【過去記事】落ち葉#1 「ある夜の海で」
夜の海、小雨が降っていて、少し波が高かった。岸壁に次々とぶつかる波の音が嫌に大きく聞こえて、自分の力ではどうにもならないようなものを感じた。でも、僕の隣にはそのどうにもならないようなものを一緒に乗り越えていけると思える人がいた。その人の鼓動と温かさを感じられる近さになると、どうしてか身長を聞かれた。しばらく、そのままだったけど、やがて帰路に着いた。その人が何を考え、思っていたのかは分からない。でも、その時僕はずっとこのままだったらいいのにと思っていた。