🛠️「yaccの中の人が喜ぶツール」として誕生したmake　UINIX友情物語

2020年12月20日 12:16

根深い宣言言語嫌い　そもそもの発端はmake/autoconfだったのか？

マクロを超えて、ディレクティブなどの名称を使う、DSL、源流はmake/autocofあたりかもしれないので、すこしでも親しみを持って生きていきたい。

まずは歴史背景から

(makeは)元々は1976年4月にベル研究所でスチュアート・フェルドマンによって作成された。フェルドマンは、変更されたが実行ファイルが誤って更新されていないプログラムを無駄にデバッグしている同僚の経験から、makeを書くことをひらめいた。

間抜けすぎる同僚、それだけで親しみが持てた。

同僚への生暖かい視線と親切（おせっかい？）から生まれた言語　make

（makeは）Steve Johnson (yacc などの作者) が私のオフィスに押しかけてきて、彼が正しいプログラムをデバッグするために午前中を無駄にしてしまったことから始まりました (バグは修正されており、ファイルはコンパイルされておらず、cc *.o は影響を受けていませんでした)

同僚は間抜けというかスティーブジョンソンというどっちかっていうとYACC（コンパイラのコンパイラ）を作った人。

私が取り組んでいたプロジェクトで同じ災害に対処するのに費やしていたので、このような問題を解決するためのツールのアイデアが浮かびました。それは依存性分析（dependency analyzer）の凝ったアイデアから始まり、もっとシンプルなものに煮詰められ、その週末にはMakeになっていました。

「yaccの人が喜ぶツール」としてmakeがある。ここではモニタの前に付箋をはって「makeしてね💌」みたいなやりとりがおじさん二人で交わされていたと想像しよう。

しかしmakeのイヤさ　ファイル引数のなさ

どうしても慣れない。ファイル引数を省略する必要性や思想が分からない。理由を問うても「慣習だから」の一点張り。

Without arguments, Make builds the first target that appears in its makefile, which is traditionally a symbolic "phony" target named all.引数がない場合、Make は makefile に現れる最初のターゲットを構築します。これは伝統的に all という名前のシンボリックな「ニセモノ」ターゲットです。

Makefiles are traditionally used for compiling code (*.c, *.cc, *.C, etc.), but they can also be used for providing commands to automate common tasks.Makefile は伝統的にコード (*.c, *.cc, *.C, など) のコンパイルに使用されますが、一般的な作業を自動化するためのコマンドを提供するためにも使用されることがあります。

YACCのスティーブが、引数があると凶暴に暴れ出すタイプのプログラマーだった、ということにしよう。

makefile 言語は宣言型プログラミングに似ています

このクラスの言語では、必要な終了条件は記述されていますが、アクションの実行順序は重要ではありませんので、命令型プログラミングに慣れているプログラマーには混乱することがあります。

混乱してるよ、今も、そしてこれからも。どうしてなんだmake。俺に命令しておくれといってもしかたがない。すべてはYACCののろいだと思おう。

makeに持ち込まれた、タブ（ぶっ）込み宣言構文

Python持ち上げた手前大きな声で言えないが、先輩作業者がみんな文句言ってるようだ。

各コマンドラインは、コマンドとして認識されるためには、タブ文字で始まる必要があります。タブは空白文字ですが、スペース文字には特別な意味はありません。これは問題です。タブと空白文字の間に視覚的な違いがないかもしれないからです

Wikipediaの人もすでにけんか腰。

makefile の（タブ文字を前提とした）構文はしばしば批判の対象となっています。 Eric S. Raymond は「Unix の歴史の中で最悪の設計ミスの一つ」と評し、The Unix-Haters Handbook は「構文の一部としてタブを使うのは、グリーンベレーにでてきたパンジー（pungee ）スティックのようなものだ」と述べています。

作者のフェルドマン氏の言い訳はこんな感じ

Why the tab in column 1? Yacc was new, Lex was brand new. I hadn't tried either, so I figured this would be a good excuse to learn. After getting myself snarled up with my first stab at Lex, I just did something simple with the pattern newline-tab. It worked, it stayed. And then a few weeks later I had a user population of about a dozen, most of them friends, and I didn't want to screw up my embedded base. The rest, sadly, is history.
なぜ1列目にタブがあるのか？Yaccは新しく、Lexは真新しかった。どちらもやったことがなかったので、これをきっかけに勉強しようと思いました。Lexに初めて挑戦して、自分自身を唸らせた後、私はただパターンの改行タブで簡単なことをしました。それはうまくいき、そのまま残りました。そして数週間後、ユーザー数が10数人になり、そのほとんどが友人だったのですが、私は自分の組み込みベースを台無しにしたくありませんでした。あとは、悲しいかな、歴史です。

そういうこと、あるよね。しかしどれだけ好きなんだYACC。

仲良くすることにした

きっと解決方法はあるはずだ。みんながコンパイラ作るようになればいい、きっとそんな未来になれば、こんなことは、小さな問題だ。

そしてmakefileの登場

督促状のように、「makeと別にすんな」とか「引用がすくねえ」とかいった注意が２０２０年末のmake fileアーティクルにはあるが、別にしたくなった人の気持ちはわかる。makeとmakefileは別に語った方がいい。それが宣言言語だから。けど、wikipediaでやんなくてもいいかもしれないけど。

宣言言語５つのお約束

makefileには５つの約束があるという、それは「明示的なルール」「暗黙的なルール」「変数」「ディレクティブ」「コメント」だ。こうして考えたら、Prologにそのうちイケる気もしてくるし、これをもっていつかyaccにまた挑戦する日もあるかもしれない。

壮絶、あまりに壮絶すぎた。。。

ビルドの自動化における問題の一つは、ビルドプロセスを特定のプラットフォームに合わせて調整することです。例えば、あるプラットフォームで使用されているコンパイラが、別のプラットフォームで使用されているコンパイラと同じオプションを受け入れない場合があります。これは Make ではうまく処理できません。

ここまで友人への親切、新しいことを学びたい意欲から生まれたmakeが、それでも批判されるのはひとえに予想以上に脚光を浴びてしまったからに違いがない。ましてネットの世の中になって、makefileがここまで配布される気もさらさらなかっただろう。サイロで作られたお友達ソフトにプラットフォーム間の問題を持ち込まないでよー、と学級委員がいたら言ってくれるだろう。

make以外がクールに進み過ぎているのか、makeが本当に「パンジートラップ（間抜けな罠）」なのか？

パンジートラップみたいな奇特な話はいくつか聞く。makeがそういう対象だというのは今知ったが、同じ違和感を共有できる人がいるのが分かっただけで良くて、今回はいろいろな意味で歴史を紐解くと壮絶だった。そして、こんぐらがったまま、あざ笑うかのようにautoconfが登場して、自分史の先頭にある。

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