神棚がある会社はもうかる?
[要旨]
経営者の方が、自社の業績を改善しようとするときは、神棚を祀るなどして、誰かから見られているという環境に自分を置くことは、効果があると思われます。
[本文]
窪寺伸浩さんのご著書、「なぜ儲かる会社には神棚があるのか」を読みました。同書の冒頭に、窪寺さんが銀行の融資課長からきいたお話として、銀行が顧客の会社に融資をするかどうかを判断するにあたって、神棚があるかどうかもチェックしているという記載がありました。「会社に神棚があるかどうかが、重要なチェックポイントですね」「神棚がただあるだけでは十分ではなく、そこにあるお榊が、いつも青々としていること、神棚の清掃が行き届いていることが重要です」「神棚がいつもすがすがしい状態であるということは、社長が、毎日、神棚の水を取り替えたり、ふき掃除をしていることの証拠です」
「さらに、神棚を祀っている会社は、地域に根差した会社という見方ができます」「その会社は神社からみれば氏子ということになりますから、地域の人たちに、お札を届けに行ったり、お祭りの寄付を頼みに行ったり、いろいろと地域につながってくるわけです」「会社が地域に根付くと、地域の目が気になって、悪いことができなくなってくる、社員の態度、自動車の停め方、会社の業績まで、すべて、地域から見られていると意識するので、会社をきちんとしようと考えるようになると思います」私が銀行に勤務していたときは、ここまで洞察していませんでしたが、確かに、業績のよい会社の経営者の方は、信心深い傾向があると感じていました。
だからといって、銀行から評価を得るために、会社に神棚を祀ればいいということには、直ちにはならないと思います。最終的には、経営者の方の姿勢が問われるからです。でも、人はどうしても安易な方に流されてしまうので、「神さま(=社会)が見ている」という環境に自分自身を置くことで、銀行からみても「きちんとしている経営者の方だ」と思われるようになるのだと思います。私は、業績を改善しようとしている会社の経営者の方が、必ずしも神棚を祀る必要があるとは思いませんが、「誰か(神さまや地域社会)に見られている」という環境に自分を置くことの必要性は高いと考えています。