【小野竹喬】 紙本・彩色 査定 鑑定 買取 致します
小野 竹喬
紙本・彩色
◎ 小野竹喬の芸術
小野竹喬（おの ちっきょう、1889年-1979年）は、近現代日本画を代表する日本画家です。彼は岡山県笠岡市に生まれ、14歳で京都に出て竹内栖鳳に師事しました。竹喬は西洋画の写実表現を取り入れつつも、日本画の伝統技法を活かした独自の画風を確立しました。
竹喬の作品は、自然の美しさを象徴的かつ装飾的に描くことが特徴です。彼は身近な自然や風景を題材にし、その細部にわたる観察と描写力が評価されています。特に夕焼けの空を背景とした樹木の姿や、瀬戸内海の風景を描いた作品が多く、「茜空の画家」としても知られています。
1918年には土田麦僊らと共に国画創作協会を設立し、新しい日本画の創造に挑戦しました。1921年からのヨーロッパ旅行を経て、東洋絵画の線描と淡彩による表現を再認識し、以後の作品に反映させました。竹喬の画風は1939年頃から変化し、色の面を強調した表現へと移行しました。この時期の代表作には『奥の細道句抄絵』があります。
竹喬は戦後も京都市立芸術大学で教鞭を執り、1976年には文化勲章を受章しました。彼の作品は、笠岡市立竹喬美術館や京都国立近代美術館などで展示されています。代表作には『波切村』や『樹間の茜』があり、これらの作品は国の重要文化財にも指定されています。
竹喬の作品はその独自の美しさと温かみが評価され、多くの人々に愛されています。彼の言葉「虚心になると自然は近づいてくる」は、自然との素直な対話を大切にした彼の制作姿勢を象徴しています。
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