【林武】油彩画 査定 鑑定 買取 致します
林 武
キャンバスに油彩
◎林 武の芸術
林武(1896年-1975年)は、昭和を代表する日本の洋画家の一人であり、その力強い色彩と厚塗りの技法で知られています。彼の作品は、裸婦像や花、富士山などをテーマにしたものが多く、特に「赤富士」や「薔薇」の連作は非常に有名です。林武はその生涯を通じて、自らの絵画スタイルを模索し続け、フォーヴィスムやセザンヌ、キュビスムの影響を受けながらも、独自の表現を確立しました。
林は東京で生まれ、若い頃から画家を志して日本美術学校に入学しましたが、すぐに退学します。その後、1921年に二科展に出品した作品で樗牛賞を受賞し、画家としての道を歩み始めます。彼は1929年に「独立美術協会」の設立に参加し、その後はこの協会を中心に活動を展開しました。
1934年にはヨーロッパに渡り、フランスのパリを拠点にして各地を訪れ、マティスやドランといったフォーヴィスムの画家たちから影響を受けました。この滞欧期間中、彼は多くの風景画や裸婦像を制作し、帰国後の作風に大きな影響を与えました。特に1930年代後半から40年代にかけては、「裸婦」や「梳る女」などの作品で強い存在感を示し、次第にその名を広めていきました。
戦後は、彼の作風にさらに原色が多く使われるようになり、花や風景を題材にした作品が増えます。薔薇や富士山をモチーフにした連作は、彼の晩年の代表作であり、特に「赤富士」は鮮烈な色彩と大胆な筆致で描かれ、日本の美術界において重要な作品として高く評価されています。また、1952年には東京芸術大学の教授に就任し、後進の指導にも力を注ぎました。
林武の作品は、日本全国の美術館に所蔵されており、東京国立近代美術館や姫路市立美術館などで見ることができます。彼の作品は、そのダイナミックな色彩と厚みのある筆致により、見る者に強い印象を与え続けています。
1975年に肝臓癌のため79歳で亡くなるまで、林武は絵画を描き続けました。最晩年の作品である「薔薇」は、彼の最後の筆致として知られています。彼の独自の色彩感覚と表現力は、今でも多くの人々に感銘を与え続けています。
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