ロコたろうと学び直し
何かテーマがないかなとサーフィンしていて、「私の学び直し」というステキなハッシュタグを見つけたので、書いてみます。正しく今、「学び直した」ところだし、終わるのではなくてこれからも学びは続いていく。そんな心境にあります。
保育士資格を取得しました
自分が勘ちがいしているだけだった
保育士資格を取ろう。
思い立ったのは昨年4月。たまたまネットニュースで記事になっていたのか、それとも本当に偶然か。実はきっかけについてははっきり覚えていません。
しいていうなら、そういえば以前保育士資格を取りたいと思ったこともあったなぁと、「保育士」というキーワードで検索したこと。それまでの私は調べもせずに「保育士資格は学校などに行かないと取れない」と思っており、ならば学校に行かなきゃだけど、でも今から行ったって。そもそもお金ないし、と諦めて、年月が経過するだけでした。
よくよく見たら、学歴が大卒であれば試験を受けることで取得可能! え? 学校に通わなくていいの? と一瞬疑いましたが、大学・短大卒以上であれば、教育や保育関係の学部でなくても試験を受けることで受験可能なのは、間違いないよう。目の前が一気に明るくなったような気がしました。
世の中は緊急事態宣言下で大手書店が休業中。テキストを購入したくてもできないなどのもどかしさがありましたが、1年後の春の試験を目標に取り組んでみよう。最低でも3年間かけて取得すればいいしと、ふわふわした気もちで勉強を始めました。
途中、「なんとなく取りたい」から「いや、取る!」と強い気もちに変わったタイミングがあり、詳細については割愛しますが、そこから学びにぐっと力が入った気がします。
思っていた以上に自分の仕事に活きる!
普段はフリースクールに携わっている私。小学校以上の学校に行けない・行かないお子さんやその保護者の方、支援について考えていらっしゃる方たちと接する機会があります。
またプライベートでも、小学校入学前の2児の母。これも関係してか、子どもがどう成長・発達を経て「ひとりの人間」として形成されていくのかの過程に興味があります。
保育士は、普段子どもと接するのはもちろん、保育所の役割として様々な社会資源との連携をはかりながら、入所している子どものみならず、地域の子育て家庭に対する支援の役割も担っています。このことから、保育士の対象は子どもだけではなく、実は「子どもを中心にして、その周りもよりよく整えていく役割」「周りをよりよく整えることで『子どもがより主体的に健康に』育つ役割を担っている」のだと私なりに理解をしました。
また、保育士の活躍の場は保育所だけでなく、児童養護施設なども対象となります。
そうなると、つまりは「地域を知る」ことも、「子どもの周囲の環境を知る」ことも、その他様々なことも、保育士には求められるということになる。これはフリースクールでも求められるスキルではないか? と感じました。
保育士の勉強を進めていく中では、福祉関係の科目についても勉強をします。実は福祉関係は試験に合格した今でも苦手です!と堂々と言い切れるぐらい苦手な科目で、特に「社会福祉」は、こんなに制度が複雑で覚えきれるかぁ!と何度思ったことか(福祉職に就かれている皆さん、本当に尊敬しております)。この科目の中で相談援助に関する項目があり、これもフリースクールの業務に活かせるぞ? と思うと、苦手は苦手だけど、ちょっと友達になれたかな? というような気もちになったり。
保育士の筆記試験は、保育原理から教育、発達、福祉関係、保健や栄養、実習理論など、幅広く9科目に渡ります。とにかく範囲が広くて、覚えきれるだろうかと不安でいっぱいでしたが、今の自分の仕事と遠くなく、むしろ近いところにあるんだ! と思うと、仕事と子育ての合間に勉強するのは大変でしたが、勉強することが日々の自分に活きる!早く活かしたい!と、むしろワクワクしました。
幅広い年齢の方がいた
私の年齢で今さら保育士だなんて、おかしいだろうか? と、勉強しながらも不安でした。一応私は、プロ野球の「○○世代」と言われるど真ん中。受験資格さえ満たせば年齢など関係なく受験できるとはあっても、ひとり浮いたりしないか、と、試験当日までドキドキしましたが、実際筆記試験会場へ向かう途中や会場で見かけたのは、たぶん私よりも若い方の割合のほうが多かったとは思うけれど、同じぐらいか、明らかに上だろうなという方もちらほら。少なくとも私が浮いてしまうほど、ということはありませんでした。割合としては女性のほうが多かったけれど、男性もいらっしゃいます。年齢、性別問わず幅広い方がこの会場にいらっしゃる。
そしてこの場で受験をされるということは、皆さん(利用したツールの違いはあるでしょうが)自分で勉強をしてきたんだということ。
今日この試験を受けるためにどのぐらいの時間をかけられたかはわかりませんが、「『学ぶ』ということは、性別も年齢も関係なく、いつでもいつからでもできる」という生涯教育の一端を感じ、私としても負けていられないな!がんばらなきゃ!という気もちになれました。
「好き」が活きた!
とても上手とは言えませんが、幼稚園のころから、落書き帳を買ってもらっては1日で使い切ってしまうぐらい、お絵かきが大好きでした。
実技試験は音楽、造形、言語のうちから2つを選択する必要があります。音楽は、指定の曲を、ピアノなどを演奏しながら歌うもの。ピアノは習ってはいませんが、簡単な曲であれば音を出すことはできます。が、いちばん自信がなかったため選択せず、造形と言語で挑みました。
造形は、指定された場面の絵を指定時間内に描く、というもの。絵を描くのが好きだ!とは言っても、指定された場面・時間内というのは思いのほか難しく、とにかく練習しまくりました。練習しても不安はぬぐいきれませんでしたが、練習が苦でなく、「こんなにたくさん絵が描けて、楽しい!」と、試験直前には思えたほどです。
「もう、すぐに落書き帳いっぱいにするんだから」
と、よく言われた小さいころの私。両親はそういう意図ではなかったのかもしれませんが、私には、私自身を否定された、私は悪いことをしているんだ、と感じられ、「絵を描くのが好きじゃいけないんだ」と思ったこと、何度も。
それが、このときばかりは何よりの自信になりました。
「下手なのはわかってる。でも、お絵かきが好きでよかった!」
合格してからが大事
2022年4月に受験をし、自分でも信じられないことに、筆記試験を見事に一度でパス。7月に実技試験を受け、8月に合格通知を手にすることができました。現在は保育士登録もし、保育士を名乗っての仕事が可能になりました。
思えば資格取得は、自動車運転免許を除けば高校在学中以来数えるのも嫌になるぐらいの年数ぶり。結婚後の現姓で取った初めての資格となりました。
資格をとったから安心ではなく、あくまで子どもとその周辺にかかわるひとつのきっかけをいただいたにすぎない、と考えています。この先、覚えたはずの法令などもどんどん変わるでしょうし、子育てについても毎日が同じということもないでしょう(うん、これまでの経験上、ないです!)。
保育士の資格は、子どもに携わるものとして、あくまでひとつのツール。学んだから!と頭でっかちになるのではなくて、理論と日々の仕事と生活とをうまくバランスをとりながら、これからも「子どもひとりひとりがよりよくあるためには?」を考えながら、日々学び続けていきたいと思います。
保育士試験に合格したことを、精神保健福祉士の資格をもつ友人に報告したとき。こんな言葉をもらいました。
「保育の知識を持った人、児童福祉の専門性を持つ証」
これからもこの言葉を忘れずに!励んでいく所存です。
子どもひとりひとりが大切にされる世の中。そのためには具体的にどうしたらいい? どうなったらいい? これらを、いつも頭の中に思い描きながら。
#私の学び直し