リーダーは他人の評価が気にならない
[要旨]
アドラー心理学では、「勇気」のない人は困難な場面になると、自分を優先し、他人からの評価を気にしてしまいます。これは「共同体感覚」が欠如している状態であり、特に組織のリーダーは、他人からの評価を気にせず、自分が他人に貢献していることに満足を感じることができるようになることが大切です。
[本文]
心理カウンセラーの小倉広さんの、ダイヤモンドオンラインへの寄稿を読んだのですが、経営者の方の参考になると感じたので、ご紹介したいと思います。小倉さんは、アドラー心理学の第一人者でもあるのですが、アドラーのいう「勇気」とは、「共同体感覚の一側面」のことだそうです。これは、「困難な場面でも『相手を思い』『相手を優先すること』を放棄せずに問題を解決していく活力」を指すそうです。
このアドラーのいう「勇気」がない人は、困難な場面では、「共同体感覚」を持つことができず、自分を優先し、他人からの評価を気にしてしまうそうです。逆に「勇気」がある人は、「他人の評価を気にしませず、誰からもほめられず認められなくても、自分が相手に貢献できていることそのものに満足を感じる」そうです。また、「勇気づける」ということは、「人からどう思われるかなんて関係ない」と気づかせることであり、そのためには、条件をつけて相手を認めるのではなく、無条件で、「ありのままの相手をそのまま受け容れ認める」ということだそうです。
この小倉さんのご指摘は、リーダーとしてどうあるべきかということの参考になると思います。まず、リーダーは、「自分が相手に貢献できていることそのものに満足を感じる」こと、そして、部下に対しては、「人からどう思われるかなんて関係ない」と気づかせること、そのために、無条件に部下を受け入れること、これらがリーダーがとるべき行動だと思いました。では、アドラーのいう「勇気」を持っていない人は、どうすれば「勇気」を持てるようになるのでしょうか?これについては、次回、私の分析を述べたいと思います。
2021/10/4 No.1755