融資を受ける理由を説明できますか?
[要旨]
運転資金の融資を受けるときは、単に、手元資金が足りないというだけではなく、売上が増加していることによるものなのか、事業が赤字になっていることによるものなのかという説明が必要です。さらに、赤字の時は、事業を回復するための対策を説明することも必要です。
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今回も、Clubhouseで私が受けたご相談の内容についてシェアします。ご相談の内容は、「融資を受ける理由を説明できずに融資を断られたが、どうすればよいか」というものです。これは、例えば、新たに機械を購入するために融資を受けようとするときは、融資のを受ける理由は容易に説明できると思いますので、前述のようなことが起きるのは、設備資金ではなく、運転資金の融資を利用するときだと思います。
でも、銀行は、運転資金の申し込みを受けたときは、おおよそ、その理由は理解しています。もし、融資の申し込みをしてきた会社の売上が増加しているときは、商品や材料の仕入資金が不足するので、増加運転資金ということが分かります。でも、売上が増加していない会社が、運転資金の申し込みをしたときは、だいたいは赤字資金です。赤字資金とは、売上収入よりも、仕入と経費の支出が多いので、資金が不足するというものです。当然、そのような会社は赤字です。
それは、銀行は理解しているのですが、別の理由があるかもしれないので、念のために融資が必要になる理由をききます。でも、多くの場合、経営者の方は、事業でどれくらいの利益が得られているかを把握していることは少ないようです。単に、月末の仕入代金や経費支払の予定額に対し、手持ちの資金が不足するということだけが分かっており、銀行に融資の申込をすることになっているようです。
したがって、そのような会社に対して、銀行が融資を断るとすれば、融資が必要になる理由を答えられなかったというよりも、業況が赤字だからと言えます。でも、自社が赤字であることを把握できていれば、その対応策も合わせて銀行に説明できるので、それを銀行が納得できれば、融資承認につながると思います。したがって、収支管理、利益管理をすることが、銀行から融資を受けるための基本的な対応策と言えます。