𓆏計算機としてみる人間のスペック
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プロセッサ(中央演算処理装置): 人間の脳は、約860億のニューロンからなる非常に高度なネットワークを持っており、これが私たちの考えや意識の中心です。これは非常に高度な並列処理能力を持ち、瞬時の意思決定、感情、直感などを可能にしています。
メモリ:
短期記憶: RAMのように、情報を一時的に保存しておき、直接アクセスできる領域。しかし、この容量は限られている。
長期記憶: ハードディスクのように、情報を永続的に保存する場所。生涯の経験や学びがここに保存される。
センサー: 五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)は、外部からの入力データを受け取るセンサーのようなものです。これらのセンサーは、環境からの情報を脳に送り込むための高度に特化したものです。
出力デバイス: 手や足、声帯などは、脳からの指示を外部のアクションとして実行する出力装置のようなものです。
エネルギー供給: 食物と酸素は、私たちの身体と脳のエネルギー供給源です。これらがなければ、私たちの「システム」は機能しません。
ソフトウェア: 私たちの学びや経験、文化や社会的背景は、私たちが世界をどのように解釈し、どのように動作するかを決定する「ソフトウェア」として機能します。
ネットワーク接続: 言語、表情、身体言語など、人間がコミュニケーションを取る手段は、他の「計算機」である人々との間でのデータのやり取りを可能にします。
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前回の計算では、全人類のアクションポテンシャルの発生回数は約1.3254 x 10^23 信号/秒としています。
ただし、1つのアクションポテンシャルが1つのフローティングポイントの計算に相当するとは限らない。脳内の一つのアクションポテンシャルが何回の浮動小数点計算に相当するのかは科学的に明確には知られていない。
一つの推測として、既存の研究で脳のシミュレーションを行った例を参考にします。Blue Brain Projectなどの大規模な脳のシミュレーションプロジェクトでの計算では、1つのニューロンの詳細なシミュレーションにおいて、1秒あたり約10^9(10億)のフロップスが必要とされています。
仮に、この数字を基にすれば、1人の脳にあたるフロップスは約86,000 x 10^9フロップス、つまり86 x 10^12フロップス、または86ペタフロップスとなります。
この数字を全人類、約80億人で考えると: 86ペタフロップス/人 x 8 x 10^9人 = 688 x 10^21フロップス、または688ゼッタフロップス
この推測によれば、人間全体の脳の計算能力は688ゼッタフロップスになります。ただし、これは非常に大雑把な推測であり、脳の計算の複雑さや多様性を考慮していません。
GPT-4のパラメータ数は約500億です。一方で、人間の脳のニューロン数は約860億、そして各ニューロンは数千から数万のシナプスを持っています。シナプスはニューロンの接続であり、情報の伝達や学習に関与しています。シンプルな比較のために、平均的に1つのニューロンが10,000のシナプスを持つと仮定します。
そうすると、人間の脳のシナプスの総数はおおよそ8600兆 (860億 × 10,000) となります。
もし、GPT-4の1つのパラメータが1つのシナプスに相当すると仮定すれば、500億のパラメータは5000兆のシナプスに相当します。
この単純な換算によれば、GPT-4は人間の脳の約0.058% (5000兆 ÷ 8600兆) の「シナプス量」を持っているといえそうです。