【児島善三郎】 油彩画 査定 鑑定 買取 致します
児島 善三郎
キャンバスに油彩
◎ 児島善三郎の芸術
児島善三郎（1893–1962）は、日本洋画の独自性を追求した画家であり、福岡県出身です。彼は初めて油絵を学んだ後、フランスへ留学し、アンドレ・ドランらの影響でフォーヴィスム（野獣派）に触れ、力強い色彩と立体感を得意としました。その後、児島はフランスの技法を日本的感性と融合させた作品で評価を得、1930年には「独立美術協会」を結成し、日本独自の洋画スタイルを築くことに力を注ぎました。
彼の作品は、初期の写実的な風景画から始まり、次第に日本の伝統的な装飾性や大胆なデフォルメを取り入れた独自のスタイルへと進化しました。「日本的油絵」とも呼ばれるこのスタイルは、洋画の遠近法と立体感を基盤にしつつ、日本画の平面的な表現や装飾性を融合させ、物体を水墨画のように簡潔に描く表現を特徴としています。この技法は戦後さらに深まり、児島は戦争を避けた作品群に希望や生命力を表現しました。
また、児島は晩年、自然や身近な風景を取り上げた静物画に力を入れました。体調の悪化により写生旅行が難しくなった彼は、自宅で栽培した花々を描くなど日常に根ざした作品制作に集中しました。これらの作品は平面と立体の構成が独特で、テーブルや背景の単色使いで物体を強調するスタイルは一つの完成形として評価されています。
児島善三郎の作品には、西洋と日本の美術を融合したアプローチと、情感あふれる色彩が宿り、彼が生涯をかけて求めた「日本の油彩画」の完成に近づいていることを感じさせます。彼の絵画は現在も国内外で展示され、観る者に深い印象を残す存在となっています。
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