成功するビジネスパーソンはお礼をする
[要旨]
成功するビジネスパーソンは、広い視点を持って、多くの協力者との関係を強めていくことで、ビジネスの好循環を作っていると考えられ、そのような広い視点を持つことは、経営者としての資質と言えます。
[本文]
先日、あるコンサルタントの方とお話をしました。その際、その方は、成功しているビジネスパーソンの共通点として、仕事でお世話になった人へは必ずお礼をしている、それも成功者といわれるようになる前から、きちんと協力者にお礼をしており、成功者といわれるようになってからも、それを続けている、ということをお話されました。私もその方のお考えは正しいと思います。また、私だけでなく、ビジネスに携わっている多くの方もその通りとお考えになるでしょう。ところが、実際には、必ずお礼をするというビジネスパーソンは、どちらかというと少数派でしょう。だから、そのようなビジネスパーソンは成功するともいえるのですが…
では、そのような律儀な人は成功すると分かっていながら、律儀なことをする人は、なぜ、少ないのかということを、その後、考えてみました。その答えはひとつだけではないと思いますが、私が考える理由は、ビジネスに臨むにあたって、十分に広い視点を持つことが、なかなか難しいからだと思っています。自分がやることだけでせいいっぱいという人は、ビジネスで自分に貢献してくれている人のことに気づく心の余裕も持つことができないし、したがって、お礼もしようとしないでしょう。
一方、自分のビジネスには、多くの協力者がいるということに気づいている人は、その協力者に感謝することができ、そのような姿勢が、さらに、強い協力を得られることにつながるのでしょう。例えば、発行部数が累計800万部の人気作家の本田健さんは、ご自身の本が800万部売れたのは、自分が本を書いたからだけではなく、本を印刷してくれた人、本の発売を告知してくれた人、書店の店頭で、実際に読者に本を販売してくれた人がいるからであり、そのような協力者の方たちのおかげで800万部の本が売れたとお話されておられます。そのような姿勢を持っている作家には、さらに、協力者との強い関係が築かれていくのでしょう。
とはいえ、経営コンサルタントである私としては、「ビジネスでお世話になっている人には感謝しましょう」ということだけを述べようとは思いません。このような、ビジネスの協力者に感謝できる人は、広い視点をもっているからこそ、協力者を巻き込んでいく力を持っており、そのことは経営者としての資質も高いということでもあるのだと思います。ビジネス界では、ほとんどの人が成功者になろうと思っていると思いますが、いわゆる成功法則を、労力をかけて学んだり、習得ししたりしようとする人も多いと思いますが、そのようなことをするよりも、身の回りにいる人たちを大切にすることから始めることの方が、成功者に早く近づくかもしれないと、私は考えています。