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小説「メジャー・インフラトン」の描き始め(第1部作です。)その9

(※写真はパラオ・アンガウル島・最大の激戦地オレンジビーチです。)

こんにちは、あおっちです。
少し気温が下がってきましたが、まだまだ道産子には暑い9月
皆様いかがお過ごしでしょうか。
#宇宙SF 」募集で先週作った「その8」が最高のスキ数を頂いたみたいで、本当にありがとうございました。
でも12個なんですけどぉ…。
とにかく皆様のお陰です。ありがとうございました。

「メジャー・インフラトン」のイメージです。

「メジャー・インフラトン」のスピンオフシリーズ構成の詳細。
(その⑦)

「情報特務科 内方はじめ」

「情報特務科 内方はじめ」のイメージです。

「情報特務科 内方はじめ」は「メジャー・インフラトン」に出て来る西側軍事同盟組織「SIRUS」(シラス加盟国軍)通称:シーラスの諜報活動を主に行う部隊なのです。
※しらす(古事記の知らす國の記述から使いました。)

この内方君。生まれも育ちも滋賀県民。
両親が自衛隊員で高校卒業後、自衛隊に入隊。
「SIRUS」設立と共に、2036年に出来た日本の新しい軍隊「日本国軍」へ自衛隊から編入して晴れてリーダーとなったのです。

自衛隊時代は、もちろん大活躍。あおっちシリーズの
「デラックス「5」ガイズ」の若い頃の椎葉繁ローマンたちと共闘した事も。
彼らの推薦もあってOP(オリジナル・ペンタゴン)の会員となります。

主な活動は外国部内国部(日本国内)に別れ、国際問題、シラス加盟国軍に不利益をもたらす事象や案件の諜報活動要人保護、まれに大規模戦争を引き起こすウォー・トリガー(戦争への誘導)の役もするのです。少し怖い話も構想中。
まぁ、本編「メジャー・インフラトン」には情報工作でチョロチョロとチームごと出て来ます。

「情報特務科 内方はじめ」のイメージです。

「情報特務科 内方はじめ」は、あおっちが一番執筆が進んでいない小説。
基本的にあおっちの小説は時代も、環境も、あっちこっちに飛ぶのに定評がありますが、内方さんが至る所にご出演するのです。最終的には2062年には情報特務科も独立した組織になり、そこの司令長官職で幕を引く予定なのですが、そこまでのプロセスがぐっちゃらぐっちゃらして混乱中。
まぁ、あおっちとしては何時のも事ですがぁ。基本的にスパイ物と言うより、ミリタリーアクション寄りのスパイ活劇風になるかな?良く解らんと、言う感じです。あんまり賢くないので、スッキリ爽快系にします。

「情報特務科 内方はじめ」のイメージです。

第1部作構想 要人保護】
自衛隊岩国基地に勤務していた内方はじめは、突然上司からの命令で香港に飛ぶことになる。
夜、手引する老婆に変装した女性(自衛隊特機科の青山3等陸尉で医官、のちの情報特務科のリーダーの1人)と一緒に待ち合わせとなる沖合に行くと、そこはジャンク船の船底に接続されていた巨大潜水艦だった。

日本国海軍がシーラスと共に秘密裏に建造した高出力核融合潜水艦の(伊‐450潜・甲型)だった。

その会議室。

見たことも無い立体モニターやシンプルな構造の電子機器が並んでいた。
内方はじめは3人の男と会う事となった。
その3人とは、椎葉繁、郭志明(クォヂーミン)・王泰平(ワンタイピン、のちの女真帝國将軍)だった。
そして、事情を聴いて愕然としたのだ。
なんと、中国の人民解放軍の北部戦区が今後クーデターを起こすと言うのだ。
流暢な日本語で話す王泰平の訴えを聞く内方はじめだった。

そこで、首謀者の王大校(大将クラス)が現在、別の罪で北京市内の軍収容所で収監されているため、この3人の男と、先程老婆に変装していた青山と言う女性と5人で、北京市に潜入し救出をするとの事だった……。

