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【残28日】受けた恩は返すべきか?

今日はいつもの店ではなく、銀座の店にヘルプ出勤。
久しぶりに先輩と同じ店で働くことになった。

この先輩とは10年近くの付き合いで、僕がこの会社にいるほとんどの時間を一緒に過ごしてきた。
なんなら半年ぐらいワンルームで一緒に住んでいたことすらある。
上司以上に、兄貴的存在。
会社員としての仕事への向き合い方や東京のディープな楽しみ方など、真面目なことからふざけたことまですべて教わってきた。
この人と出会ってなかったら僕の人生はまったく別物になっていたはずだ。


会社を辞めるのは裏切りなのか?

そんな公私ともに絶大な信頼を寄せている先輩に退職の意思を伝えた時は、結構大変だった。
「この裏切り者!」と面と向かって言われた時はショックでしたよ、正直。
でもそれぐらいのことを言う権利はあると言われた僕が思った。
それほどに、僕のために時間と金と労力を費やしてくれていたから。
受けた恩は親の次ぐらいにでかい。

周りからも止められたけど、最終的には辞める方向で押し切った。
ただ辞めるまでに1年の猶予期間を作ることにした。

よく義理人情や恩は大事にした方がいいと言われる。
それは僕もそう思う。
ほな、どこまで大切にすればいいのか。

育ててもらった会社や先輩には極力恩返ししたい。
けど、恩返しすると同時に、新しくまた恩を受けたりするので一生終わりがない。
100%やりきってから退職したいと考えた時期もあったが、そんなもんは現実的に不可能だ。
だから、どれだけ慎重にやったとしても、大なり小なり裏切ることでしか会社は辞められない。


六角の恩返し

別に辞めようと思ったその日に辞めることもできた。
僕がそれをしなかったのは、辞めた後も先輩との縁を切りたくなかったから。
わりと巡り合わせとは運命とか信じる方なんすよ。

お互いに納得できる落とし所が1年という時間だった。
もし何もかも放り出してすぐに辞めていたら、一生後悔していたはず。
10年間受け続けた恩をたった1年で返せるとは思わないが、その1年で今後も続く関係性が作れるなら、それは自分にとってすごく価値があるし、思い切って次に行ける。

やっぱり、見て欲しいと思うのよ。
辞めたからには、続けた時とは違う、それ以上の結果を出す。
「あいつ俺のこと裏切って会社辞めたけど、今もがんばってやってるな」みたいに思ってもらえたら最高。

で。
自分の力で儲けた金を使って先輩の店で豪遊する。
先輩はその様子を見ながら「あいつは今はやれてるように見えるけど、昔は俺が全部教えてやったんや」って若いスタッフに言ったりする。

これが最高の恩返しなんちゃうかなぁと、密かに考えているのです。

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