見出し画像

小説「メジャー・インフラトン」の描き始め(第1部作です。)その7

こんにちは。あおっちです。
残暑、いかがお過ごしでしょうか。
また、沢山のフォロースキを頂いて、ありがとうございました。
週に一回のペースで頑張ってアップしていけたらいいなぁと、
思っています。

「メジャー・インフラトン」のイメージです。

「メジャー・インフラトン」のスピンオフシリーズ構成の詳細。
(その⑤)

「ムーンラビット大作戦・シルシルを救え」

「ムーラビット大作戦」のイメージです。

「ムーンラビット大作戦」は、「メジャー・インフラトン」の主人公、椎葉きよしの恋人、シルビアリーム・マゾフシェ・シーラス・マズルを月面から救出する物語です。

ワルシャワ大学を卒業した2人。
椎葉きよしは(株)関西国際医療のポーランド支社へ入社。
シルビアは17歳、ポーランド宇宙軍に入隊しました。

それから2年後、PKSF月面基地(通称・陽の当たる基地)の護衛でシルビアが指揮するポーランド宇宙軍の2小隊が向かいましたが、総勢20人を乗せた大型シャトル・オービターが故障により国際中立地帯(AXISと西側)に軟着陸したのです。
様々な危機を迎える20名の兵士たち。

きよしが新格闘道場の師匠、航空宙空自衛隊の杉山の力を借り、用意してもらった巨大警備ロボットのHARMORで救出に向かうのです。

その巨大警備用ロボットは、遥か昔、椎葉きよしが10代の時、対馬防衛戦の初動で戦った懐かしい36式汎用有人搭乗・人型装甲機動攻撃機の甲型。
愛称はキャプテンパンダだったのです。

中立地帯をいいことに、AXISの巨大ロボHARMORが襲ってくるのです。
非力な兵器しかもっていないシルビアの2小隊。
相手は巨大ロボットの大群。
多勢に無勢。
遂に、小隊は危機を向かえる事となったのです。

その時、逃げるシルビアたちの前にそびえたつ巨大ロボのキャプテン・パンダ。
椎葉きよしが間一髪、救出に間に合ったのです。

敵のロボットHARMORをバッタバッタと倒し、シルビアたちは難を逃れる事が出来たのです。

小隊の兵士たちを救助する杉山機長。
そして、最後のシルビアを救出。
きよしは大破したキャプテンパンダを放棄してシルビアと共に月衛星空間に浮かぶ杉山のシャトル・オービターに向かうのです。

しかし、遂に隊長のシルビアの酸素ボンベ残量が無くなるのでした。
きよしは、シルビアに自分の酸素を与えたため、酸素が無くなり窒息状態へ。
結果、きよし本人は脳に損傷を受ける重度の酸欠症になったのです。

きよしは意識が無いまま救助され北海道栗山町で、苫小牧・千歳防衛戦以来のきよしの治療が再び始まるのです。

シルビアの懸命な看護。
やがて、看護の甲斐があって復活する椎葉きよし。

もう、結婚を観念する椎葉きよしだった。
遂に2人は、北海道神宮で挙式をするのです。

で、オワーリです。

第1部作テキスト、「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)

ーー 第2章 後編のあらすじ ーー 
女性ドクターのジェーンが、収容所視察で会ったマイケル・マズル軍医から聞いたヒロシ・ミフネの無敵兵士の戦いぶりを、ボイス大佐に得意になって報告していた。
銃殺されたはずのヒロシ・ミフネが生き返り、弾薬庫を爆破する爆破事件などをボイス大佐に話していた。
その時、ボイス大佐は用意していたピストルをジェーンに向けて来たのだった。
恐怖のあまりに固まって立ち尽くすジェーン。

「第3章 発見、ゼロ・スターター。」

決して広いとは言えない、重厚な机の正面空間だった。

 2人の女性が、立っている。

 腕をまっすぐ伸ばして、白衣の女性に銃を向ける軍制服のスカート姿の女。

 長い脚を広げて立っている。

 白衣の女性は驚いた表情で、両手を前に広げて小刻みに振った。

「 あ、あっ!大佐、どうして。 」

 銃を向けられている白衣の女性はジェーン・ゴールドウィン医師だった。
 逆に銃を向けている女は、ここテキサス捕虜収容所の責任者のWAC(Women's Army Corps )のボイス大佐だったのだ。

 ボイス大佐は、身軽に白衣のジェーンの後ろに回り込み、軍医の口を右手で押さえた。

( ん、ん~! )

 45口径銀メッキの記念ガバメントの銃口をグッグッと左脇に突きつけた。
 ジェーンは、目を大きくして突き付けられた銃を見てから、両手を上に挙げて目をつむった。

 ( ん~っ! )

