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世界は茶番でできている
町議会議員になって約半年弱。ようやくこの社会の仕組みが分かってきた。
そして、この仕組みを変えることの難しさも。
まずはこちらの動画を観てみて欲しい。
ここで語られていることが正に全てだと感じた。この世は壮大な出来レースで成り立っており、それは構造やシステムとして全てに根付いているのだ。
▶壮大な茶番システムの入り口
国会のやり取り、それにまつわる様々なニュース報道を見ていて、『ホントに政治家は腐ってるな……!』と思う人は多いだろう。根回し・賄賂・癒着・天下り……。
これらのシステムは、国会議員という国のトップレベルで大きな金が動くから行われている特殊な世界の状況だと思うかもしれない。
だが、これらは全て足元の地方自治体でも行われていることであり、すぐ目の前にある。そしてそれらは、ある一定の権力内部に入らないと見えてこないものでもある。
たまたま私は、議員になったことでその中に足を一歩踏み入れた。
するとすぐに、町のそれなりの肩書を持った方々から『就任のお祝い』『お歳暮』などの数々が贈られてきたのであるが、驚くことにそれらは「何の通達もないし、その後の説明もない」のである。
なので、「えっ?何これ?」というリアクションになり、その後そのまま放置されたままだ。そして、あちこちの人から「おめでとうございます、議員先生」というような声掛けが行われる。
知らず知らずのうちに、私はその世界へ一歩足を踏み入れていたのだ。
あからさまなこれらの対応の変化に、選挙活動も行わなかった私は全くついていけない。だが、これが実際に『忖度』に繋がってくるのだ。
議員の仕事として地元の様々なセレモニーへの出席が求められ、仕方なく出てみると、他の方は普通に出て来なかったりもして驚いている。完全に形骸化しているというわけだ。
▶なぜ地方議会は炎上するのか?
一番大きい茶番をお知らせしよう。
議員と言えばやはり、『一般質問』が重要だと考えるが、私も現在の町政には一言言ってやりたいことがあったため、早々に一般質問を行った。
その際、まずはリサーチが必要となる。
議会事務局の方から、「勝手に職員へ問い合わせなどをしないでください。議員からの質問は普段の業務の妨げとなる可能性があるため」と釘を刺されたので、それに従うことになった。
ただし、だからといって何かを事前にレクチャーされるわけでも引継ぎが行われるわけでもないので、町のどんな情報が明らかになっているのか?知りたい情報は既に公開されていないか?という点に関しては何も分からず、誰かに事前に聞かざるを得ない。そのため、ある課に対して質問を行うことになった。
担当課長の応対はひどいものだった。「で、一体何が聞きたいんですか?」というような、最初から喧嘩腰の様子で、あからさまに(面倒くさいことを質問してくれるなよ……)という態度が丸わかりであった。(※実際、その後裏でそう愚痴っていたらしい)
こちらは、質問内容がそぐわないものなのかどうかを確かめたかっただけなのだが、「答えるのは町長ですから」「でも答弁を作るのは我々ですから」などと、質問をはぐらかされるような態度だったため、知りたい情報はほとんど得られなかった。
その後、私は一般質問を行う。聞きたかったのは数字の内容だったのだが、結局その内容は答えてもらえなかった。そして、それについても誰からも何も突っ込まれることは無かった。全ては予定調和で終わった。
なので、私はその後に発行される町の広報において、議会からの会誌の内容に質問内容を記載することにした。議会の内容は全て議事録に残される。そのためこのことを町民に知らせられれば、何かが変わるかもしれない、と思ったのだ。
ただ、そのための要約を作り、事務局に送って実際の掲載内容が返ってきた時だった。その中身がかなりマイルドに変更されていたことに気付く。
ここで私は悟ったのだ。
……全ては茶番だったのだと。
つまり、最初から役場という組織ぐるみで、何も起こらないように忖度・工作が行われ、波風が立たないように修正されているのだ。以下の動画や、冒頭で紹介した動画の通りである。
それに伴って、小さな地方自治体であっても、天下りは起きるし、癒着は発生するし、それらのネットワークが役場だけでなく商工会や農協、様々な地域の組織全てに張り巡らされている。もちろん議会もだ。
補助金経済圏全てがこれらにはびこっているのだ。
そんな中、ぽっと出の移住者がシステムを変えられるはずもない。そのことを悟った半年だった。
……だから、これらを変えようと思う者は、ネットを使って炎上させるのだ。もっと広くの世論に訴えるために。
ただ、これが小さな一地方自治体を変えられるかと言うと、正直疑問ではある。地元にいられなくなり、某都知事選候補者のネット言論人のようになるというのも理解できる。
▶農村を変える三つの方法
それでは、こうした状況を変えるにはどうすればいいのか?三パターン考えてみた。以下の三つだ。
組織の一員となり、地道に努力する
首長を変える
補助金を止める
①組織の一員となり、地道に努力する
一番面倒くさく、時間も長くかかるが現実的でもあり、最も効果が高い方法。これができれば組織は確実に変わる可能性が高いが、デメリットとしては『本人の人生が犠牲となる』。
もしくは、悪い方向になると『ミイラ取りがミイラになる』。最初は否定していても、その輪の中に入ると、朱に交われば赤くなってしまうのだ。……某、年金で炎上しているたかまつさんもそうなってしまったのだろう。
大抵こういう大事なことは、ハヤオ氏曰く「めんどくさいし、儲からない」。結果、本人の人生は不遇なものとなるだろう。見返りは少ないし、孤独である。……賢い人がこの道を選ばないのも当然だ。
だが、世代が入れ替わることによって、若干マシになる可能性がある。現状、自然とここに着地していくのかもしれないと考えている。
②首長を変える
多分、一番良さそうなのがこちらだ。まともな首長がトップになり、自治体を変えていく。賢い知事の意見を聞いていると、私と同じことを言っている。
やはり、役場に一番力を持つのは首長、そしてその人事権だ。できれば民間出身の方が望ましい。……が、我が町はここの一手が難しい状態のため、展望がない。
ここも同じく、地域の面倒くさいしがらみが付いて回るため、賢い人はやりたがらない。真っ当に稼いだ方が割がいいのだ。
③補助金を止める
最も非現実的だが、最も効果的と考えるのがこれだ。
結局は、何故このような茶番システムが生き残るのかと言うと、この補助金経済圏が菌根菌ネットワークのように生態系を作っているため、なのである。
そのため、自分で根を張ろうとせず、上から降ってくる人為的な肥料だけを求めた生物だけが、お互いに栄養を融通し合いながら生態系を形作っており、そうでない生物をはじき出そうとする。
いくら個人で尖った人物がこのネットワークに入り込んだとしても、その毒々しい棘はナーフ(弱体化)されてしまうのだ。
これらは全て、その地元の人たちが悪い人だからではない。むしろ逆のいい人たちだ。いい人だから故に、誰かを傷つけるような言説は丸くされ、仕事ができない人もかばい、誰かが間違った道へ進んでいたとしても、それを嫌われてまで正そうとはしない。
悪い人は誰もいない、そして誰も責任を取らず、取らせない優しい世界の出来上がりだ。
おお、この壮大な茶番フラクタルシステムよ……!
某TV局のように、この生態系がいつか破壊される日が来るのだろうか。