人生の向かう先を決めるまで――長い迷いの先に見えた自分の進むべき道
私は、人生の方向性を真剣に考えるようになるまで、何度も自分を見失いながら、時間をかけてようやく自分の行きたい先を見つけることができました。振り返れば、10代の頃から「自分は何をしたいんだろう?」「自分の道はどこにあるんだろう?」という迷いがずっとつきまとっていました。学校の勉強に特別な興味を持つこともなく、また特定の職業に対する憧れも持てないまま、ただぼんやりと日常を過ごしていました。
私の家庭は、祖父母が教員で、両親は金融関係の仕事に就いていました。どちらも堅実な職業で、しっかりした価値観を持ち、世間的にも安定した家族です。当たり前のように、進学して卒業し、就職して会社に勤めるのが良い生き方だとされる価値観の中で育ちました。ですが、私はどうしてもその「当たり前」の価値観に違和感を抱いていたのです。
思春期の頃から自分でも「私はちょっと変わっている」と感じることが多く、大人からも「変わった子」「目立つ子」と言われていました。学校生活や家庭生活でも、なんとなくなじめず、周囲との違和感が常に心にありました。こうして、高校を卒業する頃には、すでに自分の道について強く迷うようになっていました。そこでとりあえず上京し、新しい環境の中で何かを見つけたいと考えたのです。
上京して始まった迷いの道
上京後、社会人として一歩を踏み出したものの、ちょうど就職氷河期だったこともあってなかなか就職口が見つからず、フリーターとして生活を送ることになりました。いくつかの仕事を転々とし、派遣社員としても働きましたが、「この職業が自分の居場所だ」と思えるものには出会えませんでした。職場を変えながらも、どこか自分にとっての「理想の人生」が見えてこないもどかしさを感じていました。
しかし、人生にとって大きなきっかけは、ふとしたところからやってきました。あるBarで出会ったマスターが、私にとって大切な存在になったのです。彼は私のような若者の悩みを聞き、親身にアドバイスをくれました。私が仕事を失ったときも、「あの人なら、きっと何かを紹介してくれるだろう」と思えるような存在でした。
さらに、私が通っていたBarには、マスターを慕って50代や60代の常連のお客様も多く、みなさんが多様な職業で生き生きと過ごしている姿を見て、「こんな働き方があるんだ」と驚きました。実は、彼らの仕事がどんなものか、その時の私にはよく理解できなかった部分も多かったのですが、ただ「楽しそうだな」「自由に見えるな」という印象が心に残りました。このように、いろんな大人たちとの交流が少しずつ私に影響を与えていったのです。
初めての転機と人生の疑問
そんな生活の中で、私は元々興味があった「夜のお仕事」を副業として始めることにしました。そこで働くうちに、夜のお店に訪れる常連のおじさま方やお店のママさんたちが、自分の生き方を貫いていることに気づき、彼らに憧れを抱くようになったのです。お話を聞いていると、みなさんそれぞれ大変なこともあるのだろうけれど、自由に人生を謳歌しているように見えました。
さらに、趣味の音楽を通じてイベントを開催したり、バンド活動をしている仲間ができたりと、これまでになかった刺激が増え、ますます「自分も自由に生きたい」という思いが強くなりました。その頃には、海外に飛び出していく友人もでき、そんな姿を見て、私も「もっと自分らしく自由に生きる道があるはずだ」と考えるようになっていたのです。
しかし、人生の方向性に対する迷いは続いていました。そんな中、私にとって大きな転機となったのが「東日本大震災」でした。当時、私はとある会社の事務所で一人きりで内勤している最中に地震に遭遇しました。体感したことのない恐怖の中、体も心も凍りつきました。私にとって大きな不安だったはずですが、自分の感情に疎いため、その時には「怖い」とはっきり認識できていませんでした。それでも、水が売っていない、トイレットペーパーが売っていない、計画停電で夜家の電気が付かない、などの生活の変化に適応出来ず、ストレスも相まって、元々幼少期にあった特性である「落ち着きがなくなる」「小さな音に敏感になる」「物事に集中できなくなる」「ルールがわからなくなる」など、目に見える形での影響が出始めたのです。
震災後の生活で精神的な疲労と、仕事でのストレスが積み重なり、数か月後には胃潰瘍を発症することになりました。これがきっかけで退職を決意し、実家へ戻ることとなりました。
自分のペースと向き合う日々
実家での生活が続き、次第に環境にも馴染んでいく中で、彼氏との同棲が始まり、再び自立を意識する生活が戻ってきました。しかし、最初こそ楽しかった同棲生活も、時間が経つにつれ、私にとっては「人に合わせること」のストレスが大きくなっていったのです。「どうしても人のペースに合わせるのが苦手」というのは、私の根本的な特性なのかもしれません。無理に相手に合わせる生活は、自分の行動に対してストレスを感じ、予測出来ない行動を取られる事にプチパニックを起こし、やがて関係も破綻していきました。