 ブラインドーが閉じているか、窓の外に人が居ないか、身体をよじって確認するボイス大佐だった。

「……ミフネの事。ロス軍医以外、誰かに話したか?」

 低い声で耳元にささやいた。

「んっんっんっ~。」

 と、両手を開き、NO NO NO!と首を小刻みに振るジェーン。

「他言は無用。解るわね。この先、これからもだ。お前の母親が作る祖国ポーランドのピエロギを、これからもずっと食べたいだろう。」

「んっ!んっ!」

 と、首を縦に振るジェーン。
 口から手を離すボイス大佐。

( ドンッ! )

 と、床に尻餅を着くジェーンだった。

 ボイス大佐は銃を向けたまま、ジェーンを睨み、ゆっくり椅子に座った。
 銃を向けたまま電話の受話器を、顔と肩に挟んで電話を始めた。

「♪トルル、トルル、トルル。私だ。マズル軍医は何処だ。……わかった。お前の所に呼べ。このまま待つ。」

 銃を構えたまま、電話の受話器を机の上にゆっくり置いた。

( コトッ。 )

 ボイス大佐は、持った銃で、机の前の事務イスに座れ。と指図をした。

 突然、豹変した大佐の態度と、向けられた銃でパニックになり、震えが止まらないジェーン。

( ガタガタガタガタ。 )

 イスに座るだけでも必死だった。
 顔を横に向け、銃口を恐る恐る見つめるジェーンだった。

 オーストリアの研究所で勤務中、研究所がナチスに占拠された時、また収容所に送られる時から何度もナチスから銃を向けらる事に慣れてしまっていたハズではあるが、まさか自国で身内の軍人から銃を向けられるとは。
 別の恐怖を感じたのだ。

( ……大佐!大佐、ボイス大佐! )

 受話器から下士官の、どうやらMPらしい男性の声が聞こえてきた。
 机の上の受話器をとり、軍医を睨みながら電話であえて、暗号を暗唱するようにゆっくり話す大佐。

「メアリー・ボイスだ。どうやら・マイケル君は・話・好きらしい。(イエッサー)」

 大佐は顎で受話器を取れとジェーンに受話器を差し出した。
 軍医は椅子ごと床の上を、机の方にガタンガタンと体を近づけ、震える手で嗚咽を抑えながら受話器を受け取り耳に当てる。
 そして、受話器から漏れる銃声の音。

( パンパンッ、パンッ!カラン、カラン。……ドサッ。 )

 いきなり発砲音と薬莢が床で跳ねる音、ドサッと人が倒れる音も聞こえた。
 ジェーンは目をカッと見開いた。

「ウッ!NO NO NO~ッ!」

 と、驚き受話器をパッと離し、イスから転げ落ちた。

 落ち着いて冷たい目線のボイス大佐。女軍医を冷ややかに、ドヤ顔で見下している。

 大佐は銃を机の上に置き、腰が抜けてしまったジェーンに対し構わず立ち上がり、叫ぶ様に大声で話した。

「他言無用。意味は解るな!」

 嗚咽しながら口と胸を押さえ、うなずくジェーン。

「軍医!彼は、そのヒロシ・ミフネは?収容所にいるのか?」

 大佐は、床で膝を抱いて体育座りのまま、震えて泣いているジェーンの横に歩いて行く。
 床に響く大佐のハイヒールの音。

( コツ、コツ、コツ。 )

 スカートの裾を、膝裏に織り込んでしゃがむボイス大佐。
 耳元で囁くようにジェーンに話かけた。

「さあ、ミフネを呼んでらっしゃい。ジェーン・ゴールドウィン軍医殿。」

「さ、先っ、あっ、朝一番、日本行きの復員船、ミッ、ミフネは港に!」

「ノー!いかん!連れ戻せ!私もペンタゴンに連絡する。」

「ペンタゴンッ 。」

 聴き慣れない言葉を思わず復唱したジェーン。立ち上がった大佐を恐怖のまま目で追いかけた。
 大佐は机の上の銃を取り、床に座るジェーンの所で横に、再び一緒にしゃがんだ。
 そして、再び銃口をジェーンのアゴに、ピタッと付けた。
 銃の上から、ヌっと顔を近づけるボイス大佐。

「よく聞いて。死にたくなければ、私も、あなたも。OK?あなたが港に向かいなさい。いい事。必ず連れ帰るのよ!もう一度言うわ。」

 ゴクッとツバを飲むジェーン。
 銃を向けたまま、ゆっくり立ち上がるボイス大佐。

「何があっても、必ず連れ帰るのよ!解った?」

( イエッマムッ! )

 ジェーンは、ミフネが戦争とはいえ、戦争犯罪人で200人以上殺害したから極刑。その兵士を逃した大佐、そして私も犯罪幇助はんざいほうじょ(手助け)で死刑になる。と、勝手に勘違いをした。

 とっさに、ジェーンは立ち上がり部屋を飛び出した。

( ガッチャ!タタタッ! )

