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戦闘機無人化でパイロットは無価値に?

[要旨]

現在は、優れた会計ソフトによって、多くの経理処理を省力化できるようになりました。しかし、会計に関する情報に基づく経営判断は、経営者自身が行わなければならないことに変わりはありません。したがって、会計処理を省力化できたとしても、適切な経営判断ができるよう、経営者の方は会計に関する知識を持つ必要があります。

[本文]

大ヒット映画の、トップガンマーヴェリックに、主人公のミッチェル大佐の上司が、ミッチェル大佐に対して、「将来、戦闘機が無人化し、パイロットの価値がなくなるだろう」というセリフを話すシーンがあるそうです。これに対して、ミッチェル大佐は、「多分そうなるだろう、しかし、それは今ではない」と返すそうです。

ちなみに、軍事専門家の方によれば、仮に人工知能で戦闘機を操縦できるようになったとしても、人工知能のアルゴリズムをつくるのは人間であり、その前提となる知識は、パイロットからしか得られないので、完全にパイロットが要らなくなるわけではないということだそうです。話を戻して、私は、前述のセリフを見た時、これは、会計にもあてはまるということを思い出しました。

私が学生時代に会計学を専攻していたとき、担当教官が、「いまは、会計ソフトが会計処理をしてくるが、だからといって、経営者が簿記の知識を持たなくてよいということにはならない。作業そのものは機械がやってくれても、会計の論理を経営者が理解していなければ、正しい経営判断ができない」と説明しておられました。現在は、さまざまなことを人工知能やRPAが代わって行ってくれるようになりましたが、「経営判断」までは代わってくれません。

これは当たり前すぎることなのですが、いまだに、「会計処理は経理ソフトや会計事務所がやってくれるから、経営者は事業に専念していればよい」と考えている方も少なくないと、私は感じています。繰り返しになりますが、作業は代行させることはできても、「経営判断」までは代行させることはできません。もし、それができたら、会社に「社長」は不要になります。したがって、作業はしなくても判断ができるよう、会計に関する知識は経営者には欠かすことができないということを、改めて感じました。

2022/6/15 No.2009

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