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[要旨]

7,000億円企業のアイリスオーヤマがいかなる時代環境でも利益を出すために実践していることは、会議を最優先する、情報を共有化しで社長と従業員の情報格差をなくす、役員や従業員に社長の分身になってもらう、仕事を属人化せず、仕組みで組織の力を発揮するといった、容易に理解できる活動です。


[本文]

アイリスオーヤマ会長の大山健太郎さんのご著書、「いかなる時代環境でも利益を出す仕組み」を拝読しました。本のタイトルにもなっている、「いかなる時代環境でも利益を出す仕組み」の具体的なものは、ひとつだけではないと思いますが、私が印象に残ったものは、同社では、会議を重視しているということです。

「アイリスでは、仕事の中で、最も優先度が高いのが、会議や朝礼など、皆で集まる場に出席することと言ってもいいでしょう。(中略)アイリスの情報共有に対する力の入れ方は生半可ではありません。もちろん、目的はいかなる時代環境においても利益を出せる会社にするためです。1つ、2つのヒット商品を当てるだけなら、社長1人の力でも可能かもしれません。

しかし、利益を出し続けるためには、社長の『分身』として、役員、社員が主体的に思考し、行動することが必要です。新製品のアイデアが出るのは、中堅中小企業の場合、社長であることがほとんどです。これはなぜでしょうか?(中略)私は多くの社長が優秀なアイデアを出し、的確な判断を下せるのは、社長が社内情報を独占する立場にあるからだと思います。

世の中の社長が偉そうにしているのは、往々にして情報をたくさん持っているからです。社長を社長たらしめるものは、『社長と社員の情報格差』です。(中略)組織を強くするためには、そこに切り込み、できる限り、ブラックボックスをなくす必要があります。(中略)

アイリスでは、社内の多くの情報をほぼ全員が、ほぼ同じタイミングで知ることができます。LED照明などの新製品を次々に市場に投入できたのも、結局、情報共有によるものです。アイリスの本質的な強さは、情報共有力にあると言っていいでしょう。仕事が属人的でないのが、アイリスの組織の特徴です。(中略)仕組みで組織の力を結集したから、一介の町工場が7,000億円企業に化けたのです」

この大山さんの言葉に、改めて、解説する必要はないでしょう。会議を最優先する、情報を共有化しで社長と従業員の情報格差をなくす、役員や従業員に社長の分身になってもらう、仕事を属人化せず、仕組みで組織の力を発揮する。これらは容易に理解できる活動です。でも、実践することは難しいということも事実でしょう。この容易に理解できるけれども難しいことを実践できるかどうかに、会社の業績が左右されるということだと思います。

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