【澁澤卿】日本画 / 紙本・彩色 査定 鑑定 買取 致します
澁澤 卿
紙本・彩色
◎澁澤卿の芸術
澁澤卿（1949-2012）は、日本の風景を描く日本画家であり、同時に日蓮宗の僧侶としての経験を持つという異色の経歴を持っています。彼は東京芸術大学でデザインを学び、卒業後に高島屋でデザイナーとして勤務しましたが、1977年に出家し僧侶として修行生活に入りました。その後、1981年に再び絵画の世界に戻り、主に具象絵画に転向し、特に四季の風景や自然の美しさを繊細なタッチで描写するようになりました。
澁澤の作品は、僧侶としての精神性や自然観が反映されたものであり、「描く坊主」としても知られています。彼の絵画は、静謐で優しい雰囲気を持ち、観る者に安らぎを与えるような画風が特徴です。彼はまた、宗教的なテーマを取り入れ、仏教的な教えや世界観を背景にした作品を数多く制作しました。中でも「久遠春光」という大作は、日蓮宗の総本山である身延山久遠寺に収蔵され、宗教と芸術の融合を象徴しています。
彼の活動は日本国内にとどまらず、1990年代にはドイツやアイルランド、日本での現代屏風絵展にも参加し、国際的な評価も高まりました。また、2001年には日中国交正常化30周年を記念した展覧会が中国・上海美術館で開催され、そこで「浄界盛麗」などの作品が展示されました。2007年には中国政府から和平発展貢献賞も受賞し、その芸術は国境を越えて多くの人々に影響を与えました。
彼の作品は、全国の百貨店や美術館で数多く展示され、個展も数多く開催されています。特に、増上寺の天井画など、大規模な宗教施設に描かれた作品も多く、その独特の宗教観と美的感覚が高く評価されています。また、晩年には多くの個展や作品展が開催され、彼の芸術的活動は日本画の世界で大きな影響を与え続けました。
澁澤卿の絵画は、宗教的な精神性と四季折々の自然を融合させ、観る者に心の平穏をもたらすものであり、彼の画業は多くの人々に感銘を与え続けています。
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