と、いう感じで執筆を始めている所です。

「情報特務科 内方はじめ」のイメージです。

内方はじめさんの本編「メジャー・インフラトン」での初登場は、第3部作の序章3/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 FIRE!FIRE!FIRE!撃て!撃て!撃て! No2.」の「第7章 第3次世界大戦前夜?」
です。
主人公の椎葉きよしの少年時代に起きたAXIS(中華帝国連邦)の対馬侵攻時に、裏方さんで対馬日本国軍・自衛隊共同本部の方たちを助けるのです。

暇があれば、Nolaノベルかアルファポリスに第6部作まで掲載していますので、のぞいて見てね!😊
検索は、「SF」の「一般」か「ロボット」で直ぐ検索できますよ。👌

「メジャー・インフラトン」のイメージです。

第1部作テキスト、「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)

ーー 「 第4章 復員船 ゆきかぜ 」までのあらすじ ーー 

テキサス州・ヒューストン港の復員船ゆきかぜに乗船した御舩ヒロシたち。
いよいよ故郷の日本に帰る事が出来るのだ。
出発前に、日本は既に焼野原になっていると、気になる事を元戦場ドクターの責任者から聞いたヒロシは気持ちが重くなっていた。
しかし、そこは気さくな戦友たち。
バカ話や将来の展望など明るい話をしている内に気持ちも軽くなるヒロシだった。

そして復員船ゆきかぜが出航した。
そこに、ヒロシの担当医師のジェーン・ゴールドウィン軍医が、ヒューストン港へ、ヒロシを連れ戻すために来たのだ。
しかし、すでに遅し。
船は埠頭を離れ、港を離れてしまったのだ。

船の甲板でヒロシを見つけるが既に遅し。
泣き崩れるジェーン・ゴールドウィン女医。
そんな女医の後ろから、銃を持った男たちが車から降りて来たのだ。
ジェーンは助かるのか!早く逃げろジェーン。

「第5章 歴史の渦。」

■ ヒューストン港から外洋に出始めた復員船の「ゆきかぜ」。
 少し、外洋の強い風が甲板を撫で始めた。

「えー北はこっち。だから西はぁー?こっちか。こっちが日本かぁ。」

 ボロボロの軍服を着た御舩ヒロシが長椅子に座り、日本がある方向、
西の青空を仰いでいた。

 カモメが一羽、風を受け御舩の真上を復員船と同じ速度で飛んでいる。

 周りでは、帰国する兵隊たちが思い思いの話をしていた。

 泣く者もあり、お互い肩を叩いて笑う者もいる。

 目を細め心地よい洋上の風にあたる御舩。

 銃で撃たれ無数の穴が空いたボロボロの胸ポケットから、米軍配給の両切りのタバコを出し、吸口を舌を出して固めた。
 マッチを擦り、消えない様に手で風を塞ぎながら火を着ける。


( ス~ッ……。 ふう~っ。 )


 タバコの煙が、サッを流れる。

 その復員兵達を乗せた復員船「ゆきかぜ」は、青い空と蒼い水平線の彼方へ白い波を立てて、進んで行った。

 その青空の遥か上空。

 そして、更に上の星が降り注ぐ、衛星軌道。

 広がる真空の、宇宙の大海原。

 この時代ではあり得ないテクノロジー。
 異星人の衛星「ARTS」が復員船の追跡を始めていた。

 その衛星ARTSのかたわらに光る、六角形の紋章。

 その左上、平行一本辺の線が書かれた六角形の紋章マーク。

 鏡面の紋章に映り込む青い地球。

           ◇    ◇

 宇宙からその地球を見ると、新聞の句読点の点ほどもない小さな、小さな島があった。

 宇宙の隅々に轟く、伝説の話が産まれた地。

 その島の名はアンガウル。

 西太平洋ミクロネシアの蒼い海に囲まれた、その小さな、小さな島国パラオの島々のひとつ。後世に語り継がれる地球と、地球から遥か遠く離れた星々の命運を左右する、神の子が産まれる地なのだ。

