【フォレストシャッフル】カード考察
はじめに
「フォレストシャッフル」は、2023年に登場し、翌2024年には日本語版が発売されました。森に棲む生き物たちをテーマにした美しいアートワークが目を引くカードゲームです。本場ドイツでの評価が高く、2023年スカウトアクション3位、2024年ドイツゲーム賞1位、同年アラカルトカードゲーム賞1位と輝かしい受賞歴です。
内容としては、各手番で①カードを山札or場札から2ドローするか、②手札をコストに場にカードプレイして樹カードを配置or配置した樹の上下左右に生き物のカードを差し込みます。
私自身、BGAで何戦かする中で400点オーバーも叩き出し、戦い方が分かってきました。
そこで、今回、各カードを考察するとともに、「フォレストシャッフル」での戦略について考えていきたいと思います。
カード内訳
まず、基本情報として、カードの内訳を確認していきます。当然覚えきれるわけがありません。実際には、各カード名の右下に小さく数字が表記されていますので、それを参照するとよいでしょう。
○左右分割44枚
(シカグループ)
・アカシカ×5
・ノロジカ×5
・ダマジカ×4
※ノロジカ+ダマジカ1枚、アカシカ+ダマジカ1枚があるため、実質シカは12枚
・オオカミ×4
・オオヤマネコ×6
(ウサギグループ)
・ヤブノウサギ×11
・アカギツネ×5
※ヤブノウサギ+アカギツネ1枚
(洞窟グループ)
・ヒグマ×3
・アライグマ×4
※ヒグマ+アライグマ1枚
(イノシシグループ)
・イノシシ×5
・ウリボウ×4
(コウモリグループ)
・ウサギコウモリ×3
・キクガシラコウモリ×3
・チチブコウモリ×3
・ベヒシュタインホオヒゲコウモリ×3
・蚊×3
・オオヤマネ×4(※全てコウモリの反対側)
(その他)
・ヨーロッパアナグマ×4
・ムナジロテン×5
・ムラサキクマバチ×4
○上下分割48枚
(蝶グループ)
・イリスコムラサキ×4
・キベリタテハ×4
・クジャクチョウ×4
・ヒオドシチョウ×4
・ミドリヒョウモン×4
(鳥グループ)
・アカゲラ×4
・ウソ×4
・オオタカ×4
・カケス×4
・ズアオアトリ×4
・モリフクロウ×4
(両生類グループ)
・アマガエル×3
・ファイアサラマンダー×3
・ヨーロッパヒキガエル×6
・ヨーロッパヌマガメ×2
(昆虫グループ)
・クワガタムシ×2
・ホタル×4
・ヤマアリ×3
(草グループ)
・オランダイチゴ×3
・コケ×3
・シダ×3
・ブラックベリー×3
・ゲンチアナ×3
(キノコグループ)
・アンズタケ×2
・カラカサタケ×2
・ベニテングタケ×2
・ヤマドリタケ×2
(肉球動物グループ)
・ハリネズミ×3
・モグラ×2
・キタリス×4
○樹66枚
・セイヨウカジカエデ×6
・カンパ×10
・ブナ×10
・ベイマツ×7
・ナラ×7
・セイヨウトチノキ×11
・シナノキ×9
・ヨーロッパモミ×6
以上、カードの内訳でした。未プレイの方は、ここまでで引き返していただいた方が良いかもしれません。初プレイでの「何を集めようかな」というワクワク感を損なう可能性があります。既プレイの方で手っ取り早く強くなりたい方は、この先をご覧ください。
手効率を突き詰めよ
このゲーム、終了フラグがいつ切られるか分からないため、各プレイヤーで同じ回数手番が回ってくるとは限りません。各手番でいかに効率よくプレイするかがポイントとなります。手札管理の難しさはあると思いますが、コストとなるカードのアイコンをそろえ、ボーナスを発動させることは勝つためには重要な技術となります。例えば、プレイ時のボーナス効果として、2ドローがある場合には、次のドローのために必要だった1手番を浮かしたと言えます。コストなしでプレイするボーナスは、コストとなるカードのドローに必要な1~1.5手番とプレイに必要な1手番を浮かしています。このことから、ボーナスの手番削減効果について、以下の強弱で考えられます。
キノコは使わない
そう聞くと、1ドローを誘発する永続効果を持つキノコが強く見えてくると思います。特に拡大再生産系のボードゲーム経験者は、なおさらそう思うでしょう。しかし、キノコは基本使いません。キノコには得点がついていないからです。得点を出しながら、ボーナスでドローできるカードでしのげばよいだけです。最序盤に手札が詰まったら、やむなくプレイする程度です。
プレイしたカードで獲得したい点数のおおよその目安として、樹は5点以上、上下分割は5点以上、左右分割は10点以上と考えています。
次は、各論として、得点が伸ばすためにキーとなるカードをご紹介します。
強いカードを教えて!
