公務員の非正規に思うこと
同一労働同一賃金について考えるとき、公務員の非正規がいつも心に引っかかる。
私は娘が3人いて、2人が公務員になった。
ちょうど長女が就職する頃に、公務員の採用の氷河期が終わりはじめて、何年も続いていた福祉職や心理職の募集0が終わり、再開された。
一次試験は突破したものの、長女が受けた面接には、就職すべき年にまったく募集がなかった年齢の人たちが、大学院生や社会人になっても公務員の専門職を諦めきれずに、たくさん来ていたという。
長女もそれなりに公務員試験に向けて勉強をしていたけれど、結局1年目はどこにも採用されず、大学院に残った。長女の専攻は他には全くつぶしのきかない、珍しい分野だったからやむを得ない選択だったと思う。
翌年、ようやく念願の福祉専門職に採用が決まった。
公務員試験は狭き門であり、職場には多くの非正規職員がいる。
非正規職員が何年働いても正規職員になれないのは不公平だという人たちもいる。
あるとき私は、長女にこの件について訊いてみたことがあった。
長女の答えは「公務員試験を受験してもらって、合格すればよいと思う」だった。
公務員試験には年齢制限があるから、受験資格そのものがない人もいる。
だから、実務経験のある人は年齢制限を外して、受験できるようにすればよいのだという話である。
合格できなくても続けたければ、非正規職員を続ければよいのだから。
懸命に勉強して就職浪人も経験した長女の、偽らざる気持ちだったのだと思う。
公務員になるのに、公務員試験に合格する以外でもなれる方法ができるのは、やはり間違っているのではないだろうか。
そんなことをすれば、田舎の自治体などひとたまりもなく、コネで非正規になって、そのまま居座る人が増えるだけだろう。
だから長女の意見は正しいと私も思うのだ。
よろしければサポートをお願いいたします。少しでも多くの人に届けていきたいと思っています。