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スポットコンサルティングの効果は限定

[要旨]

資金不足、売上減少など、表面化している課題の解決のために、コンサルタントへ、スポット的に支援をして欲しいという会社は少なくありませんが、表面的な課題だけに取り組み、根本的な部分から改善に取り組もうとしない会社は、コンサルティングを行うことの成果も十分い得られないことになってしまいます。


[本文]

私は、しばしば、スポットの支援の依頼を受けることがあります。例えば、会社が赤字になったため、銀行から追加融資に難色を示されたので、融資申請を支援して欲しいというものや、売上が減少したので、売上を回復するための支援をして欲しいというものです。かつては、私は、このようなご依頼を受けることもあったのですが、現在は、原則、顧問契約を結んでいただき、スポットの支援のご依頼は受けないようにしています。

その理由は、スポットの支援は、資金不足などといった、ひとつの直面する課題を解決することが目的ですが、事業運営は有機的な活動なので、1つの課題だけが解消すればあとは問題がないということではなく、深い部分まで改善をしなければ、再び同様の問題が発生してしまいます。このことは至極あたりまえのことで、私が指摘するまでもないのですが、それでもスポットの支援をご依頼する経営者の方は、表面化している課題だけを解決するだけですませたい、そして、深い部分の改善は、いまは避けて通りたいという意図が、透けて見えます。

もう少し厳しい言い方をすると、例えば、いちど、資金不足という課題を、融資を受けて乗り越えた会社が、しばらくして、会社の根本的な部分を改善することなく、再び資金不足になってしまえば、その会社は進歩がないということになります。(外部の経営環境が急激に変わったことが原因で資金不足に陥った場合は除きます)私は、年々、競争が激化していく中で、表面化している課題だけを、つぎはぎ的に対処していくだけの会社は、早晩、ライバルと大きな差をつけられてしまいます。

この点については、コンサルタントが、どのような支援を行うのかによるのではなく、経営者の方の姿勢によるところです。上から目線で恐縮ですが、会社の改善に、根本的な部分から取り組もうとしない経営者の方が経営する会社は、コンサルティングを行うことの成果も十分い得られないことになってしまうため、スポットのご支援だけを受けようとする会社とは、私は距離を置くようにしています。

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