思う。一方で、資格の勉強を始める前、子どもの保育園が新型ウィルスの関係で休園になったときでも、
「そんなに言われても。俺は普通に仕事だし」
と、育児から逃げている? と受けてとれるような発言を何度もしてきた人だ。たぶん何も変わらなかっただろうとも思う(「私も仕事・・・、休むわけにはいかないんだけど!」と言いたいのを、何度ぐっと飲み込んできたことか)。
 
 こうして、ここから勉強を軌道に乗せるぞ! と思った矢先。いきなり10日もロスすることになった。こういった「子どもが休みで勉強ができない」ことはこの後何度かある。何となく勉強する気にならないとき、あるいは少し休憩と言いながら長い時間ボーっとしているとき。「『あのときボーっとしてないで勉強しておけばよかった』と、後になって悔やまないよね?」と、自分を煽っていたのは、この調子で勉強が進むのか、不安な気もちを何とか打ち消そうとしていたからだ。

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