このゲーム、樹をプレイしないと、森に生き物が棲むことができません。なので、最序盤何かしら樹をプレイしていくこととなりますが、私がおすすめしたい樹は「ブナ」です。
○ブナ
1コストで1ドローがついています。序盤の手札のやりくりに有用です。4本以上並べると各5点。本数が足りなければ、「ムラサキクマバチ」の効果で本数を増やしましょう。ブナの上だと5点の「ズアオアトリ」がいます。さらに、ブナアイコン×3点とすることができる「ノロジカ」という壊れがいます。また、ウッドランドエッジ拡張では、ブナまたはナラアイコン×2点という「ヨーロッパバイソン」が追加されています。ひたすら優遇された樹だと思います。
なお、次点で「ベイマツ」、その次は「セイヨウトチノキ」、「セイヨウカジカエデ」あたりを植えると思います。「カンパ」でも1ドローはできますが、1点にしかならないので、悪くはないけれどもそこまで強くない印象です。
ちなみに、「ナラ」の10点の条件である8種8本を植えると何点になるでしょうか。計算したところ、最大36点、1枚当たり4.5点となりました。
正直、8種揃えるのはカットもされますし、できても2人プレイぐらいかなと思っています。
○シカ
みんなが狙うTier1「シカ」です。カード内訳にもありましたが、シカ関連のカードは20枚を超えており、得点が伸ばしやすく、引きやすいという特徴があります。シカの中には、「ノロジカ」「ダマジカ」「アカジカ」の3種類がいます。
まず、「ノロジカ」は、ボーナス効果によるドローと樹アイコン×3点が付与されています。このシカが初期手札にある場合、対応するアイコンを持つ樹を展開するとよいと思います。対象となるアイコンがいくつあるのか調べた結果が次のとおりです。
アイコンによって、数に違いがあることが分かりました。アイコン数で勝負するならば、セイヨウトチノキとなりますが、アイコンだけで勝負するには難しいところがあります。とはいえ、12~15点以上は期待できます。また、ノロジカは、オオヤマネコ10点の条件にもなっており、シカが集まらなくとも得点源の幅を保証してくれるスーパーエースです。
次に、「ダマジカ」は、ボーナス効果によるドローと偶蹄類アイコン×3点が付与されています。4枚しかないレア鹿です。偶蹄類ということで、シカだけでなく、イノシシやウリボウも対象となるのが脅威です。偶蹄類アイコンは、12枚ありますので、最大36点出ます。
最後に、「アカジカ」は、ボーナス効果によるシカアイコンカードのノーコストプレイと樹&草アイコン×1点が付与されています。ボーナスのノーコストプレイは強力ですが、対象となるシカアイコンのカードをタイミングよく引けない等、なかなかうまく手札を調整しきれない難しさもあります。この効果に引っ張られ過ぎて、得点が伸び悩んだこともあるので、ボーナスを諦める見極めが大事ですね。
○オオカミ
シカを狙う「オオカミ」です。シカアイコン×5点を生み出す化け物ですが、4枚しかないレアです。シカアイコンは12枚ありますので、最大5点×12=60点まで伸びます。また、効果として、場のシカアイコン×ドローもついているので、シカ展開後に出したいところです。ボーナス条件はなかなか難しいですが、リターンも大きいので、可能な限り狙っていきたいところです。参考として、同様な肉食動物枠のアカギツネがありますが、ウサギ11枚であることから、最大2点×11=22点となります。やはり、シカ&オオカミペアの方が強いと言えます。
○ムナジロテン
四方が埋まっている樹×5点を生み出す「ムナジロテン」です。5枚あるので、出会いやすいです。ドロー付きなので、序盤の手札コントロールとして、使うこともできます。実際には15~25点ぐらいは叩き出せるので、複数枚あるほど脅威となっていきます。樹を埋めるために手数がかかりすぎるともったいないので、「モグラ」をつかって、一気に埋めるとよいでしょう。
○オオタカ
鳥アイコン×3点を生み出す手堅い得点源「オオタカ」です。4枚しかありません。鳥アイコンは24枚あることから、最大3点×24=72点ですが、24本も樹を植えることはないので、実際には12~15点ぐらいあれば上出来でしょう。
○シダ
両生類アイコン×6点を生み出す謎の植物「シダ」です。3枚しかないので、スーパーレアです。両生類アイコンは14枚あるので、最大6点×14=84点となりますが、そこまで樹を植えないので、18~24点で上出来です。また、両生類の「ファイアサラマンダー」はボーナスに加え、得点力もある優秀なカードなので、プレイできると強力です。
以上、私の考える強いカードの紹介でした。合言葉は、「ブナ・シカ・テン・トリ・シダ」といったところでしょうか。
強カードランク(Tier)
S:ノロジカ、ダマジカ
A:アカシカ、オオカミ、ムナジロテン、オオタカ、シダ
B:モグラ、ファイアサラマンダー、クワガタ
C:その他
(※独断と偏見で評価)
上にあるカードほど基本優先してキープします。ただ、相手がシカ戦略の場合、オオカミは可能な限りカットすべきです。同様に、蝶やウサギを集めている相手にはモグラをカットしていきます。
最後に
最後までご覧いただき、ありがとうございました。途中、未プレイの方は引き返して、読み進めない方が良いとアナウンスしました。これは、プレイを通して、強いカードを引けない・相手に取られることがストレスになるといった症状を懸念しています。
なお、アルプス拡張について触れていませんでしたが、個人的に必須拡張と感じています。基本だけでは強カードを先にとれたもん勝ち、戦略の幅が狭い印象がありますが、アルプス拡張では他のアイコンもアッパー気味で調整されたことから、立ち回り次第で逆転可能かと思います。
正直、フォレストシャッフルのメカニクスとしては、そこまでの目新しさはないセットコレクションという感じです。しかし、戦略や強さが分かっている者同士だと手札管理の苦しさも相まって、かなりしびれます。個人的には、麻雀に通ずる要素があると思っており、それが2~3人で60~90分程度で遊べるというのが本作の魅力だと感じています。
今後、プレイを重ねていく中で、また気づいたことがあれば、追記していきたいと思います。
では、みなさまもよきフォレストシャッフルライフを!