 神々が創った島アンガウル。
 青い空は果てしなく続き、海岸線の岩壁は緑溢れる南国の木々を守っていた。砂浜は緩やかに続く。

 限りなく透明な水は、遊びに来るオレンジやブルーの鮮やかな宝石のように着飾る魚達を引き立てた。

 御舩たちが復員する2年前。

 アンガウル。
 そこはまだ……彼らの戦場だった。

■ 西暦1944年(昭和19年)9月6日早朝。日本の終戦の11か月前。

 また、波打ち際に1尾の着飾った宝石が訪問した。

 その可愛らしい唇の先には、脚絆をまいた軍靴が透明な水に、その靴を濡らしていた。

 歳の若い軍靴の持ち主は、双眼鏡で空を見ている。
 覗いた双眼鏡にはこちらに向かう編隊を組む爆撃機の群れが映っていた。双眼鏡を覗いたまま、若い士官は大声で叫んだ。

「総員に!でん、たーつ!敵機来襲ーっ!敵戦闘機および爆撃機の編隊多数ーっ!」

 双眼鏡を覗く士官の横にいた中年の兵隊が、自分が居る浜辺から後ろの森に向かい海辺を走りはじめた。

 作業をしている兵士達に向かって大声で叫んだ。 
「敵機来襲!敵機来襲!敵戦闘機および爆撃機の編隊多数!敵機来襲!早く木陰に散れー、早よ~散れーっ!敵襲来襲ー!走れーっ!早よっ逃げっぺ!」 
 大勢の兵士達が塹壕掘りを止め、スコップや38式歩兵銃などの装備品を持って南国の林の中へ一斉に逃げた。


 空が次第に騒がしくなる。


 アンガウルの西海岸は、日本兵の避難行動で騒然と化した。
 大急ぎで退避する日本兵たち。

 そして、その西海岸の反対側、東海岸の低空から進入する1機のF6Fヘルキャットが忍び込んだ。

 単機、1番乗りで突入して来たのだ。

 パイナップル林の木漏れ日の上、スレスレを獲物を探すように左右に機体を傾ける。
 そして、パイロットは天然の林と明らかに違う、人工の見張り塔を発見した。

( ブロロロロッー!グワーン! )

  ヘルキャットは大きく旋回して、見張り塔と一直線に並んだ。
 そして両翼から減速フラップを降ろし、速度を緩めた。
 見張り台に照準を合わせ5インチ・ロケット砲を全弾発射した。

( シュッ!シュッ!シュッ! )

( シュッ!シュッ!シュッ! )

 一直線にむかうロケット弾の数々。

(( ズズッ!ズガーン! ))

(( ドカーンドカーン!ドバーン、ゴゴゴゴーッ! ))

 木で出来た島の南端の見張り塔は、ロケットの一斉発射で、見張り兵士もろとも吹き飛んだ。

「ヒーハーッ!アーハハハッ!ザマー黄色いサルめー。アハハハッー!」

 白い歯を出しながらガムを噛み、F6Fヘルキャットの若いパイロットは中指を立てた。
 初戦の功績に歓喜したのだ。

 そのまま緩く左旋回し、西海岸沿いに進む。

( ブロロロロッー! )

