ルイス・H・モーガンは、人類社会の進化の段階として、原始共産制の存在を示唆しました。彼の著作『古代社会』(1877年) では、人類の社会的・文化的発展をサヴェージリー(野蛮の初期)、バーバリー(野蛮の中期)、シヴィリゼーション(文明の時代)という3つの段階に分けました。
この中で、特に初期の段階(サヴェージリー)では、人々は狩猟や採集を基盤とする生活をしており、土地や生産物は共同で所有され、共有されていたとされます。これが「原始共産制」と呼ばれる概念の基盤となります。
フリードリヒ・エンゲルスは、モーガンのこの研究を基にして、『家族・私有財産および国家の起源』を書き、モーガンの理論をマルクス主義の視点からさらに展開させました。