一人になってみると、独り暮らしの快適さに気づきました。何より、自分で生活のペースを決めることができ、念願のペットを迎えて毎日の生活に楽しみが生まれたのです。ペットのために仕事を頑張る気持ちも湧き、日々の生活にハリが出ました。しかし、ペットが病気になり、高額な医療費が必要になったとき、収入を増やすために副業を選び、その後の生計が大きく変わりました。
元々、自分に貞操感がなかったこともあり、風俗業に抵抗はなく、自分の意思で選んだ道です。そこで出会うお客様は年配の男性が多く、ほとんどの方が定期的に通ってくださるなど、私にとって居心地の良い職場になっていきました。仕事に対する自由度が高く、出勤日や出勤時間も自分で選べることが、今までに感じたことのない「自分で決められる安心感」を感じさせてくれたのです。
こうした自由な働き方を知ったことで、私は「自分の人生は自分で決める」という感覚が強くなり、自己責任でのびのび働けることが自分に合っていると感じるようになりました。
自分の内面と向き合う「自己棚卸し」の重要性
ペットが亡くなった事で仕事を頑張る理由を失った私は、会社を辞め、友人である社長から以前から誘いを受けていたこともあり、その会社で働くことにななりました。経営者と働く中で、自分の「向かう先」を見つめ直す機会を得ました。会社で働く中で、「自己棚卸し」をする必要があり、自分の出来ること・出来ないことを見つめ直す時間が増えました。
自分にとって必要なことを考える上での「内省」は、思っていた以上に大変なプロセスで、正直、辛い場面も多くありました。これまでの人生で自分を振り返り、失敗や欠点と再び向き合うことは、自分の自尊心に強いダメージを与えるものでした。「自分には何もない」と感じてしまい、心身ともに苦しい状況が続きましたが、内省を重ねたことで「本当にやりたいこと」が少しずつ見えてきたのです。
その結果、「他人の組織の中で働き続けるのではなく、自分の力でやりたいことをしていきたい」と考えるようになりました。長く経営者のそばで仕事をしていた経験も、この気持ちを強くしてくれました。内省の過程で「自分の社会貢献としてできることは何か?」と考え、自己理解を深め、周囲とのつながりを大切にすることの重要性を感じるようになったのです。
このプロセスを通して、私はひたすら「出来ること」「出来ないこと」「これまで褒められたこと」「注意されたこと」をノートに書き出してみました。思いつく限りの自分の情報を言葉にすることで、自分にとっての強みや特徴が浮かび上がってきました。この「自己棚卸し」こそが、人生の向かう先を見つける大きな支えになったのです。
自分の向かう先を見つけたときの気づきと変化
こうして自分の内面を見つめ直す中で、「私は他人の成長をサポートしたい」という思いが強くなりました。心理カウンセリングやコーチングの勉強をし始め、資格を取得しながら、次第に「子供たちが自分の価値観を持ち、自分の人生を自分で切り開けるような力を持つサポートをしたい」という想いが芽生えました。
気づいたのは、「価値観や考え方の癖が、実は習慣によるものである」ということです。これを変えるためには、自分だけでなく他人の支えも必要だと理解しました。そして、こうした習慣が人間関係や行動にも影響していることに気づいたとき、人生の進むべき道が見え始めたのです。
自分が選び取る人生を進むために、「子供たちが自分の生き方の価値観を持てるように関わることが、今の私にとって必要である」と考えました。社会や大人が教える価値観が、子供の人生を大きく左右することに気づき、「自分がそれをサポートすることが、自分の目指すべき場所だ」という結論にたどり着きました。
自分の道を選ぶことで生まれた確信
自分の進むべき道を見つけてからは、不思議と不安や迷いは消えていきました。今まで苦手だったことや嫌いだったことも、自分の目的のために変える力が湧いてきて、「これならば進んでいける」と自信を持てるようになりました。そして自分が心から「これをやりたい」と思える道を選んでからは、行動が明確になり、自分の中にあった迷いも自然と消えていったのです。
これからの私の目標は、子供たちが自分の価値観で人生を選び、成長していけるサポートを行うことです。そして、それを実現するための環境を提供するために、コーチングやカウンセリングを通して人々に寄り添っていきたいと思っています。
「あなたの人生はあなた次第で変容する」
「あなたの価値観はあなた自身で構築する必要がある」
「あなたの心はあなたにしか育てられないし、救えない」
ですが、私のように迷いながらも進みたいという想いを持ち、支えを求める方がいれば、ぜひ一緒に歩んでいきたいと思っています。どんな時も、他人とともに歩み、自分の本当の向かう先を見つける旅を楽しんでください。
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まだまだひよっこですが、ご興味のある方は公式LINEからご連絡をいただければと思います。