日本では毎年、約650万トンの食物と約10億着の服が捨てられている


日本では毎年、約650万トンの食物と約10億着の服が捨てられている。

そして、その半分は生産や売る側だけではなく、消費する家庭からの廃棄だという。

650万トンは、1人当たり毎日140グラム、つまり毎日おにぎり1個分のご飯を捨てていることになる。

10億着は新品のまま廃棄されていると推定されている数字で、毎年1人当たり約8着という計算になる。新品でない数字を含めるとさらに多くなるだろう。

食品について言えば、賞味期限が過ぎれば商品棚や家庭の冷蔵庫から処分され、服なら加速し続ける流行・トレンドのサイクルに遅れたり、売れ残ったりした分は、在庫にしておくより廃棄する方が経営的には有利だからだ

経済的利益と環境・社会的利益がかけ離れている


では、なぜ売れ残ると分かっているのに大量に作るのか? 

それは、大量に発注すれば製作費を安くでき、品切れで売れる機会を逃さないで済むからだ。売れ残り品の処分にかかる費用は、経費として価格に見込んでおけば、最終的に廃棄される商品は、初めからゴミとなる。

私たちは、これらの商品が廃棄されることを、商品を買う=廃棄前提価格で消費することで、生産者に暗黙の内に合意させられ、加担させられている。

私たちは多くの資源の浪費と環境負荷を知らされないまま、知ろうとしないまま、長時間営業し、いつも商品に満たされているコンビニやスーパーの恩恵を享受している。

フードロス分の生産過程、資源調達過程での排出ガス、森林破壊などの環境負荷、それらによる地球温暖化、異常気象、干ばつ、食料・水不足などの社会問題が世界中の人々に与える影響を、私たちは許容していることになっている。



https://www.asahi.com/and_w/20190712/711808/より引用・加筆

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