 大佐はガラス壁のブラインドの隙間から部屋の通路を走り去るジェーンを確認してから、机から垂れ下がる受話器を持ち直した。

 椅子に座り直し銃を引き出しに仕舞った。

 カチャ、チンッっと、一度電話を切り、受話器を持ったままダイヤルを回してかけ直した。【お華の補足】

「ボイスです、准将閣下。え~、えっ。解りました。ハイ、彼女は港に向かいました。車を手配します。えっ?ウシハクル(敵の異星人)の通信波をピーター(味方の人工知能)がキャッチしたと。」

 立ち上がり、天井を見るボイス大佐。

 この収容所はまだ、敵星からの遮蔽シールドをしていなかった。
 それを悔やむボイス大佐姿の異星人だった。

「ウカツでした。えっ?閣下?ハイ。ハイ。えっ!マジっ?良かった。本当ですか?やはり彼がゼロ・スターターで間違いないと、確定したんですね。本国、宮内庁のARTS(Attack Response and Tracking Satellite:ネイジェア星域帝国の攻撃型迎撃追跡衛星)がミフネを登録、保護監視を開始したのぉ。やったー!よかったぁマイケルッ!あっごめんなさい准将閣下。でも、ウシハクルの手回しの早い……ハイ、ハイッ、成る程。ARTSがウシハクルの遮蔽監視衛星を撃破……成る程、ここで彼を保護するより日本に戻した方が良いのですね。あ~、日本上空には、監視衛星ジンムが。あ~成る程。彼女を、ジェーン・ゴールドウィン軍医をミフネ保護に向かわせてしまいましたが……。ハイ、すぐに手配いたします。成る程、あ~復員船の「ゆきかぜ」を30分早くに。はい、解りました。では閣下が復員船にご連絡を。えー。はい。イエッサー!」

( チンッ! )

 電話を切ってから、深く椅子に座り、両手の握りこぶしを作ったまま目を閉じて喜ぶボイス大佐。
 そして、歓喜の声を上げた。

 ( よし!やったー! )

 天の川銀河の異星人たちが、長年血眼にして探していた天然ジャンプ血清のゼロスターター、(御舩ヒロシ)をようやく発見し、確定したのだ。
 それも自分の皇国国家がいち早く保護したのだ。
 歓喜の声を思わず出してしまった異星人の彼女だった。

 その声が士官室から聞こえて来て、一瞬タイピングを止めるオペレーターの女性たち。
 お互いの顔を見合って、はにかんでからまた、タイピングを始めた。

 大きな声を出した自分にビックリして、手で口を塞いだ。
 大きな目をキョロキョロするボイス大佐。
 焦ってブラインドを指で少し開いてタイピングルームをそ~っと覗くと、普段通りにタイピングする女性達がガラスの向こうに映っていた。

( ん?ん~?……よし! )

 何事も無かったようだ。
 深呼吸をしてニッコリ笑顔になるボイス大佐。
 気を取り直して長く上品に伸びた中指でチンっと電話を切り、すぐに受話器を手に持ったまま電話をかけ直した。

「ゴホンッ!」

 咳ばらいをして、背筋を伸ばしから渋い声で話始める。

「私だ。至急、頼みたい事がある。車を収容所、寄宿舎の正面に回して欲しい。」

 椅子に深く座り、腕組をしてから湧き上がる喜びで思わず笑いになるボイス大佐へ化けた、異星人だった。

(( バタンッ! ))

 収容所の職員が住む寄宿舎のドアから若い女性が飛び出して来た。

( やばい、やばい~!やばい、やばい~! )

 陸軍制式のベレー制帽と制服スカート姿の女性が大急ぎで出て来たのだ。

( やばい、やばい~!やばい、やばい~! )

 軍制服に着替えたジェーンは、地図を持ちながらボイス大佐が用意した空軍のシボレーの後部座席に飛び込んだ。
 無造作に車のドアを閉めるジェーン。

( バンッ! )

「ジェーン・ゴールドウィン博士ですね。ボイス大佐からお聞きしています。ドク?決まりですので確認を。」

 MPがジェーンの身元を確認する。
 ジェーンは胸のIDを見せると同時に、ドライバーのMPに震える手で地図に指さしながら行き場所を大急ぎで伝えた。

「ジェーン・ゴールドウィンです。ヒューストン港まで、お願い!急いで!」

「イエッマムッ!」

( ブッブッ、ブ~ン。 ザザーッ! )

 砂利を飛ばして車は、急発進した。
 テキサスのだだっ広い草原を走り始める軍の黒いシボレー。
 何処までも続く一直線の道を飛ばして行く。
 黒いシボレーは、草原に咲く黄色一色のお花畑の路を、埃を上げながら走って行った。

さぁ、ジェーンはヒロシ・ミフネを確保する事が出来るのか!
次回、「第4章 復員船 ゆきかぜ」こうご期待。

皆様、読んでいただきありがとうございました。
実際には現在「メジャー・インフラトン」は第6部作の第6章を執筆中ですので、noteの発表では何年かかるのか解りませんが、コツコツを紹介していきますね。
引き続き、宜しくお願いいたします。

あおっち

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?