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銀行独自のコンサルティングの大切さ

[要旨]

「銀行のコンサルティング機能の発揮」は、銀行の一方的な活動では実現できないことから、今後、直ちに、それが実現できないと思われます。しかし、銀行の特色を活かしたコンサルティングを行えるようにして行くことで、銀行のコンサルティングを受けようとする会社が増えて行く可能性はあると考えます。


[本文]

前回まで、銀行のコンサルティングについて述べてきましたが、今回は、そのまとめをしたいと思います。まず、銀行側の問題点として、コンサルティングについて、スキルを高めたり、収益の柱とするまでの余力があまりないという問題点があります。ただし、銀行は、多くの融資相手の会社の情報を持っているので、その点は、コンサルティングを行うときには、大きなメリットにはなるでしょう。

一方、銀行から融資を受けている会社の多くは、コンサルティングを受けることを望まないようです。その理由としては、コンサルティング料の負担を避けたいという面もありますが、いわゆる”苦い薬”は飲みたくないという面が強いものと思われます。したがって、「銀行がコンサルティング機能を発揮すれば、融資相手の会社の業績が回復し、銀行の融資を受けやすくなる」という考え方は、主に、融資を受けている側の要因で、実際にはあてはまらないと、私は考えています。

では、今後、銀行と、銀行から融資を受けている会社は、どうすればよいのかというと、私は、現状はなかなか変わらないと考えています。というのも、私が「月次試算表をつくり、事業の改善に活用しましょう」と呼びかけても、それを実践する会社は多くないからです。月次試算表の活用ができない会社が、仮にコンサルティングを受けても、受け身にしか活動せず、その効果はあまり得られないでしょう。

だからこそ、私は、このような記事の配信で、改善活動の大切さを伝え続けているわけです。その一方で、銀行側にも改善の余地はあると考えます。一朝一夕には実現が難しいと思いますが、銀行の強みを活かしたコンサルティングを粘り強く続けて行くことで、融資相手の会社に評価されるようにしていけば、Win-Winの関係が構築できるようになると思います。

2021/12/5 No.1817

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