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人材の確保・定着へ不妊治療と仕事の両立支援を|気ままに労働雑感

少子高齢化に伴い労働力人口が減少するなか、多くの企業で事業を支える人材の確保・定着が大きな課題になっています。
人材を集め、定着してもらうためには、仕事と生活を両立できるような働きやすい職場づくりが大事ですが、そのなかの一つとして私が注目しているのが、「不妊治療と仕事の両立支援」です。

近年、不妊治療を受ける夫婦は約5.5組に1組に上るといいます。
厚生労働省の調査によると、不妊治療を経験した男女の16%が仕事と両立できずに離職しています。
女性に限定すると、離職割合は23%に達します。

同調査では、不妊治療経験者が仕事との両立を難しいと感じる要因として、「通院回数が多いこと」、「通院と仕事の日程調整が難しいこと」、「精神面で負担が大きいこと」が挙がっています。
また、不妊症治療経験者は会社に対し、「治療のための休暇制度」や「柔軟な勤務を可能とする制度」、「有給休暇を時間単位で取得できる制度」、「有給休暇など既存制度を取りやすい環境づくり」などを期待しています。

女性の晩婚化がさらに進んだ場合、不妊治療に取り組む夫婦の増加が予想されます。
企業が何も対策を講じなければ、貴重な人材を失うケースも増えるでしょう。

人材の確保・定着を課題として認識している企業にとっては、不妊治療を受ける労働者が一定数いることや、不妊治療の特徴を理解することが重要だと思います。

厚生労働省ではこのほど、企業の理解を深めるため、「不妊治療を受けやすい休暇制度等導入支援セミナー」のオンライン配信を開始しました。

不妊治療の現状や、企業における各種制度の導入方法と留意点を詳しく紹介しているので、不妊治療と仕事の両立への関心が高くなかった企業の方にもぜひ見ていただきたいと思います。

労働新聞編集長 金井 朗仁

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