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ほどらで社長日記「農業はコミュニケーションツール」

弊社は基幹事業として農業をしている。

が、ぶっちゃけたところ収益性はよくない。

じゃあやめればいいじゃないかと思うかもしれないが、農業はお金以上にコミュニケーションツールとして非常に優秀なんよ。

例えば、毎年田植えや稲刈り、野菜の収穫など、大きめの農業イベントはみんなでやる。機械化が進んでいるので人手が少なくてもできるのだが、あえてみんなでやることで、参加者の方には非日常感を味わってもらう。そして、採れたものをみんなで一緒に食べる。

生産を体験することで、農作物に込められた思いや手間を少しでも感じてもらうのだ。そうすることで、今までスーパーに陳列されていただけの物質が、一気に瑞々しい存在感を放つようになる。

一緒に農作業をすることで自然に会話をするし、収穫したものを食べることで喜びを分かち合える。同じ釜の飯を食う経験は、オンラインではできない最高のエンタメだ。

もちろん、現地に来れない人だっている。そういう人たちには収穫したものを送ってあげる。うちの場合、お米は一切市場には出していない。すべて自分で売り切っている。

中には毎年買ってくれるお得意様もいらっしゃり、新米の季節を楽しみにしてくれている。お米を通して関係性がずっと維持されているというのもおもしろい話よね。仲のいい人なら僕が自分でご自宅まで届ける「超産地直送便」もやっていて、大好評だ。

作る方からしても、食べてくれる人の顔を想像しながら農作業をするのはめちゃくちゃ楽しいんよね。自分の仕事ひとつひとつがお客様の笑顔体験につながるのなら、単純作業も苦にはならない。

今年もいよいよ米作りが始まる。今年はどんなドラマになるか楽しみやで。

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