あいつを好きだから死にたい
それは所謂、私の「初恋」と呼ばれるものだったのだけれども、今日現在まで私の心を支配する感情は深い悲しみと、消えてなくなりたいという絶望だった。それらを総括して表すのであれば、「死にたい」に他ならない。
「切ない」じゃない、「死にたい」だ。そんなこと、どの恋愛小説にも流行りの恋の歌にも無かった。
好きになりたくなかった。友達としてそばにいたかった。だって、お前にとって私は数少ない友人だろう。私にとってお前は大事な友人だろう。ふざけるなよ、ちくしょう。
2020年7月、約3年ぶりに再会したその日に、あいつをずっと好きだったのだと気付いてしまった。
私たちが出会った高校1年生の時からずっと。
6年もの間を私が気付かないまま、ずっと好きだった。