 林を抜け海岸沿いに出ると、すぐ前方に蜘蛛の子を散らす様に浜辺から逃げる日本兵が見えて来た。

「確実に生贄を!人柱になれジャップ!はははっ!砂浜の赤い砂にしてあげるぜ!ヒーハー!」

 浜辺に逃げる集団と別に、1人、波打際を走る日本軍士官。

「皆~っ!早よー行けぇ~!林で伏せろ!っよーし!こっちゃ来い!アメ公!こっちに来い!」

 双眼鏡を持った若い士官は北の林に逃げる兵士を逃す為、あえておとりになり、波打ち際を白い波をたてて走っていたのだ。

「カカカッ!見つけたぜ!ジャップ!カカカッ!」

 速度を落とす為、減速フラップを再び下げるF6Fヘルキャット。
 次第に減速し、機体を安定する。

「怯えろ!怯えろー!●チガイ黄色いサルどもめ!ジャップ!ソロモンで、俺様のマザーシップを沈めたお返しだ!」

 双眼鏡を持って走る日本軍の士官。

 米軍のパイロットは、安全カバーを親指で跳ね上げ、早めに引き金を引いた。士官が走る後方から12.7㍉6門で撃ち始めたのだ。

「くたばりやがれ!ジャップッ!」

( バババババッ!バババババッ! )

 士官の後ろから複数の砂柱が迫る。

(( ザザザザザザザザザザザザザザッ! ))

 背丈以上の砂柱が、走る士官の体を通過した。

 一瞬にしてスイカが破裂したように真っ赤な液体や物体を、バラバラに飛び散らせた。

 白い浜辺が真っ赤に染まる。

 そして、持ち主を失った双眼鏡が赤い血に染まる浅瀬へ飛び落ちた。

 血塗られた双眼鏡のレンズには、上昇するヘルキャットを写していた。
 スロットルを開けて、急上昇するF6Fヘルキャット。

「カカカッ!黄色い猿め!思い知ったか。はははっ!黄色いお前達も俺達白人と同じ赤い血がある事、NYタイムズに投稿してやるぜ!アーハハハッ!」

 上昇するヘルキャットの中で白い歯を出して大笑いするF6Fヘルキャットのパイロットだった。

 この時点で日本はかつて、第1次世界大戦後、国連から委任統治していた全ての太平洋領域の制空権は、完全に米軍に奪われていた。そして、日本本土も既にB-29の高高度からの攻撃に、なすすべを失っていた。

 国土の制空権さえも失いつつある日本だった。

 東京大空襲、大阪大空襲など一般市民を目標にした大量虐殺。

 米軍が燃えやすい日本家屋を想定し、何度も実験し用意周到に準備したナパーム弾による首都圏爆撃。

 戦時国際法のハーグ陸戦条約違反の民間人をターゲットにした大量虐殺だった。

 それは日本本土の焦土化計画だったのだ。

 あえて大都会の一般市民を標的にした無差別大量殺戮作戦が次々になされたのだ。B-29の焼夷弾爆撃はのちに原子力爆弾で被害のあった広島、長崎よりも遥かに被害が大きかった。

 100万人以上の日本の一般市民たちが、米軍の無差別攻撃で幼子から老人まで、兵士達の妻や子、そして年老いた親達が、

 生きたまま焼かれたのだ。

 生きたまま殺されたのだ。

 そして、今、零戦が居ない空。
 零戦が届かない空。
 零戦が追い付けない高性能重爆撃機。

 空の脅威がない自由の空は、もはや彼ら、米軍の空だった。
 もう面倒な、零戦1機に対して米軍の友軍3機のタッグで組む必要がない。各1機が思う存分日本軍を叩くことができた。

 そして、そのアンガウル上空。

 単独行動をしたF6Fヘルキャット。
 その遥か後方にSBDドーントレス爆撃機の大群が空を覆い始めた。
 アンガウル島にドーントレス爆撃機の大群が迫って来たのだ。


 青い透明な海に浮かぶ小さな島を取り囲む米機動艦隊の「第58任務部隊アンガウル攻撃群」。 

 戦艦、巡洋艦、駆逐艦が艦隊を組んで空母を護衛している。護衛された空母から次々に発艦し飛び上がるSBDドーントレス爆撃機。

 神々が創ったアンガウル島は、次々に黒い煙の束を上げた。

本日もお読みいただきありがとうございました。
一粒万倍日には間に合いませんでした。あはは。
それでは、また来週逢いましょう。

あおっち


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